「アパレル会社であり続ける必要はない」バロックジャパンが新事業強化へ、グリーン・デリ業態で50店舗体制目指す

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2021年10月20日 11:02  Fashionsnap.com

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写真<br />                    新規事業「シェルターデリ」で提供するチョップドサラダ<br /><br />                    Image by: FASHIONSNAP<br />

新規事業「シェルターデリ」で提供するチョップドサラダ

Image by: FASHIONSNAP
 「バロックはアパレル会社であり続ける必要はない」――バロックジャパンリミテッドの2030年度に向けた新中期経営計画の発表で、村井博之社長はこう発言した。これまで「マウジー(MOUSSY)」や「スライ(SLY)」を中心にアパレル一筋で事業を展開してきた同社だが、今後は国内アパレル事業、海外アパレル事業、そして新規事業の3分野を軸に展開する。その決断の背景にあるものとは?

 中期経営計画は、10月19日に開かれた2022年2月期第2四半期決算説明会で発表された。今後は2030年に向けて「バロック発の文化を世界へ発信する」ことを目指し、2024年2月期までの3年間を再び成長軌道に乗せるための準備期間(Phase1)とする。
 国内アパレル事業、海外アパレル事業、新規事業のうち、事業基盤に据えるのは海外アパレル事業と新規事業だ。国内アパレル事業に関しては「選択と集中」「利益率の向上」「ブランド競争力の向上」を課題とし、絞り込みと体質強化に取り組む。値引きの抑制やプロパー販売の徹底は現在すでに進捗しているが、村井社長は展開ブランド数に着目する。「黒字であることだけが良いのではない。例えばOEMで作るブランドはバロックでやる意味があるのか。そして生産時に無駄なCO2を出していないかという観点も含めて、ブランドとして存在意義があるかを問うていく」。現在は19ブランドを運営するが、撤退についても検討するという。
 中国アパレル事業は2022年2月期上期実績で売上合計が前年同期比37.6%増と好調。店舗数の年平均成長率は17%で、「中国で300店舗以上広げることができた日本企業はファーストリテイリング、良品計画、バロックの3社のみ」という実績から、村井社長は着実な成長への手応えを示した。また、「徐々に適正な仕入れができるようになってきた」とし、利益率の改善が期待できるという。今後はブランドポジションの再定義や中国向け商品企画力の強化などにより独自性を追求する。
 注目は新規事業だ。今年9月に初のアパレル以外の事業となるグリーン・デリの業態「シェルターグリーン/デリ(SHEL’TTER GREEN/DELI)」の展開を開始。デリではチョップドサラダや惣菜を提供している。1号店となったアリオ川口店では客足が想定を上回る状況だという。サラダは連日完売。一見好調に見えるが、村井社長は「課題は山積み」と話す。「販売員は皆、一生懸命にやっているが、アパレルと違って在庫(食材)回転率が高く、集客が順調であるが故に追いつかない部分もある。そしてアパレル店舗と同じ忙しさだが、服よりも単価が低い。メニュー替えのバランスも考慮しなければならない。アパレルビジネスと構造が異なるので、まずは試行錯誤を繰り返しながら課題を一つずつ解決し、精度を上げていきたい」。
 出店戦略においても中国に軸足を置き、現在(6月末時点)の304店舗から2030年までに450前後〜500店舗体制の実現を視野に入れる。現在369店舗を出店する国内アパレル事業では350〜400店舗体制を想定。大きな店舗増は見込めないが、実店舗とECを連動させたOMOを強化するなどでビジネスの効率化と顧客利便性向上を進める。グリーン・デリの新規事業では50店舗体制を目指し、複合店だけではなく単独店の出店も検討する。
 2024年2月期の目標では、営業利益率7.5〜8.0%、ROE(自己資本利益率)13〜15%を掲げる。これらはコロナの影響により市場の先行きが不透明な状況が1〜2年続くという想定のもと設定したが、コロナ前の実績をベンチマークとしている。なお、2021年2月期時点では営業利益率2.6%、ROE1.9%となっている。
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