帝国ホテルが新本館の外観イメージを公表 デザインは新国立競技場 古墳スタジアム案などで知られる田根剛

0

2021年10月28日 11:22  Fashionsnap.com

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

Fashionsnap.com

田根剛氏による帝国ホテル 東京 新本館イメージパース

Image by: Atelier Tsuyoshi Tane Architects
帝国ホテルが、2036年に完成予定の帝国ホテル 東京 新本館の外観イメージを公表した。デザインは、フランス在住の建築家 田根剛が手掛ける。

 帝国ホテルは、1890年に日本の近代化を推進する明治政府の国策により、海外貴賓を遇する迎賓館として、初代会長である渋沢栄一の「社会の要請に応え、貢献する」という信念とともに開業。フランク・ロイド・ライトが設計し、1923年に開業した2代目の本館は通称「ライト館」と呼ばれ、現在の本館は大阪万博を機に1970年に建て替えられた。
 デザインアーキテクトの選考にあたって、帝国ホテルは新本館に求める「品格・継承・挑戦」という3つのキーワードのもと、国際的に活躍する国内外の建築家を候補にコンペティションを実施。帝国ホテルの歴史と理念を把握し、ビジネス、文化、交流の中心地である日比谷地区で次世代の日本のホテル文化をリードする「新しいグランドホテル・迎賓館」にふさわしく、近景、遠景、どこから見てもホテルらしい存在感や独自性を体現するデザインを創り上げることができる建築家を求めたという。
 田根は、1979年東京生まれの建築家。「Atelier Tsuyoshi Tane Architects」を設立し、フランス・パリを拠点に活動している。場所の記憶から建築をつくる「Archaeology of the Future」をコンセプトに、現在ヨーロッパと日本を中心に世界各地で多数のプロジェクトが進行中。主な作品に、「エストニア国立博物館」「新国立競技場・古墳スタジアム(案)」「弘前れんが倉庫美術館」「アル・サーニ・コレクション財団美術館(2021 秋完成予定)」などがある。
 田根は今回、独自のアプローチである考古学的(Archaelogical)リサーチにより、帝国ホテルのみならずホテル業そのものを考察。賓客を迎え入れる「宮殿」の構えと、人類の進歩の証である「塔」を融合することで、新しい迎賓館にふさわしいデザインイメージを制作。ライト館を形容する言葉として使われた「東洋の宝石」を継承し、未来につなげるコンセプトを提案したという。なお建て替えを予定しているタワー館を含めた総事業費規模は、総額2000億〜2500億円を見込んでいる。

■Atelier Tsuyoshi Tane Architects:公式サイト
    ニュース設定