PSG内での序列はいまや3位に。ネイマールが完全復活するために必要なこと

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2021年10月19日 17:11  webスポルティーバ

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ネイマールの危機(後編) 前編を読む>>

 テレビ取材やインタビューでネガティブな発言を繰り返しているネイマール。彼が精神的に追い込まれているのは間違いない。

 10月14日に行なわれたW杯南米予選ウルグアイ戦を前に、ブラジル代表キャプテンのチアゴ・シウバは「我々はネイマールを助けないといけない」と人々に呼び掛けている。彼もまた、セレソン(ブラジル代表)やパリ・サンジェルマン(PSG)で「泣き虫」「精神的に脆い」などとさんざん言われ続けてきた経験をしている。それだけにネイマールの気持ちはよくわかるという。

「彼の置かれている状況は厳しいものがある。選手は常にプレッシャーにさらされているが、ネイマールに寄せられている非難は、もっと個人的でダイレクトなものだ。人々は彼がピッチで何をしてきたかを忘れている。彼がサッカーへの愛を失わないことを祈る。なぜなら彼は依然として特別な存在で、すばらしいプレーヤーだからだ」




 かつてインテルやナポリで活躍したカイオ・リベイロもグローボTVの電話インタビューでこう語った。

「人々はネイマールを愛し理解しなければいけない。確かに彼はいくつも過ちを犯してきた。馬鹿なこともしてきた。でも今の批判は大げさすぎる」

 そしてネイマールには「心も頭も強くなければいけない」とのメッセージを送った。

 PSGのマウリシオ・ポチェッティーノ監督も「我々はネイマールを愛すべきだ」というメッセージを、つい先日、発信している。人々が次々と助け舟を出さなければいけないほどネイマールは危ういのかもしれない。

 夏に高級リゾート地イビサ島から帰ってきネイマールは「腹が出ている。プロらしくない」などとさんざん非難された。SNS上では、彼と太ってしまった元ブラジル代表ロナウドを合成した画像などが出回った。ネイマールはそれに対し、シックスパックの自身の写真をインスタグラムに載せて反撃。ペルー戦ではゴール後にシャツをめくってお腹を見せている。

 このように、ネイマールは性格的に周囲の声を無視できないところがあり、SNSなどにもすぐに反応してしまう。ESPNのパオロ・コボス記者はこう提言している。

「何年もひとりですべてを背負っていたら、精神的にも参るだろう。チッチはしばらくネイマールを休ませるべきだ。ブラジルはすでにほぼW杯出場を決めている。この後の代表戦は消化試合か親善試合だ。皆が愛そうが愛すまいが、ネイマールはブラジルのエースだ。まずはPSGでのプレーに集中させて、そこでネイマールに自信を取り戻させることが、ひいてはブラジルのためにもなるのではないか。そして、それこそブラジルがW杯でいい結果を出すことにつながるのではないか」

 ネイマールはごくシンプルな青年だ。ロジカルではなく非常にエモーショナル。その感情がプレーや行動にすぐに反映する。

「これ以上、どうしたらいいかわからない」

 ネイマールが投げかけたその問いに、私ならこう答えたい。

「その答えは約400gの球体にある。ボールは悪意を持ったりはしない。君がいいプレーをしたいと思えば、ボールはそれに応えてくれる。それだけに集中すれば、すべてはうまくいく。君より才能のない奴らは放っておけ。地面で転がるのをやめ、メディアに挑んだりせず、ボールだけを見ればいい。そうすればきっといいことが起こるだろう......」

 14日のウルグアイ戦で、ネイマールは久々にすばらしい活躍を見せた。見事なゴールとアシストでブラジルは4−1で勝利。ブラジルはまるで音楽に乗ったかのように流れるようにプレーした。そのなかでも一番すばらしかったのがネイマールだった。まるで彼だけが別次元のプレーをしているかのようだった。

 ネイマールはゴール以外にも多くのシュートを放ち、それが入っていたらブラジルは10−1で勝利していてもおかしくなかった。そうならなかったのは、6本の決定的なシュートを防いだウルグアイのGKフェルナンド・ムスレラ(ガラタサライ)のおかげである。新たにコンビを組んだ24歳のハフィーニャ(リーズ)との相性も良く、ネイマールに関しては、ここ2年で一番の出来だった。

 この試合は久しぶりに観客を入れての代表戦だった。会場はマナウス。普段なかなかセレソンなどを見られない土地柄のため、スタンドの1万5000人の観客は素直に選手たちを応援してくれた。ネイマールも久しぶりに落ち着いてプレーできたことが、ファインプレーにつながったのかもしれない。

 こうなると皆、手のひらを返したようにネイマールを称賛する。ネイマールを「愚かだ」とこぼしたガルバオも「この試合はネイマールショーだ」と称えた。しかし、手放しで喜んではいられない。これでネイマールの問題がすべて去ったわけではない。

 フランスに戻ったネイマールだが、負傷のため、チャンピオンズリーグのライプツィヒ戦は欠場する。

 PSGでかつて王様だった彼は、今やリオネル・メッシ、キリアン・エムバペに続くナンバー3の選手と目されている。いや、もしかしたら好調のアンヘル・ディ・マリアよりヒエラルキーは下かもしれない。今後のリーグ戦やチャンピオンズリーグの試合で何ができるかによって、ネイマールの心の持ちようも大きく変わってくるのではないかと思う。

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