室井佑月「いじめを無くせ」

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2021年10月21日 07:00  AERA dot.

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写真室井佑月・作家
室井佑月・作家
 作家・室井佑月氏は、学校や教育委員会が設置する調査委員会で、被害者側の意向が考慮されていない実態に憤る。


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 子供のいじめがなくならない。なにしろこの国の大人がいじめが好きだからな。例えば、低賃金労働者に生活保護者を叩(たた)かせたり。それを煽(あお)ってるいじめの主犯者がいるけれど、そっちは問題にされない。メディアを使った大掛かりないじめだ。


 大津市で2011年、いじめを受けた中学2年の男子生徒が自殺してから10年がたった。


 あの事件は悲惨だった。自殺に追い込まれた生徒は、蹴飛ばされたり殴られたりするのはしょっちゅうで、自慰行為を強要され、昆虫などを食べさせられ、金をゆすられ、自殺の予行までさせられていた。子供のいるあたしは恐怖を感じた。


 いじめというより、犯罪だ。しかし、いじめた側は当時未成年の同級生で、遊びの延長でいじめ行為をしたらしい。なぜ、そこまで同級生を苦しめることができたのだ? しかもそれは彼らにとって楽しかったことなのか?


 10月8日の毎日新聞に「遺族が委員推薦 4自治体都道府県・政令市いじめ自殺調査委」という記事が載っていた。


「いじめが原因と疑われる児童生徒の自殺などで全国の学校や教育委員会が設置する調査委員会の間で、被害者側の意向を考慮する仕組みが広がっていない。47都道府県と20政令指定都市のうち、被害者側が調査委の委員を推薦できる規定があるのは、わずか4自治体」だという。


 少なすぎないか。毎日新聞がアンケートを実施して、都道府県・政令市教委、66自治体から回答を得た。被害者側がいじめの調査委委員を推薦できる規定があると回答したのは、たったの4自治体。


「大津市の生徒自殺を巡っては(中略)、市教委が事実を公表しなかったことが批判を浴びた。一連の問題をきっかけに『いじめ防止対策推進法』が13年に施行。自殺などが起きた場合の調査委設置などについて定めたが、委員の選定方法の規定はない。このため、調査内容や情報開示の在り方に不信を募らせ、遺族が推薦した弁護士などが調査に参加できる仕組みを求めるケースが相次ぐ」




 どうして「いじめ防止対策推進法」ができたのか、それを考えたらいじめの調査に関して、これはおかしい。本当に教育に携わる人たちは、死ぬほど追い詰められた子供たちの側に立っているのか。というか、普段から子供たちの側に立っているのか。


 なにか問題が起きた場合、責められぬよう、隠蔽(いんぺい)できるものなら隠蔽できるよう、その余地を残しておきたいみたいだ。できることなのに、しない。やらなきゃならないことなのに、やらない。それはもう命を絶った子供やその遺族に対するいじめだと思う。


室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

※週刊朝日  2021年10月29日号


このニュースに関するつぶやき

  • こいつこそ、麻生さん・安倍さん・スガさんを散々苛めた人間の屑やろ? 旦那はJDを売春したのにお前らの応援で国会議員に当選。控えめに言ってシネばいいのに。
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  • Aエラも、いい加減、この何年も前のコヤツの写真を使うのヤメレ。もうすでに経年劣化してるんだから。旦那と一緒に、祖国に逃げ帰るんじゃなかったのか?
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