岸田政権に激震 参院補選でまさかの敗北「衆院選の結果いかんで政局になる」

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2021年10月25日 09:10  AERA dot.

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写真 若林洋平氏の応援に入った岸田文雄首相 参院静岡補選(C)朝日新聞社
若林洋平氏の応援に入った岸田文雄首相 参院静岡補選(C)朝日新聞社
 まさかの敗北で岸田政権に激震が走っている。 


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 衆議院選挙の前哨戦として注目された参議院静岡選挙区と同山口選挙区の補欠選挙が10月24日に行われた。山口選挙区は元産経新聞政治部長で前職の北村経夫氏が当選を決めたが、静岡選挙区では、自公が推した前御殿場市長の若林洋平氏が立憲民主党や国民民主党が推した無所属の新人、山崎真之輔氏に敗れる波乱の展開となった。


 岸田文雄首相が就任後、初めての国政選挙に臨み、与野党1勝1敗の痛み分け。だが、痛い黒星となった。


「官邸に激震が走っています。岸田首相が2回も静岡に入り、勝負して負けた訳ですから…。とりわけ、無党派層の7割が野党候補に投じた、という事実は重い」(官邸関係者)


 自民党幹部もこう落胆する。


「世論調査や出口調査で、芳しくない数字が続いていた。しかし、衆院選も公示となり相乗効果で投票率などから自公の組織票で若林氏が抜け出せるとみていたが、逆転されてしまった」


 衆院選の投開票は31日と目の前に迫っている。立憲民主党は共産党、社民党、れいわ新選組と野党共闘し、統一候補を100以上の小選挙区で擁立。自公と一騎打ちの構図となっている。


 しかし、今回は立憲民主などが推した山崎氏が勝利した参議院静岡選挙区では、共産党も候補者を擁立し、野党共闘にはなっていない。それなのに自民党が敗北した。


 参院の静岡補選の票の動向を分析すると、衆院選でも自民党はかなり苦戦するという。


「衆院選で静岡県内の小選挙区は、情勢調査などで自民党候補の多くは苦戦と分析されている。今回の参議院の補選でも静岡3区、5区と6区、8区などで票が伸びなかった。特に静岡市や浜松市という大票田でダメだった。衆院選では小選挙区だけでなく、比例の当落にもかかわってくるだろう。どうなってんだ。まったく。とんだ計算違いをした」(前出・自民党幹部)


 一方、劣勢かとみられた野党は意気が上がる。


「候補者を1本化した野党共闘でなくとも勝てたので、衆院選はかなり期待できる」(立憲民主の幹部)


 今回の補選勝利の立役者の一人は、地元で絶大な人気を誇る川勝平太・静岡県知事だ。




 川勝知事は山崎氏への応援に何度も入り、7月の熱海市土石流災害を例にあげ、岸田政権をこう批判していた。


「熱海の土石流の体験を無にしてはならない。大都市をつくり、効率をあげるというのが自民党であります。本当に許していいのか」


「岸田さんは首相就任のご祝儀で支持率はあがるはずが、現在40%台。相場が下がってきた。静岡県の自民党の国会議員には大臣もいない。役に立たない。みなさんでお灸をすえましょう」


 山崎氏も「岸田さんが首相になって、国交相にリニア(新幹線)の整備を指示した。驚天動地だ」と自民党批判を展開した。


 山崎氏のポスターには「私も応援します、川勝平太」というステッカーが終盤で貼られるようになったのも追い風になったという。前出の立憲民主幹部はこう語る。


「川勝知事が自民党にNOを突き付けたことが大きな後押しになった。それが山崎氏の逆転につながった」


 痛い黒星となった参院の静岡選挙区の補選。しかし、原動力となった川勝知事は衆院選で立憲民主党など野党に積極的な支援表明をしているわけではない。衆院選で野党に風が吹くとは言い難い状況だ。前出の官邸関係者はこう語る。


「衆院選への影響と動揺を最小限にすべく、『静岡はリニア問題というドメスティックな争点があったからで、影響は限定的』と冷静を装う声が相次いでいます。しかし、岸田政権は民意を真摯に受け止める必要があります。選挙責任者たる甘利明幹事長の手腕への疑問符も出はじめています」


 自民党で20年以上、政務調査会の調査役を務めた政治評論家の田村重信さんはこう分析する。


「衆院選を控え、静岡の補選で油断があったと感じている。初陣で負けるというのは、トップも部下も意気消沈する。衆院選の真っ最中にあった補選でのまさかの敗北は、岸田政権にとって痛すぎる。静岡は別だという考えなら、衆院選も危うい。まさに直結しかねない」


 発足以来、支持率が伸び悩む岸田内閣。


 




 総裁選で論議された森友学園の問題、桜を見る会の問題、河井元法相の1億5千万円問題などの「負の遺産」についてもまったく審議されていない。


「安倍元首相、麻生副総裁、甘利幹事長に頭が上がらない岸田首相の指導力のなさが、静岡の補選敗北の要因の一つではないか。衆院選では強固な指導力が必要です。今の岸田首相にはそれが見えない。演説に人は集まるも心に響かない。衆院選の終盤はより厳しいものになるのではないか」(前出の自民党幹部)


 岸田首相は衆院選の勝敗ラインを公示前の自民党勢力(276議席)から大幅減となる「自公で過半数」(233議席)と低めに見積もっている。前出の田村氏は続ける。


「当初は衆院選も楽勝というムードは自民党の仲間から漏れ伝わってきた。そういう小選挙区もあるだろうが、野党が急上昇してびっくりして相談してくる自民の候補者もいる。昔から政治の世界は、一寸先は闇と繰り返し言われる。前回の2017年より激戦区が増えているのも、マスコミ報道などで明らかだ。岸田政権の戦い方いかんでは、すぐに政局となる」


(今西憲之 AERAdot.編集部)


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  • 枝野の埼玉5区も接戦らしいな。枝野寝ろ。
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