ソフトバンクケータイを振り返る シャープの名機が多数も、iPhoneの登場で運命が変わる

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2021年10月24日 06:11  ITmedia Mobile

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写真ケータイでは初のカメラ内蔵端末「J-SH04」
ケータイでは初のカメラ内蔵端末「J-SH04」

 2021年で創刊20周年を迎えた「ITmedia Mobile」。今回、ITmedia Mobileの20年を振り返る企画として、国内キャリアが2001年から2020年に発売した主要な「ケータイ」「スマートフォン」をピックアップしてまとめた。第3回目はソフトバンクのケータイだ。



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 ソフトバンクは、2006年に孫正義氏率いるソフトバンク(現ソフトバンクグループ)がボーダフォン日本法人を買収し、ソフトバンクモバイルとして携帯電話事業に参入したことから始まる。



 さらにさかのぼっていくと、原点は旧国鉄などの鉄道系通信事業者である日本テレコムとなる。日本テレコムがJR東日本などと出資して1991年にデジタルホングループを、日産自動車と出資して1994年にデジタルツーカーグループを設立し、携帯電話事業に参入したのだ。



●J-フォンのカメラ付きケータイと「写メール」でシェアを伸ばす



 「J-フォン(ジェイフォン)」は最初、デジタルホンとデジタルツーカーの共通ブランドとして1997年に生まれた。2000年には吸収合併によって企業のJ-フォンが誕生し、国内初のカメラ付き携帯電話として有名な「J-SH04」が登場した。写真付きメールの「写メール」(写メ)という言葉も、このとき生まれている。写メールのヒットでJ-フォンの市場シェアは大きく上昇した。



 ITmedia Mobileが始まった2001年は、J-フォンや日本テレコムが英Vodafoneグループとなった年だ(ボーダフォンへのブランド・社名の変更は2003年)。翌年には3GサービスのVodafone Global Standard(VGS)を開始する。



 VGSに対応した端末として最初に発表されたのは、NEC製の3G/GSMデュアルモード端末「V-N701」、フィンランドNokia製の「Nokia 6650」、3Gのみに対応した三洋電機製の「V-SA701」の3機種。しかし、屋内や地下の通信エリアの問題で、2004年後期までは引き続き2G端末が主力だった。



●ボーダフォンの3G端末が登場するも世界共通UIが不評



 ボーダフォンが3Gに本腰を入れた2004年冬モデルには、7機種の3G端末が投入された。シャープ、NECといった国内メーカー端末の他に、Nokiaやモトローラ、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズといった海外メーカー製端末が半数以上を占めた。



 従来の日本のケータイにないデザインは注目されたが、Vodafoneグループが定めた世界共通のUI(ユーザーインタフェース)が日本のユーザーには不評だった。またソフトウェアの不具合も多く、ボーダフォンによる3G導入は成功したとは言いがたい。



 結局、日本のボーダフォンは3年で撤退し、2006年にソフトバンクに携帯電話事業を譲渡した。そのため、2006年に発売されたボーダフォン端末は、一部を除きソフトバンクブランドでも販売されている。



 J-フォン、ボーダフォン当時もそうだったが、ソフトバンクのケータイはシャープ製端末なしには語れない。



●個性的なシャープ端末が多数登場



 2005年夏モデルのシャープ「904SH」は、ディスプレイ側が180度反転する「Swivel Style」を採用し、光学2倍ズーム機能付き320万画素カメラを搭載した高いスペックを売りにした端末だ。2006年の「905SH」はディスプレイが90度傾いて横長画面にできる「サイクロイド型」ボディーを採用した、ワンセグ視聴に適した初代「AQUOSケータイ」だ。



 2007年には、カラーバリエーションが20色という“予想外”の多色展開が話題となったPANTONEケータイ「812SH」、ステンレスを使った上質感あふれるスリムボディーが特徴の「THE PREMIUM 820SH/821SH」も多くのカラーバリエーションを用意した。



 2008年にはタッチパネルを搭載したスライド型「AQUOSケータイ FULLTOUCH 931SH」、2009年には1000万画素CCDカメラを搭載する「AQUOS SHOT 933SH」など、ソフトバンクから数多くの人気端末を登場させた。ディスプレイやカメラにこだわったハイスペックなものから、PANTONEケータイのようにシンプルなものまで、ソフトバンクの端末ラインアップを支えていた。



 もちろんシャープ以外にも、東芝、NEC、パナソニックなどがソフトバンク向け端末を開発している。「930SC OMNIA」など感圧式タッチパネルを搭載したサムスン電子製端末も扱っていた。なお、OMNIAは海外ではWindows Mobileを搭載していたスマートフォンだった。



 2008年に日本の携帯電話会社として初めてiPhone(iPhone 3G)の取り扱いを始めると、ケータイは徐々にシンプルな折りたたみケータイを出すのみとなった。Android OSを採用し、4Gに対応したケータイ「AQUOSケータイ」「DIGNOケータイ」「かんたん携帯」が、2015年から1年に1台程度のペースで発売されている。



●ウィルコム、イー・モバイルも吸収してY!mobileへ



 国鉄系通信会社からJ-フォン、ボーダフォン、ソフトバンクモバイルと移り変わってきたが、現在のソフトバンクに至るまで、さらにウィルコムとイー・モバイル(イー・アクセス)も吸収している。



 ウィルコムは、PHS事業を展開していたDDIポケットが前身で、2005年に発足。PHSを高度化した「WILLCOM CORE」、ドコモのネットワークを利用した「WILLCOM CORE 3G」、データ通信サービス「WILLCOM CORE XGP」などを展開したが、2010年に会社更生法の適用を申請。ソフトバンクがPHS事業を引き受け、XGP事業はWireless City Planningが引き継ぐことになった。



 ウィルコム端末としては、Windows Mobileを採用したハイスペック端末「W-ZERO3」シリーズが男性を中心に人気を集めた一方、通話に特化した「HONEY BEE」はポップなカラーやコンパクトサイズで女子高生に支持された。



 一方、イー・モバイルは2005年に携帯電話事業会社として設立され、2007年にデータ通信サービスを開始。モバイルWi-Fiルーターの「Pocket WiFi」(GP01)シリーズが人気を博し、モバイルWi-Fiルーターの代名詞となった。



 その後、イー・モバイルは2011年3月に親会社のイー・アクセスと合併し、2014年にイー・アクセスとウィルコムは経営統合、ブランド名を「Y!mobile」とした。Y!mobileでも通話メインのAQUOSケータイやDIGNOケータイなどを取り扱っていたが、2021年10月時点で、Y!mobileのオンラインストアで購入できるケータイは3機種のみだ。


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