大学入試の基礎知識!入試の種類、スケジュール、費用や受験傾向は?

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2021年10月20日 00:11  スタディサプリ進路

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スタディサプリ進路

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大学への進学を考えているけれど、いろいろな入試方法があって、どんな試験を受ければいいのかわからない、という高校生もいるのでは?かといって、今さら大学入試の基礎なんて誰にも聞けない、と困っている人もいるだろう。

そこで、大学入試について、入試の種類、スケジュール、国公立大学と私立大学の入試の違いやそれぞれの対策方法、受験費用、最近の受験傾向まで、基礎からわかりやすく解説。

スタディサプリ講師で、カンザキメソッド代表の神史彦先生にアドバイスをもらった。
今回教えてくれたのは
神史彦先生

神崎史彦先生
出典:スタディサプリ進路

株式会社カンザキメソッド代表取締役。
スタディサプリ講師。私立学校研究家。高大接続・教育コンサルタント。
大学卒業後、大学受験予備校において小論文講師として活動する一方、通信教育会社や教科書会社にて小論文・志望理由書・自己アピール文の模擬試験作成および評価基準策定を担当。
のべ6万人以上の受験生と向き合うなかで得た経験や知見をもとに、小論文・志望理由・自己アピール・面接の指導法「カンザキメソッド」を開発する。
現在までに刊行した参考書は26冊(改訂版含む)、販売部数は延べ25万冊、指導した学生は10万人以上にのぼる。

大学入試にはどんな種類がある?

大学入試の基礎知識!入試の種類、スケジュール、費用や受験傾向は?
出典:スタディサプリ進路

大学入試には、大きく分けて、一般選抜・総合型選抜・学校推薦型選抜の3種類がある。

さらに、一般選抜は、大学入試センターが実施する大学入学共通テストと、各大学が独自に実施する一般選抜試験に分けられる。

また、学校推薦型選抜も、公募制と指定校制の2種類がある。

一般選抜とは?

大学入試と聞いて一番に思いつく人も多い試験のひとつ。

2020年度までは「一般入試」と呼ばれていたが、2021年度入試(2021年度入学者を選抜する入試)より「一般選抜」に名称が変わった。

国公立大学の場合は、まず例年1月中旬に実施される大学入学共通テストを受験。

その結果をふまえて、2月下旬から始まる各大学独自の2次試験に出願する。

国公立大学の合否は、大学入学共通テストと2次試験の合計点で決まる。

2次試験は前期・中期(公立のみ)・後期の3日程。

前期は2〜3科目の筆記による学科試験、後期は論文や総合問題、面接が中心。

募集人数の約8割が前期で採用され、後期は難易度も倍率も前期より高くなる傾向がある。

私立大学には、各大学独自の試験問題で行われる個別学力試験によるものと、大学入学共通テストを利用したものがある。

基本となる試験は3教科だが、2教科や1教科で受験できる私立大学・学部・学科もある。

ひとつの私立大学・学部・学科に対して、複数の受験方式から選択でき、複数の出願も可能な場合が多いので、必ず募集要項を確認しよう。

大学入学共通テストとは?

2020年度まで実施されていた「大学入試センター試験」が名称を変え、2021年度入試よりスタートした「大学入学共通テスト」。

国公立大学の一般選抜の1次試験であると同時に、私立大学でも選抜方法のひとつとして利用されている。

2022年度入試は、1月15日(土)、16日(日)の2日間に分けて行われる。

全部で6教科30科目あり、その中から受験する大学で指定されている科目を選択。

国公立大学を受験する場合は5教科7科目が基本。

私立大学の一般選抜(大学入学共通テスト利用)を受験する場合は、大学・学部・学科によって異なり、1教科〜3教科で、1科目〜6科目。

大学入学共通テストの成績だけで合否が判定される私立大学・学部・学科もあり、1回の大学入学共通テストで複数の私立大学に同時出願できるメリットがある。

もっと大学入学共通テストについて知りたい人は、こちらの記事をチェック!
今さら聞けない!大学入学共通テストの基礎知識!一般入試と何が違うの?

