メッシでもロナウドでもない。CLで主役級の活躍を見せている注目の3人

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2021年10月21日 18:41  webスポルティーバ

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 チャンピオンズリーグ(CL)はグループリーグ第3節が終了。人数制限のない有観客で開催されている試合が多いからだろうか、派手な撃ち合いが目立つ。1試合の平均得点は2.94。第3節に限れば3.69で、1チーム当たりに換算すれば1.8強となる。

 現在行なわれているJリーグの2021シーズンに照らせば、この数字を上回るチームは川崎フロンターレと横浜F・マリノス(ともに2.2点)のみ。3位はヴィッセル神戸の1.6点なので、平均1.8強がどれほどすごい数字かおわかりいただけると思う。オフェンス力がディフェンス力を大きく上回っている印象だ。

 得点力ナンバーワンは12ゴール(1試合平均4点)のバイエルンだ。第3節のベンフィカ戦も、アウェー戦にもかかわらず0−4と大勝。E組(バイエルン、ベンフィカ、バルセロナ、ディナモ・キエフ)で3戦全勝、勝ち点9で首位に立っている。

 バイエルンは一昨季の覇者。昨季は準々決勝でパリ・サンジェルマンにアウェーゴールルールで敗れているが、今季も優勝候補の一角であることに変わりない。最大の魅力は安定感だ。目下失点0。何と言ってもバランスがいい。

 選手で目を引くのは、昨季マンチェスター・シティから移籍したレロイ・サネだ。2年目の今季はチームにいっそう馴染んでいる様子。ベンフィカ戦でも2ゴールを奪う活躍を演じている。ドリブル&フェイントがきれる左利きの技巧派だが、ウイングではなく、ロベルト・レバンドフスキの1トップ下でプレーする機会が増えている。




 左利きながら、左右どちらに進むか、わかりにくいボールの持ち方をすることが、真ん中でも活躍できる一番の理由だ。適性エリアが広い選手と言ってもいい。試合中、サイドに流れてプレーすることもしばしばある。

 流動的と言われる動きになるが、日本人選手との違いは、その際にポジションを埋める感覚があるかないかだ。勝手に動きがちな日本人選手とは違い、お互いにそれぞれの持ち場をカバーする意識があるので、相手ボールに転じた瞬間でも、穴ができにくい。そのあたりが厳格に守られている点もバイエルンの強みと言える。

 そのバイエルンを抑えて英国ブックメーカー各社が優勝争いの本命に挙げるのは、昨季の準優勝チーム、マンチェスター・シティだ。こちらは3試合で得点11。失点も6あるが、第3節では、初戦でパリ・サンジェルマン(PSG)に引き分け、第2節でライプツィヒに勝って勢いに乗るクラブ・ブルージュに対し、アウェーで1−5と大勝。内容も申し分なかった。昨季よりパワーアップしている様子だ。

 その一因は、左ウイングでプレーするジャック・グリーリッシュにある。今季アストン・ビラから移籍してきたイングランド代表。CL初制覇を狙うマンチェスター・シティにとって、間違いなく有益な補強だった。

 マンチェスター・ユナイテッドに入ったクリスティアーノ・ロナウドより、PSGに加わったリオネル・メッシより、はたまた昨季の覇者チェルシーに加わったロメル・ルカクより、チームにきれいに収まっている。ブックメーカー各社がマンチェスター・シティを本命に推す理由も、そこにあると考える。

 右利きの左ウイング。しかしながらゲームメーカー的と言うか、10番的なセンスも備えている。パッサーでありドリブラー。さらに言えば、相手を背にしたポストプレーもうまい。三笘薫と鎌田大地を足して2で割ったような感じだ。バルサのメンフィス・デパイ的な選手と言うべきか。

 グリーリッシュが構える左サイドの奥深い位置にポイントを築くことで、マンチェスター・シティは、横から崩すイメージが鮮明になっている。背後で構えるポルトガル人の左SBジョアン・カンセロも、ボールをグリーリッシュに預けることができるので、高い位置に出ていきやすくなっている。両者のコンビネーションはとてもよい関係にある。チームの新たなストロングポイントとなっている。

 バイエルン、マンチェスター・シティ、さらにはマルメに4−0で勝利したチェルシー、シャフタールに0−5で勝利したレアル・マドリードと、強者が順当に大勝する中で、こちらに最もインパクトを与えたのは、アーリング・ハーランドを擁するドルトムントを、4−0のスコアで血祭りにしたアヤックスだ。

 第3節を終了して得点11、失点1。3戦3勝勝ち点9で、C組の首位に立ち、3シーズンぶりのグループリーグ突破を目前にしている。

 アヤックスと言われて思い出すのは2018−19シーズン。決勝トーナメントに進出したアヤックスは、レアル・マドリード、ユベントスを続けて倒し、準決勝に進出した。トッテナム・ホットスパーに対しても、後半のロスタイムまでリードする展開だった。最後の最後でルーカス・モウラにアウェーゴール弾を浴び、1996−97シーズン以来の決勝進出を逃したが、金満クラブ全盛の欧州サッカーシーンに風穴を開ける、痛快な姿を見せつけた。

 今季、その再来はなるか。監督は当時と変わらず、エリク・テン・ハーグが務める。フランク・デ・ブール監督率いるオランダ代表と異なり、オランダ伝統の3FWスタイルを堅持。小粒ながら技巧派選手で固めたメンバー構成で、攻撃的なサッカーを貫いている。

 目を引くのは、昨季加入した左利きの右ウイング。アントニー・マテウス・ドス・サントスだ。10月に行なわれたW杯南米予選ベネズエラ戦でブラジル代表デビューを飾り、ゴールまでマークした21歳。東京五輪にも出場していたので、ご記憶の人も多かろうと思うが、ブラジルサッカー界に久々に現れたコテコテのドリブラーだ。

小柄で俊敏。相手の逆を取るセンスに、瞬間的な速さ、ダッシュ力もある。堂安律や久保建英をスケールアップさせたような、見ていて楽しい、独特の匂いのする右ウイングだ。

 ドルトムント戦ではカーブの利いた左足キックで鮮やかな3点目をマーク。ドルトムントのハーランド同様、来季の移籍先が注目されるひとりになっている。右ウイング不在のバルサなどは、真っ先に狙いたい選手だと思われるが、その前に今季だ。アントニーが、金満クラブのDF相手にどれほど輝きのあるドリブルを発揮できるか。アヤックスを見る楽しさは、ここにきて大幅に増している。

 戦術はもちろんだが、CLに出場する選手のレベルは、ここ2、3年でまた一段と上がった印象だ。今季、日本人のチャンピオンズリーガーは、リバプールで出番が増えそうなムードがあまりない南野拓実ただひとり。それに続く選手は見当たらない。欧州組が急増したことに満足する風潮があるが、CLを見ていると、むしろ欧州のトップからは置いていかれている気がする。日本人選手がCLの舞台で一世を風靡する日は訪れるのか。それなしに日本のW杯ベスト8は望めないと思う。

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