シャボン玉、大きな声…「子どもの遊び」は迷惑!?

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2021年10月19日 11:30  AERA dot.

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 コロナ禍で家にいる時間が長くなっている昨今。子どもの声や遊ぶ行動が「気になる」と、SNS上でやり玉に挙がるケースが見られる。子どもは遊びたい、でも大人はときに「うるさい」と感じてしまう。どう対応すればいいだろうか。


*  *  *


 大手生命保険会社のソニー生命が昭和、平成生まれの各500人に思い出に残っている遊びを聞いたところ、昭和生まれは1〜5位が缶蹴り、ゴムとび、かくれんぼ、鬼ごっこ、なわとび。平成生まれの1〜5位はケイドロ・ドロケイ(警察と泥棒の2組に分かれて遊ぶ鬼ごっこの一種)、鬼ごっこ、ゲーム/テレビゲーム、ドッジボール、缶蹴りだった(2018年3月調べ)。


 いずれも屋外での遊びが上位を占め、道路や駐車場も遊び場として想定されているようだ。


 だが近年、SNSでは「シャボン玉が洗濯物についてイヤ!」「子どもの声がうるさい」といった意見が見られる。コロナ禍で家にいる機会が増え、今まで気にも留めなかった子どもたちの遊んでいる声や行動が、目に入るようになったのかもしれない。


 まず全国シャボン玉安全協会会長でシャボン玉メーカー「友田商会」(福岡市博多区)の会長、友田和哉さん(66)にシャボン玉が気になるという意見について聞いてみた。


「当社に直接クレームが来たことはありませんが、そういうお話は2年ほど前から聞くようになりました。自分が洗濯物を干していてシャボン玉がバンバン飛んできたら、確かに気になるかもしれませんね」。友田さんはそう理解を示したうえで、シャボン玉についてこんな解説をしてくれた。


 対象年齢は3〜5歳程度で、小学校に入るとあまりやらなくなる。母親が買い、親が吹くのを見て、子どももまねしてやってみるのが一般的だ。


「小さな子どもはお母さんのおっぱいを吸ってきたので吸うことは簡単にできるが、吹くことはうまくできないようです」


 だとすると、シャボン玉が大量に発生する状況はあまりない。




 友田さんが続ける。


「シャボン玉の大きさは2、3センチで、97%以上が水分、残りの3%未満が界面活性剤です。膜の厚さは1千分の1ミリ程度で、時間の経過とともに1万分の1ミリと薄くなり、消えていくのです」


 シャボン玉1個の水分量は、小雨が降り始めたときの1、2粒と同じくらいの量だという。その浮遊時間は「5〜10秒で、風がないと自然に下に落ちてしまいます」。


 だから、子どもたちのシャボン玉遊びが周囲に与える影響は小さいと友田さんは言う。


「ただ影響が少ないとはいえ、気にする方もいる。吹く場所には配慮が必要でしょうね」と友田さん。


 では子どもの遊ぶ声はどうだろう。


「子どもの声に限って、何デシベル以上は違法だということを定める法律はありません」


 ベリーベスト法律事務所の弁護士、松井剛さんはそう話す。だが遊ぶ場所にはやや注意が必要だという。


「たとえば、駐車以外の目的で無関係の人が駐車場に入ることは許されない。場合によっては建造物侵入となり、厳密には違法となります。ただ、普通は犯罪や損害賠償という話にはならず、注意されて退去させられるのがほとんどですね」


 止めてある車に傷をつけた場合は刑事責任や損害賠償の問題になることもありえる。


「14歳未満の場合、本人は刑事罰を受けませんが、民事的に親の責任が問われることもあります」


 子ども同士の遊びでは、他人の子は注意しにくいとか、子どもに注意して親に逆ギレされた、といったケースもあるようだ。


「自分の身を守るためにも、人に迷惑をかけることは避け、不要なもめごとは起こさないこと」。自身も子を持つ親である松井さんはそうアドバイスしてくれた。


◆子どもの声は脳に届きやすい


 子どもたちが集まり、遊び、学ぶ保育園や幼稚園はどう考えているのだろうか。


「子どもの声が気になるという苦情がうちに来たことはないですね」と話すのは、バオバブ保育園園長の山根孝子さん。




 同保育園は東京都多摩市の住宅地にある。周囲は子どもの声はそれほど気にしていないようだが、「太鼓の音がうるさい」というクレームは過去にあった。窓をしっかり閉め、太鼓で遊ぶ日を事前に知らせるなどして理解を得たという。


「近隣の方々とは普段からコミュニケーションを取るようにしています。そうすると、だいたい了解していただけますね」と山根さん。子どもが遊ぶにも、さまざまな配慮が必要な社会になったようだ。


 ではそもそも、なぜ子どもが大声を出したり、遊んだりするのが大人は気になるのだろう。


 神奈川大学人間科学部教授で、子どもの教育相談も受けている杉山崇さんにたずねると、こんな答えが返ってきた。


「子どもを守るため、大人は本能的にその存在に敏感になる必要がある。だから声や行動がどうしても気にかかるようになっていて、子どもの声が選択的に脳に届くようになっているのです」


 この傾向はあらゆる動物にあるが、特に人間は問題や課題を解決して進化していく過程で、目の前の課題に集中するときに子どもの声が脳に届くと行動や思考が中断されるので、子どもの声が「うるさい」となっていったという。


「子どもはできることを全力でやることで成長していく。大きな声を発することや自由な行動を強く抑制すると、成長を妨げかねません」。子どものころ思いっきり遊べなかったのがトラウマとなり、大人になっても思いきったことができないなど、モヤモヤが晴れないという相談が増えているそうだ。


「子どもにとってほどよい危険がある環境で遊ばせるのが適切です。危険が全くない場所では、何が危ないか、何がよくないかを学ばなくなってしまいます」と杉山さん。子どもを締め付ける社会になってしまっては、子どもの成長の芽を摘み、ひいては社会全体が萎縮してしまう可能性があると話す。


「不安がいっぱいで余裕がない世の中ですが、一人ひとりが心の中だけでも穏やかに暮らそうと思ってほしいですね。そうなれば、子どもの遊びや大きな声にも寛容になれると思います」


(本誌・鮎川哲也)

※週刊朝日  2021年10月22日号



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このニュースに関するつぶやき

  • シャボン玉は迷惑。他人の顔にシャボン玉を吹き付け、弾けた液が目に入って苦しむのを見て喜ぶ=無邪気な遊び?あの液は、結膜炎と気管支喘息召喚アイテム。特に抱っこ=拘束状態の乳幼児は避けようがない。
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  • 常識的な時間帯の遊び声は我慢できるけど、敷地に侵入してきて駆けまわったりボール遊びされるのは嫌。絶対嫌。それを当たり前の子供の権利と思ってる親はお気に入りの下着にウンコ漏らせばいいのにって思う。
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