総合型選抜とは?

大学入試の基礎知識!入試の種類、スケジュール、費用や受験傾向は?
出典:スタディサプリ進路

総合型選抜とは、大学が求める学生像(アドミッションポリシー)に合った人物を、面接などを通して選抜する入試制度。

2020年度までは「AO入試(アドミッションズ・オフィス入試)」と呼ばれていたが、2021年度入試から「総合型選抜」に名称変更。

それと同時に、調査書などの出願書類だけでなく、各大学が実施する評価方法など(小論文、プレゼンテーション、口頭試問、実技、各教科・科目に係るテスト、資格・検定試験の成績など)もしくは大学入学共通テストのいずれかが必須化されるようになった。

基本は、志望理由書・調査書などによる書類選考、面接、小論文による選抜だが、大学によっては選考方法に特色があり、学力試験や実技試験を課したり、小論文や口頭試問で知識が問われたりするケースもみられる。

★もっと総合型選抜について知りたい人は、こちらの記事をチェック!★
総合型選抜を基礎から解説! AO入試からどう変わった? 学校推薦型選抜との違いは?

公募制の学校推薦型選抜とは?


学校推薦型選抜とは、出願するときに出身高校の推薦書が必要な入試。

2020年度までは「推薦入試」と呼ばれていた。

大学が指定する評定平均などの推薦基準を満たしていないと、高校の学校長の推薦が得られないため、出願できない。

「公募制(旧公募推薦)」は、出願できる高校に制限がなく、大学が定める出願条件を満たし、高校の学校長の推薦があれば、誰でも受験できる。

選抜方法は、書類選考、面接、小論文が一般的。

調査書・推薦書などの出願書類のほかに、学力検査、小論文、口頭試問、資格・検定試験の成績、大学入学共通テストなどのうち、少なくともひとつが活用されて、合否が判定される。
学力試験や実技試験が課される場合もあり、各大学によって異なるので、募集要項をしっかり確認しておこう。

★もっと公募制の学校推薦型選抜について知りたい人は、こちらの記事をチェック!★
学校推薦型選抜(旧推薦入試)とは?公募制と指定校制の違い、出願資格・スケジュールも徹底解説

指定校制の学校推薦型選抜とは?

高校の学校長の推薦書があれば誰でも出願できる「公募制」に対して、大学が指定した高校の生徒にのみ出願資格があるのが「指定校制(旧指定校推薦)」。

ひとつの高校から推薦できる人数は限られていて、希望者が多い場合は校内選考で選抜される。

校内選考を勝ち抜かなければならないが、出願できれば合格率は非常に高い。

ただし、専願(1つしか受験しないこと)のみで、合格したら必ず進学する必要があり、総合型選抜や公募制の学校推薦型選抜とかけもちして出願することはできない。

選抜方法は、高校での選考を経て、各大学で書類選考や面接などの試験が行われるのが一般的。

公募制と同様に、調査書・推薦書などの出願書類のほかに、学力検査、小論文、口頭試問、資格・検定試験の成績、大学入学共通テストなどのうち、少なくともひとつが活用されて、合否が判定される。

★もっと指定校制の学校推薦型選抜について知りたい人は、こちらの記事をチェック!★
指定校制の学校推薦型選抜(旧指定校推薦)とは?仕組みや試験内容をチェックしよう


大学入試の各試験のスケジュールは?

