プレミアリーグで絶対注目の11人。元日本代表の水沼貴史氏が激推し!

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2021年10月22日 11:21  webスポルティーバ

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今季のヨーロッパ各国リーグのなかでも、特にタレント揃いで盛況な感があるイングランド・プレミアリーグ。実際に開幕から期待を裏切らない、エキサイティングなゲームが続いている。そんなプレミアリーグで今、注目の選手は誰か。毎節、解説を務めている水沼貴史氏に、若手からベテラン、スター選手まで、11人を選んでもらった。

◆ ◆ ◆




ジャック・グリーリッシュ 
MF/マンチェスター・シティ/イングランド

 グリーリッシュは、今季アストン・ビラから約141億円とも言われるプレミアリーグ史上最高額の移籍金で、マンチェスター・シティに移籍してきました。

 スピードやキレで勝負するタイプではなく、独特な間合いのドリブルが特徴的なアタッカーです。右足でボールを晒しながら運んでいる時に顔が下がらなくて、そこからシュートもある、切り返しもある、ラストパスもあるというプレーヤー。相手もなかなか読みづらいと思います。

 少し前までは「こういったスローなテンポの、昔ながらのタイプがまだいるんだ」と感じていましたが、現代サッカーにすごく合ってきているし、シティでも左ウイングのポジションをしっかりと掴んでいて、イングランド代表でもほぼレギュラーを掴みました。

 彼がボールを持つと「縦の突破だけじゃないだろう」とか、「何を考えながらボールを晒しているんだろう」とか、そういった「何をしてくるんだろう」という楽しみがあります。見ていて面白いので、タレント揃いのシティのなかでも特に注目してほしい選手です。

メイソン・マウント 
MF/チェルシー/イングランド

 マウントは3−4−2−1システムの2シャドーで、自在にポジションを変えながらフィニッシュもでき、チャンスメイクもできる。攻撃を活性化できる存在です。

 チェルシーの育成組織で育った生え抜きですけど、フランク・ランパード前監督がダービー・カウンティで監督をしている頃にレンタルで連れてきて、そこから見出し、育てた選手でした。ランパードが解任になってどうなるかと思っていましたが、トーマス・トゥヘルが監督となってからも変わらないハイパフォーマンスを見せて、さらに伸びている段階ですね。

 チェルシーの前線にはカイ・ハフェルツやティモ・ヴェルナー(ともにドイツ)がいて、今季はそこにロメル・ルカク(ベルギー)も加入。そのなかにマウントがいることで、速さだけではない、タメだけでもない、攻撃のバリエーションをもたらすことができています。

 2シャドーはクリスティアン・プリシッチ(アメリカ)やハキム・ツィエク(モロッコ)など、クオリティのある選手が揃っていて、ポジション争いは相当激しくなっていいます。ただ、そのなかでもマウントはひとつ抜けている存在だと思います。

クリスティアーノ・ロナウド 
FW/マンチェスター・ユナイテッド/ポルトガル

 やはり外せない選手です。36歳になってあのフィジカルを維持しているのもさることながら、"点を取りたい"という渇望が枯れることがない。ユナイテッドに復帰した初戦でいきなりゴールを決めて、改めて役者が違うところを見せつけてくれました。

 オールド・トラッフォードに帰ってきて、サポーターの表情とかアクションを見ていると、子どもたちの超アイドルなんですよね。点を取る、試合を決められる選手というのは、やっぱり人気なんだなと、ロナウドを見て改めて感じます。

 注目して見ていると、常に点を狙っているのがよくわかります。気配を消しつつ、相手の背後を取るポジショニングは秀逸。シュートの種類も豊富で、両足での強いシュートがある、ヘディングシュートがある、FKもある、リバウンドを狙う"目"がある。そうした"点を取る"部分が図抜けた存在だと思います。

 彼に触発されて、ジェイドン・サンチョ、メイソン・グリーンウッド(ともにイングランド)などまだまだ伸びしろのある選手たちの成長もまた楽しみですね。

ジェームズ・ウォード=プラウズ 
MF/サウサンプトン/イングランド

 ウォード=プラウズは精度の高いキックがあって、FKやCKのセットプレーで、あのデビッド・ベッカム並の活躍ができると取り上げられることが多い選手です。ただ、注目すべきはそこだけではありません。

