女性タレント結婚報道で「妊娠はしていない」がいまだに見出しに躍るワケ

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2021年10月23日 11:30  AERA dot.

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写真女性芸能人の「妊娠報道」には疑問の声も多い。写真はイメージ(gettyimages)
女性芸能人の「妊娠報道」には疑問の声も多い。写真はイメージ(gettyimages)
 10月20日、俳優の松田龍平と人気モデル・モーガン茉愛羅の結婚が発表されたが、ニュースの見出しに踊ったのは「妊娠」という言葉だった。近年、話題となったビッグカップルといえば新垣結衣と星野源、戸田恵梨香と松坂桃李、大島優子・林遣都、瀬戸康史・山本美月などがいるが、こうした芸能人の結婚報道で必ずと言っていいほど書き添えられてきたのが「妊娠」に関する情報だ。「〇〇は妊娠しておらず、今後も仕事を続けていく」という“定型文”もよく目にする。


【写真】極秘交際から突然の結婚&妊娠発表で世間を騒がせた人気女優はこの人
 芸能人といえども、妊娠は非常にセンシティブな情報だ。9月に新垣結衣がアサヒビールの新商品のCMに起用された際の一部報道が批判を浴びたことも記憶に新しい。写真週刊誌やネットメディアが「アルコールのCM契約期間中は妊娠がタブー」であると報じ、妊娠は来年以降になりそうだという臆測記事を出したのだだ。一方、9月にNHKのドラマに出演予定だった夏菜が、妊娠を理由にドラマを降板したことが報じられたが、その際も降板理由に関して妊娠と大々的に取りあげる報道姿勢に疑問の声が上がった。


 ジェンダーバイアスが社会問題となるなか、女性芸能人だけが結婚報道で「妊娠はしていない」などと書かれることは、一部ではずっと批判の対象となってきた。大手ポータルメディアのニュース担当スタッフはこう話す。


「過去にクレームが入ったこともあり、結婚記事をピックアップするときには、妊娠に関する表記のないものを選ぶように心がけています。やはりスポーツ紙系のメディアでは、妊娠に関する表記が多い印象です。ただ、ウチとしても、ことさらに避けるというよりも、なるべく意識しよう、くらいの温度感ですが」


 しかし、メディア側は女性芸能人の妊娠に触れざるを得ない事情もあるようだ。民放キー局報道番組のディレクターは言う。


「最近、芸能人の側も交際を隠すのがうまくなり、突然思いもよらない形で結婚を発表するケースが増えてきました。ですから、いきなり『結婚!』となると視聴者も『できちゃった結婚なのか!?』と思う人も多く、妊娠しているか否かの情報を出さざるをえない面もあります。ただ、個人的にはいつまでやるんだ、という思いはありますね。事務所側としてもCMや作品への影響もあるなかで、各方面に配慮した結果、妊娠についての情報を出している部分はあるでしょう」




 芸能評論家の三杉武氏も、昨今の芸能人の交際事情についてこう語る。


「1980年代などひと昔前の芸能界では、所属事務所に交際や結婚を反対された女性タレントが、計画的に妊娠することで反対を押し切って相手とゴールインするケースもありました。こうした場合、事務所も芸能メディアも『妊娠』を強調せざるをえない状況があったのです。近年はSNSの発達で芸能人の私生活を取り巻く環境もシビアになり、芸能人が周囲の目を気にして繁華街などで派手に遊べなくなりました。そのぶん、ホームパーティーや家飲みが増えて、芸能人も家の中で密会するようになった。それゆえ、突然の熱愛&結婚発表が増えており、その傾向はこれからも変わらないでしょう」


■妊娠によるCM違約金は「都市伝説」


 世の中の流れからみれば、芸能界でも「自由な妊娠」が認められるべきだが、現場ではどう考えているのか。


「トーク番組に関してはむしろ、結婚や妊娠はおめでたい話として起用しやすいので、歓迎ムードです。ただドラマとなると、本人の体調などもあり、最悪、流産なんてことになったらそれこそ大問題です。例えば2年半の隠密交際を経てEXILEのTAKAHIROさんと結婚した武井咲さんの場合、事務所が若い女性タレントの恋愛を禁止していたので、結婚と妊娠を突然発表する以外、方法はなかったと聞いています。当時、出演予定だったドラマの撮影がなくなり、無期限延期になったのですが、事務所は関係者への謝罪で大変でしたし、制作スタッフの一部からは不満の声も聞かれました。ただ、やっぱり妊娠に関しては女性にかかる負担が大きいうえ、男性にも“責任”があるわけです。今ではもう、演者の妊娠が発覚しても、撮影現場で『なんだよ、困ったな』という空気にならぬよう、みんな心がけています」(民放バラエティー制作スタッフ)


 CM業界ではどうか。前出の武井咲の場合、妊娠・結婚によるCMの違約金は10億円になると一部メディアが報じた(のちに日本エンターテイナーライツ協会が否定)。さらに武井の事務所がクライアントにおわび行脚をしたとする記事も掲載された。




「CM契約期間中に妊娠したからといって、違約金を求めるケースは最近ではほぼ皆無でしょう。アルコールのCMに関しては上戸彩や滝川クリステルのように妊娠発表後にCMが終わったことはありますが、違約金をとったとなると企業側のイメージは悪くなりますからね。妊娠に限らず、事故や病気で打ち切りになることもあるわけで、不倫や犯罪でもない限り、違約金を請求することはほとんどないといっていい。そもそも事務所とクライアントの契約なので、タレント個人を責める問題ではありません。広告業界ではジェンダーには特に敏感になっているので『妊娠、CM打ち切り、違約金』みたいな報道は、もはや芸能ニュースの中にしかない都市伝説ですよ」(大手広告代理店関係者)


 芸能界ならではの「妊娠報道」は今後、徐々に少なくなっていきそうだ。(黒崎さとし)


このニュースに関するつぶやき

  • 若い女性は金になります。外観の美醜はそのまま性的魅力です。ですので妊娠は興味のポイントになります。芸人は、才能や外観の人気で稼ぐのですから、大衆には説明しないといけません。
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