文部科学省より大学入試の実施要項が提示されていて、ある程度の試験スケジュールも決まっている。

大学入試の基礎知識!入試の種類、スケジュール、費用や受験傾向は?
出典:スタディサプリ進路

2022年度試験は、

●総合型選抜
入学願書受付/2021年9月1日(水)以降
合格発表/2021年11月1日以降

●学校推薦型選抜
入学願書受付/2021年11月1日(月)以降
合格発表/2021年12月1日(水)から一般選抜の試験期日の10日前まで(学校推薦型選抜で大学入学共通テストを活用する場合は前日までのなるべく早い期日)

●大学入学共通テスト
入学願書受付/2021年9月27日(月)〜10月7日(木)
本試験/2022年1月15日(土)・16日(日)
追試験/2022年1月29日(土)・30日(日)

●一般選抜 試験日/2022年2月1日(火)〜3月25日(金)
※小論文など、プレゼンテーション、口頭試問、実技などは2022年2月1日より前から実施することができる 合格発表/2022年3月31日(木)まで

大学入学共通テスト以外のスケジュールは、各大学によって異なるので、必ず募集要項を事前に確認しておこう。

国公立大学と私立大学の入試の違いは?

国公立大学の受験方法は?


「国公立大学の受験方法には、総合型選抜、公募制の学校推薦型選抜、一般選抜があります。

一般選抜は、二段階選抜になるのが大きな特徴。

1次試験にあたる大学入学共通テストの結果をふまえて出願する2次試験では、前期・後期いずれも1校ずつしか選べません。

国立大学協会は、2021年度までに総合型選抜と公募制の学校推薦型選抜を拡大し、入学定員の30%に増やす計画をしているため、一般選抜からの移行が増えてくるのではと思います」(神先生)

私立大学の受験方法は?


「私立大学の受験方法には、一般選抜、総合型選抜、公募制の学校推薦型選抜、指定校制の学校推薦型選抜があります。

一般選抜は、さらに各大学独自の試験問題で行われる個別学力試験によるものと、大学入学共通テストを利用したものに分けられます。

同じ私立大学の学部・学科で、個別学力試験と大学入学共通テスト利用入試の両方に出願することも可能で、合格のチャンスが増えるのがメリットです。

総合型選抜と指定校制の学校推薦型選抜は原則として専願のみで1校しか受験できませんが、公募制の学校推薦型選抜は大学によって併願可能な場合もあります。

一般選抜は、試験日さえ重ならなければ何校でも受験可能。

さらに、大学入学共通テストの得点のみで合否が判定される一般選抜は、私立大学での個別学力試験を受ける必要がないため、試験日も関係なく、何校でも出願できます。

その一方で、私立大学では50%以上もの入学者が一般選抜以外の入試で、総合型選抜や学校推薦型選抜など何らかの推薦制度を利用していて、今後も増えていくでしょう」(神先生)

大学入試の各試験の対策方法は?どんな違いがある?

一般選抜の対策方法は?


「一般選抜は、とにかく試験の出題範囲が広いので、高校1年生から継続して積み重ねていくことが必要。

特に、英語・数学・古文は、基礎がしっかりしていないと応用が利きません。

定期テスト前に、その場しのぎの勉強をするのではなく、基礎からコツコツ勉強していきましょう。

大学入学共通テストでは、国公立大学に出願するなら5教科7科目が一般的。

私立大学は、2教科から3教科にしぼって勉強することができますが、自由に科目を選べない場合もあるので要注意。

大学・学部・学科によって、受験科目を指定されることもあります。

一般選抜の場合は、高校で履修していなくても受験できますが、独学や塾などで試験勉強をしなくてはいけないので、文理選択や科目選択の時に、ある程度の志望校や志望学部を考えておきたいですね」(神先生)

総合型選抜の対策方法は?


「総合型選抜では、経験の積み重ねが努力とみなされる傾向があります。

高校3年生になって急に付け焼き刃の活動をしても、点数稼ぎや損得勘定でやったことは面接などでボロがでてしまうと思います。

高校1年生から、例えば『総合的な探究の時間』という授業で探究活動をしたり、自分自身で調べたり、実際にアクションを起こすことが大事です。

コンテストに出場するなど明確な実績を残したり、英検(R)・漢字検定・数学検定などの資格検定試験を受験したり、コツコツと努力しておきましょう。

直接的な対策としては、出願書類の書き方、事前課題の小論文、面接やグループディスカッションなどについて、詳しく解説しているスタディサプリの総合型選抜対策講座を参考にしてみてください。

総合型という以上、高校の成績もしっかり評価されます。

出願時に提出する調査書には、高校1年生から高校3年生の1学期までのすべての成績や、生徒の活動のようす、遅刻・欠席日数なども記載されているので、日頃の高校生活も手を抜かないようにしましょう」(神先生)

学校推薦型選抜の対策方法は?