 サウサンプトンはハイプレスをベースに、かなりハードワークが求められるチームで、ウォード=プラウズは中盤でオリオル・ロメウ(スペイン)とともに相手ボールを刈り取り、そこから前へ出て推進力をもたらす、チームスタイルを象徴する選手です。

 ときにその激しさが裏目に出て、ファールをもらうことも少なくないです。それでも173cmと身体が大きくない選手でもプレミアリーグであれだけ存在感を示せるのは、日本人も見習ってほしいところです。

 ユーロ2020では最終選考で漏れて入れなかったけれど、その後の代表には選出されています。イングランドには中盤に優秀な選手がたくさんいるなかで、ハードワークの象徴のようなウォード=プラウズが選ばれるというのは印象的ですね。

デクラン・ライス 
MF/ウェストハム/イングランド

 ライスはなかなか点が取れる選手ではないけれど、ボランチの位置から前へ出ていくこともできるし、ボールを運ぶこともできる。トマシュ・ソウチェク(チェコ)とともに中盤中央でハードワークしながら攻守に貢献してくれる選手です。

 ウェストハムもサウサンプトン同様にハードワークをベースにしたチームですけど、周りに個の優れた選手がいて、それをボランチの位置でつなげられるライスの存在は重要ですし、注目すると面白いと思います。

 ユーロ2020では、リーズのカルビン・フィリップスとコンビを組んで、非常にバランスのいい中盤を形成していました。前にタレントが多い分、ライスやフィリップスといった3列目の選手たちのバランス感覚は重要でした。躍進したイングランドのなかで、若い才能(22歳)という意味でも注目の存在です。

オリー・ワトキンス 
FW/アストン・ビラ/イングランド

 ワトキンスは一昨季までブレントフォードにいてチャンピオンシップ(2部)で活躍、昨季アストン・ビラにステップアップしてきた選手です。昨季は1トップでグリーリッシュとのよいコンビから、14点を取って一気にブレイクしました。

 今季はサウサンプトンから加入してきたダニー・イングス(イングランド)と2トップを組んでいます。エースだったグリーリッシュが移籍したことで役割も変わり、期待値も大きくなっています。ただ、イングスが入って彼への負担が減り、これまで以上に活躍できるんじゃないかと思っているんですけど、今季ははまだ6試合で1点(第8節終了時点)しか取れていません。

 スピードもあるし、決定力もあって、ペナルティーエリアの近くまで行ったら相手をドリブルでかわしてシュートまで持っていけるスキルもある。イングランド代表としてももっと伸びていってほしいストライカーですし、活躍次第でさらにステップアップが狙えるシーズンになるんじゃないでしょうか。

アルベール・サンビ・ロコンガ 
MF/アーセナル/ベルギー

 調子を取り戻してきたアーセナルの、明るい話題の一つです。今季から加入したんですけど、開幕戦のブレントフォード戦で早速デビューして、そこで初めて彼を見てよい選手だなと思いました。

 それまではベルギーの名門アンデルレヒトの育成組織で育って、トップチームでも活躍しました。中盤でセンターバックやサイドバックからボールを引き出すのがうまいし、そこから前線のタレントにつなぐ展開力にも優れています。同ポジションにはグラニト・ジャカ(スイス)、トーマス・パーティ(ガーナ)、モハメド・エルネニー(エジプト)と実力者がいて、そのなかでポジションを奪えるのか注目です。

 まだ21歳ですけど、ベルギー代表には先日のW杯欧州予選で途中出場ながらデビューも果たしました。ベルギーの中盤にもケビン・デ・ブライネ(マンチェスター・シティ)やユーリ・ティーレマンス(レスター)など、ワールドクラスの選手が揃っているので先発に定着するのは簡単ではないけど、今後の成長と活躍が本当に楽しみですね。

バレンチノ・リブラメント 
DF/サウサンプトン/イングランド

 チェルシーの育成組織で育って、今季からサウサンプトンに加入した選手です。スピードがあって、前への推進力と精度の高いクロスも持っています。まだフィジカル的に弱いところがありますが、攻撃能力は非常に魅力がある選手です。

 サウサンプトンがコンパクトな守備のなかからボールを奪って素早く前に展開したい場面で、カイル・ウォーカー=ピータース(イングランド)とリブラメントの両サイドバックが、どれだけ前に出ていけるかは非常に大事なポイントになります。

