岸田・自民vs.枝野・立憲で政策激突 「消費税」「選択的夫婦別姓」「モリ・カケ・サクラの再調査」で比較

23

2021年10月20日 08:00  AERA dot.

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AERA dot.

写真「分配なくして成長なし」と訴える枝野代表(左)、「成長も分配も」が基本だが、まずは成長と話す岸田首相(c)朝日新聞社
「分配なくして成長なし」と訴える枝野代表(左)、「成長も分配も」が基本だが、まずは成長と話す岸田首相(c)朝日新聞社
 4年ぶりとなる総選挙が始まる。与野党はどんな政策を訴え、コロナ禍で疲弊する日本をどう導こうとしているのか。AERA 2021年10月25日号の記事を紹介。


【比較表】コロナ対策、消費税…自民と立憲の主な主張の違いはこちら
*  *  *


 10月14日、午後1時。衆議院本会議場。すでに政界からの引退を表明している大島理森衆院議長の元に、恭しく紫の袱紗(ふくさ)に包まれた解散詔書が届けられた。数秒後、静寂に包まれた国会に大島議長の声が響き渡った。


「日本国憲法第7条により、衆議院を解散する」


 直後、議場のどこからともなく「バンザーイ」の声が上がり、自民党議員を中心に万歳三唱が続く。あっという間に本会議は終了。身分を失った前衆院議員は、少しでも早く自身の選挙区に戻ろうと議場を後にした。


■数十兆円の経済対策


 解散総選挙は「政権選択」の選挙だ。岸田文雄首相率いる「自民党」と、野党第1党の枝野幸男代表率いる「立憲民主党」。どちらが今後の政治の舵取りを担うのかを決める選挙だ。与党・自民党にとっては「安倍・菅政権」の約9年間に、国民が審判を下す選挙とも言える。


 そこで、政権を握る可能性があるこの2党の政策を吟味しようというのだが、争点の中でも違いが際立つ「消費税」「選択的夫婦別姓」「モリ・カケ・サクラの再調査」を取り上げる。


 まず、消費税の取り扱いは「社会保障の財源として位置づけられており、当面、触れることは考えていない」という岸田氏。「時限的に消費税率を5%に引き下げる」という枝野氏と、真っ向から異なる。


 そもそも、新型コロナの影響で冷え込んだ経済をどう立て直すのか。岸田氏は総裁選の公約で、数十兆円規模の経済対策を断行するとしたが、その原資は国債を充てるという。また、総裁選では株式の譲渡や配当金など「金融所得課税」の引き上げに言及したが、早くも所信表明でその文言は抜け落ち、自民党の選挙公約にも入らなかった。背景には日経平均株価の下落がある。ある金融庁関係者は渋い顔をする。




「マーケットは岸田首相の誕生を正直、喜んでいない。連日、下落だよ。新自由主義からの脱却など、国がもうかることを歓迎していないかのようだ」


 対する枝野代表は年収1千万円程度以下の人の所得税を一時的に実質免除し、低所得者には年額12万円の現金を給付。富裕層や大企業の優遇税制を是正し、所得税の最高税率を引き上げ、法人税にも累進制を導入するとした。立憲民主党の中堅議員の一人はこう胸をなで下ろす。


「枝野代表が時限的でも、消費税の5%引き下げに言及するか、やきもきした。当初は党内の増税派を意識してか、具体的な数字を口にしませんでしたから。後になってはしごを外されるのも困るので、地元で配るビラに消費税のことはふれないようにしていたくらいです」


 とはいえ、財源は「100年に一度の緊急時だから国債でやるしかない」(枝野氏)と、この点は岸田氏と同じだ。


 次に「選択的夫婦別姓」について。枝野氏は、11日の代表質問で岸田首相にこう迫った。


「選択的夫婦別姓制度の導入を法制審議会が初めて答申したのは1996年。私は初当選以来28年間も、その実現を訴え、何度も議員立法を提案してきました。もはや議論は十分です。決断と実行の時であります」


■消えたLGBT法


 これに対し岸田首相は「しっかり議論します」と暖簾(のれん)に腕押しの回答だった。「選択的夫婦別姓」とLGBTなど性的少数者をめぐる「理解増進」法は自民党内では意見が二分されるテーマだ。稲田朋美元防衛相が超党派で「理解増進」法の成立に旗を振った。だが、最後の最後に反対派の激しい抵抗に遭い挫折した。その急先鋒の一人が政調会長となった高市早苗氏だった。「理解増進」や「選択的夫婦別姓」は自民党の政権公約から文言が消えた。自民党ベテラン議員の一人はこう内情を打ち明ける。


「自民党の政策の門番と言われる政調会長に高市氏が就いたことで、何をか言わんやです。岸田さんは非常にリベラルですが、自民党の政策を左右できる力もないし、そこにエネルギーを注ぐ気もない。党内のリベラル派にとって冬の時代になることは間違いありません」



 衆議院解散の3日前。立憲民主党・辻元清美副代表の代表質問の時、国会の傍聴席には「森友学園」をめぐる財務省の公文書改ざんで自死した近畿財務局職員の赤木俊夫さんの妻・雅子さんの姿があった。夫の無念を晴らすべく、雅子さんは財務省に改ざんの関連資料の開示を求めていた。だが、財務省は11日付で不開示決定とした。


■政策を見て判断して


 総裁選の当初、岸田氏は森友問題の再調査に「国民が判断する話だ。国民が足りないと言っているので、さらなる説明をしなければならない課題だ。国民が納得するまで説明を続ける」と前向きともとれる発言をしたが、党内の反発を受け事実上、撤回した。


 立憲民主党の福山哲郎幹事長は、200以上の選挙区で野党一本化を実現できたとした上で、自民党との対決構造についてこう説明する。


「自民党は変わらない。安倍・麻生の支配が続く自民党は構造上、誰も変えることができない。森友問題であれ、加計学園の問題であれ、政権が真相究明をやる気になったら何とでもできる。総選挙では、自民党と立憲民主党は、意見が真っ向から対立している。だからこそ、有権者にはどちらの政権がいいのか、政策を見て判断してほしいです」


 総選挙は19日公示、31日投開票。国民が政権を選択する日が迫る。(編集部・中原一歩)

※AERA 2021年10月25日号


このニュースに関するつぶやき

  • 夫婦別姓なんて、たぶん争点にならないでしょう。なぜなら、国民の大多数が興味ないから。少数の人の声が大きいだけのような気がします。どっちでもいい。
    • イイネ!0
    • コメント 0件
  • 「選択制」な。誰も別姓が素晴らしいとか、別姓にすべきとかは言って無い。人それぞれの事情があるんだから、強制するんじゃなく、自由に選択させるべき。
    • イイネ!30
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(22件)

前日のランキングへ

ニュース設定