鷹・長谷川「自分らしく終われた」 孤高の打撃職人、OPS.797で現役生活に幕

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2021年10月21日 22:52  ベースボールキング

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ソフトバンク・長谷川勇也 (C)Kyodo News
ソフトバンク 2 − 2 日本ハム
<25回戦・PayPayドーム>

 ソフトバンクは2点リードの9回に追いつかれ今季21度目の引き分け。ホーム最終戦を勝利で飾ることはできなかったが、3位争いには首の皮一枚つながった。試合後にはホーム最終戦セレモニーと今季限りで現役を引退する長谷川勇也外野手(36)の引退セレモニーが行われた。

 ソフトバンクは0−0で迎えた7回、一死二塁の好機で長谷川を代打起用。現役最後の打席はヘッドスライディング及ばず一ゴロに倒れたが、続く8番・甲斐が先制の12号2ランを左翼席へ運び、長谷川はベンチで大粒の涙を流した。

 10勝目がかかる先発のマルティネスは8回5安打無失点の快投。9回は守護神の森に託したが、二死一、二塁で7番・杉谷に左翼フェンス直撃の2点適時二塁打を許し土壇場で同点に追いつかれた。その裏は相手守護神・杉浦に封じられ引き分けで試合終了。痛恨の逃げ切り失敗でホーム最終戦を勝利で飾れなかった。

 3位・楽天との3.5ゲーム差は変わらず、ソフトバンクがCSに出場する条件は楽天2連戦を含む敵地での残り3試合に全勝し、残り4試合の楽天が全敗するケースのみ。その場合は最終的に勝率5割で並ぶが、直接対決の結果でソフトバンクが11勝10敗4分けで上回るため3位となる。

◆ 工藤監督「ホークスらしい野球をして奇跡を待ちたい」

 試合後には最終戦セレモニーが行われ、工藤監督は「コロナがあり、(入場)制限がある中でもホークスを応援していただきまして本当にありがとうございました」とファンに感謝。CS進出がかかる敵地での残り3試合については「しっかりとホークスらしい野球をして奇跡を待ちたいと思っています」と力を込めた。

 引き続き長谷川の引退セレモニーが行われ、打撃職人は「プロに入って15年、若い時の自分を思うとここまで長くできると思っていませんでした。それも王監督、秋山監督、工藤監督、コーチの方々の指導のおかげだと思っています」と感謝した。

「多くの方々に支えられてやってきた現役もこれで終わりです。悔いはありません。一生懸命やりました。バットもたくさん振りました。最後の打席も自分らしく終われました。(対戦した日本ハム先発の)伊藤投手、本当にありがとうございました。なかなか思い通りに行かなかった現役生活でしたが、そこから逃げずにしっかりと向き合ってやってこれたと自信を持って言えます」

「会見では『順風満帆な野球人生ではなかった』と言いましたが、今日1日を通して考えが変わりました。訂正します。長谷川勇也のプロ野球生活15年は、多くの方々に支えられ、順風満帆の野球人生でした」と、最後は涙を流しながら感謝の思いを伝えた。

 長谷川は酒田南高、専修大を経て、2006年のドラフト5巡目でソフトバンク入り。3年目の2009年からレギュラーに定着し、2013年は球団記録の198安打、打率.341で最多安打と首位打者のタイトルを獲得した。2015年以降は前年に負傷し手術した右足首痛の影響もあり出番が減少。それでも、高い打撃技術を武器に代打などで活躍し、ソフトバンク一筋15年間で6度のリーグ優勝、7度の日本一に貢献した。

 今季も主に代打で71試合に出場し打率.260、3本塁打、19打点を記録。引退理由については9日の会見で「足がボロボロになったと実感した。それが打撃に影響した」と語っていたが、今季のOPSは120打席を消化し.797(出塁率.367+長打率.430)を記録。これはチームで100打席以上を消化した選手の中では柳田、グラシアル、栗原に次ぐ数値で、引退選手とは思えぬスタッツを残したままバットを置くことになった。



【動画】打撃職人よ永遠に──長谷川勇也の引退セレモニー
📺ソフトバンク👑

🎦 @PacificleagueTV
📝 打撃職人よ永遠に──pic.twitter.com/rHlustpQcC#sbhawks— ベースボールキング⚾🥎 (@BaseballkingJP) October 21, 2021

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