 まだ18歳で伸びしろがたくさんあるのも魅力的で、今季1年を通してプレーができれば、相当成長すると思います。

 今のイングランド代表の右サイドバックにはかつてないほどタレントが充実しています。トレント・アレクサンダー=アーノルド(リバプール)やカイル・ウォーカー(マンチェスター・シティ)、アーロン・ワン=ビサカ(マンチェスター・ユナイテッド)、キーラン・トリッピアー(アトレティコ・マドリード)など、これだけ揃っているなかでも、リブラメントには若手にはまだこんなによい選手がいるんだというのをアピールしてもらいたいですね。

ジェームズ・マッカーサー 
MF/クリスタル・パレス/スコットランド

 34歳で、すでにスコットランド代表も引退している中盤のベテラン選手です。

 クリスタル・パレスはウィルフリード・ザハ(コートジボワール)やジョルダン・アイェウ(ガーナ)、クリスティアン・ベンテケ(ベルギー)、今季加入したオドソンヌ・エドゥアール(フランス)など、前の選手は本当にタレント揃いです。そして今季からパトリック・ヴィエラ監督(フランス)が就任し、それまでの守備的なスタイルから攻撃的なサッカーへと変革しようというシーズンを迎えています。

 そのなかでマッカーサーはキャプテンシーを発揮しながら、とにかく攻守で周りの選手を助ける働きをするんですよね。前線の個をうまく使ってくれたり、そのタレントたちが仕掛けたあとにできたスペースをしっかり埋めてくれたり。豊富なタレントが活きるためには、絶対に欠かせない選手です。

 中盤の横でコンビを組むコナー・ギャラガー(イングランド)は伸び盛りの若い選手で、彼も積極的に前線へ絡みにいきます。だから、そことのバランスも取りながらプレーできるマッカーサーは、本当の意味での黒子です。こういうチームを支えている選手にも、ぜひ注目してもらいたいですね。

ラフィーニャ 
MF/リーズ/ブラジル

 左利きのラフィーニャは、4−1−4−1の中盤の右サイドが主戦場で、ブラジル代表にも選ばれています。リーズのなかでは一番テクニックがあって、縦に速いサッカーのなかでタメや変化をつけられて、ちょっと異質な感じも匂わせる攻撃的な選手です。

 リーズもマルセロ・ビエルサ監督(アルゼンチン)なので、非常にハードワークが求められるチームです。そのなかでラフィーニャは右サイドから左足で中に入ってくるプレーが好きなんですけど、ドリブルもできるし、パスもできる。それがありながら守備の負担にもしっかりと応えられる。今後さらに伸びていく選手のひとりですね。

 ラフィーニャのようなテクニックがあって、ドリブルが大好きなタイプの選手はビエルサのようなサッカースタイルになかなかマッチしないのかなと思っていましたが、今では攻撃で欠かせないピースとなっています。

 ビエルサのサッカーに触れたことでサッカー観も変わっただろうし、これから考え方も変わってくるだろうし、今後どうステップアップしていくのか注目しています。

ブライアン・エンベウモ 
FW/ブレントフォード/フランス

 今季、ブレントフォードはチーム全体での超ハードワークをベースに、どんなチームにも怯まず、果敢に立ち向かっていくスタイルで、昇格組ながら序盤戦のサプライズとなりました。

 エンベウモはそんなチームでストライカーを務める選手です。22歳とまだ若く、左利きでゴールへの嗅覚も鋭くて、パス能力も高いのでチャンスメイクにも長けています。

 イヴァン・トニーと2トップを組んでいるんですけど、機動力があって、スタミナも豊富で、相手が嫌がるような動き方ができ、ブレントフォードの躍進には必要不可欠な選手になっています。トニーとのよいコンビネーションからの攻撃は強力で、ただ単にハードワークというだけでなく、チーム躍進の理由には彼らの存在も大きい。

 ホームの開幕戦で、アーセナルを破ったのがすごく印象的でした。それほど大きくはないけれどスタジアムはイングランドらしい雰囲気で、なによりサポーターたちがすごく楽しそうにしているんですよね。トップリーグでのプレーは74年ぶりだそうです。アーセナルを破っただけでなく、リバプールにも3−3のすごいゲームをしていて、今後も他チームは苦戦を強いられると思います。

 ただ、こうしたチームは、序盤はよくても段々と失速してくることが往々としてあるので、エンベウモを中心に今のうちに注目しておいたほうがチームですね。

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