取り乱しながら、そこらへんにあるものを手当たり次第に投げる妻を押さえながら、抱きしめます。
夫「……大丈夫だから……」
妻「なんで――どうして……」
まるで赤子のように泣き叫ぶ妻を抱きしめながら、どうしてあげるべきか考えます。
ベッドで眠っている妻の手を握りながら、出会ったときのことを思い出しました。妻は仕事の取引先で事務をしていました。いつも眉間にしわをよせて、人のために懸命に働いていました。それが次第に慣れてくると笑顔を見せてくれるようになり、「こんな風に笑うんだ」と嬉しくなったのを覚えています。いつも何かを背負って生きづらそうにしていた彼女を、ずっと笑わせてあげたい……そう思って結婚をしたはずなのに。
果たして今の生活は、僕たちが望んでいたものなのだろうか……。
僕は妻の手を、より一層強く握りしめました。
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原案・ママスタコミュニティ 脚本・渡辺多絵 作画・Ponko 編集・秋澄乃