不運のアクシデントにRed Bull大湯「神様…」無念のModulo大津「悔しすぎる」も、高まるダンロップ2台の存在感【第6戦GT500決勝】

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2021年10月26日 18:21  AUTOSPORT web

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外れた右リヤタイヤを見て、頭を抱える64号車Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTの大湯都史樹
スーパーGT第6戦オートポリス、予選トップ、そして3番手を獲得したダンロップの2台は決勝でトップ2体制を形成するも、アクシデントやタイヤマネジメントの厳しさなどで悔しい結果になってしまった。レース後の2チームに聞いた。

 予選ポールポジションを獲得した16号車Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTはスタートを大湯都史樹が担当し、好スタートから順調にトップをキープするも、18周目にまさかのアクシデントに見舞われる。

 右リヤタイヤがホイールごと外れてしまい、タイヤはコース上を転がった。幸い他の車両に当たることがなかったが、駆動を失った16号車の大湯はコースサイドの芝生にマシンを止めた。

 マシンを降りて、ガードレールに手を付き、呆然とする大湯。レース後のSNSでは以下のように心境を呟いた。

『神様…。何故そんなに試練を…
勝つ為にペースもコントロールして焦らず急がず、安定して良いペースを継続出来てた。
あのままいけば勝てる自信もあった。昨日の天国から地獄です。
なんとか切り替えてSF鈴鹿も頑張ります。』(原文ママ)

 レース後、チームに聞いたところではホイールナットが外れたことによるアクシデントとのことで、外れてしまった原因は不明。スタート前のグリッドで規定以上のトルクをしっかり掛けて確認しており、ホイールナット自体も決勝用に新品を使用していたという。ホイールナットが外れた周回の直前にはFCY(フルコースイエロー)、SC(セーフティカー)ランが続いていたことから、タイヤやホイールが冷えて内圧が下がったことなどの影響も考えられるが、これからファクトリーに戻って原因を究明することになる。

 また、16号車に替わって18周目からトップに立った同じダンロップタイヤ装着の64号車Modulo NSX-GTにとっても、今回のオートポリスは悔しい結果となった。首位を走行していた64号車だったが、29周目のピットイン後には先にピットインした後続のアンダーカットを許して4番手に順位を下げてしまう。しかし、そこから64号車のステアリングを握った大津弘樹が怒濤の追い上げを見せる。

 32周目には3番手のSTANLEY NSX-GT、そして2番手のDENSO KOBELCO SARD GRスープラの2台を1周でオーバーテイク。トップの8号車ARTA NAS-GTよりも1秒以上速い、1分38秒前半のラップタイムを重ねて、8号車の後ろにぴったりと付くまで追い上げた。大津が振り返る。

「ピットタイミングでアウトラップで順位が下がってしまったので『これは厳しいかな』と思っていたら、走り初めてタイヤが温まって来るにつれてぐんぐんペースが良くなって、これは結構いいなと。トップの8号車に追いついた時も抜けそうな勢いだったのですが、そこまで行くのにタイヤを使って摩耗していたというのもありますし、数周、抜けそうな感じで行ったときはタイヤも元気だったのですけど、そこからもうワンプッシュはできませんでした」

 逃げる8号車の野尻智紀は37周目、38周目には1分37秒9のタイムでペースアップ。大津も付いていくも、40周すぎに突然、クリフ(崖/タイヤのグリップの急激な低下)を迎え、42周目には1分42秒台へタイムを落とすことになった。

「本当にガクッと、ドンっとペースが一気に落ちてしまって、そこからまた、序々に落ちて行く感じでした。グリップのいいところからの落差が大きくて、野尻選手にちょっと離されかけたくらいから、グリップダウンしていきました。その後のペースはもう、後方から尋常じゃないペースのクルマが来て、踏ん張ってはいたのですけど、抑え切れずに防戦一方でした。コースに留まるのが精一杯という感じでした。頑張ったのですけど……悔しすぎますね」と大津。

 それでも、最後までタイヤを保たせ12位フィニッシュ。悔しさを見せつつも、大津はこれまでのアプローチとタイヤの進化に手応えも感じたようだ。

「最後、乗り終わったあとにタイヤを見ましたが、かなり摩耗していましたし、ピックアップもありました。でも、『一発のタイムを出しつつ決勝も戦う』というコンセプトで今までタイヤを開発してきて、一発は出ましたし、レースラップも今までに比べれば良くなってきている。開発の力がプラスになっているのは間違いありません。ですけど、今回のようないい条件(サクセスウエイトが軽い)の中で戦っても勝てないというのは、もっともっと改善が必要だと思うので、チーム、ダンロップのみなさんの力を借りて、さらに強いレースができるようにしたいと思います」

 64号車Modulo、そして16号車Red Bullのダンロップ陣営2台にとっては、不運のアクシデントと急激なペースダウンという厳しい内容のレースとなったが、この悔しさも裏を返せば予選結果が良くて、ドライバーたちの決勝への期待が高かったからこそとも言える。今回は2台ともサクセスウエイトが軽かったとはいえ、ダンロップを装着する64号車Modulo、そして16号車Red Bullの2台の存在感は今季、確実に高まってきている。

神様…。何故そんなに試練を…勝つ為にペースもコントロールして焦らず急がず、安定して良いペースを継続出来てた。あのままいけば勝てる自信もあった。昨日の天国から地獄です。なんとか切り替えてSF鈴鹿も頑張ります。#SUPERGT #Round6 #ポールtoリタイア pic.twitter.com/0Xsd2hGI5W— Toshiki Oyu/大湯都史樹♨️ (@Oyu_Toshiki0804) October 24, 2021

決勝はP12でした。伊沢選手がトップでバトンを繋げてもらい、序盤こそはペースが良かったものの中盤から大幅に失速。結果として12位まで順位を落としました。本当に悔しいレースとなってしまいました。まだまだ強く速くなれるように取り組んでいきます。今回も応援ありがとうございました! pic.twitter.com/16KArtF7dE— Hiroki Otsu/大津弘樹 (@Hirokiohtsu) October 24, 2021

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