「学校推薦型選抜では、小論文と面接試験を実施している大学が多いので、その対策がポイントになります。

小論文は、ただ文章が上手に書ければいいというわけではありません。

しっかりと教養を身につけておくことが大切。

例えば、新聞を読んだり、ネットニュースを見たとき、なぜそうなっているのか、背景を正しく読み取って、自分なりに分析してみましょう。

読書をするなら、小説ではなく、自分の志望学部にかかわる学術的な内容の本がおすすめです。

図書館の司書の先生に、自分が興味あること、学びたいことを伝えて、相談してみるといいですね。

★もっと小論文について知りたい人は、こちらの記事をチェック!★
「小論文とは?」作文とは何が違うの?構成や評価基準を詳しく解説!

学校推薦型選抜の場合、評定平均、履修科目、外部英語検定試験の成績などが出願条件になります。

評定平均を上げるには、高校1年生のうちから苦手科目をなくすこと。

高校1年生から3年生の1学期までの評定の平均値が教科別に計算されるため、例えば2年生で文系クラスに進むと数学や理科の科目が少なくなり、1年生でとってしまった数学の悪い成績が挽回できない、というケースも。

必要な科目を履修していないために、そもそも出願できない、という失敗も多いので、文理選択や選択科目を決めるときに志望校の募集要項をチェックしておくと安心です。

外部英語検定試験は、文部科学省が作成している『各資格・検定試験とCEFRとの対照表』を参考に、B1〜B2レベル程度を目指しましょう」(神先生)

出典:スタディサプリ進路

大学入試の各試験の検定料は?

●大学入学共通テスト
3教科以上の受験:1万8000円(成績通知希望:1万8800円)
2教科以下の受験:1万2000円(成績通知希望:1万2800円)

●国公立大学の2次試験
1万7000円

●私立大学
2万円〜3万5000円程度(大学や入試方式によって異なる)

●私立大学の大学入学共通テスト利用入試
1万5000円〜2万円程度(大学や入試方式によって異なる)

最近の大学入試の受験傾向は?


「総合型選抜や学校推薦型選抜を受験する高校生が増え続けています。

新型コロナウイルスがいつ収束するのかわからず、一般選抜試験が受けられるのか不安に感じて、早い時期に大学を決めてしまいたいという人が多いようです。

大学側も、優秀な学生を確実に入学させたいという意向で、総合型選抜や学校推薦型選抜の募集定員を増やそうという流れになっています。

そのため、一般選抜の募集定員が減って、難易度が上がっていくかもしれません。

総合型選抜や学校推薦型選抜では、コロナ禍でグループディスカッションが行いにくくなり、事前に小論文や課題のレポートを提出させる大学が増えています。

今後、オンライン面接を実施する大学も多くなっていきそうです。

一般選抜では、オンライン受験を導入する大学もあり、私立大学の大学入学共通テスト利用入試と合わせて、受験する大学の遠方に住んでいる高校生でも、リモート受験できる機会が増えていくと思います」(神先生)
ひとことで大学入試といっても、さまざまな種類があり、受験時期も、対策方法も大きく異なってくる。

さらに、専願のみか併願可能なのか、評定平均や履修科目などの受験資格が課せられているのか、大学入試の種類や各大学の出願条件によっても制限があるため、注意が必要!

さまざまな入試形態を理解して、受験チャンスをのがさないように!

取材・文/やまだ みちこ 監修/神史彦 構成/黒川 安弥

※2021年9月の取材時点の情報になります。

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