スマホやスマートディスプレイで訪問者の応対ができる次世代ドアホンを使って分かったこと【活用編】

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2021年10月28日 12:12  ITmedia PC USER

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写真「Google Nest Doorbell(Battery Type)」。Google Nest Hubと組み合わせることで、高機能なTVドアホンとして利用できる。直販価格は税込み2万3900円だ
「Google Nest Doorbell(Battery Type)」。Google Nest Hubと組み合わせることで、高機能なTVドアホンとして利用できる。直販価格は税込み2万3900円だ

 Googleの「Google Nest Doorbell」は、玄関に設置することで、スマホやスマートディスプレイを経由し、訪問者の応対ができる次世代ドアホンだ。訪問者の顔を見ながらリモートで応対できる他、被写体を識別する高度な機能も利用できる。



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 前回は導入編として、外見や構造を含めた本製品の特徴をチェックしつつ、セットアップおよび設置の手順を紹介した。今回は活用編として、玄関に取り付けた本製品の具体的な挙動を、本製品と同時発売のネットワークカメラ「Google Nest Cam」とも比較しつつチェックしていく。



・Google Homeと連携するドアホン「Google Nest Doorbell」ってどんな製品?【導入編】



・「Google Nest Cam」ってどんな製品?【導入編】



・「Google Nest Cam」を使って分かったこと【活用編】



●訪問者をカメラで確認してリモートでの応対が可能



 前回も紹介したように、本製品の導入にあたって最も大変なのが、何と言っても設置のプロセスだ。



 セットアップの手順そのものは、以前紹介したネットワークカメラのGoogle Nest Camとほぼ同じなのだが、位置や高さの調整をしつつネジ止めするという物理的な設置作業は、一旦取り付けてしまうと高さや角度を変えるのも難しいこともあって、心理的なハードルはそこそこ高い。



 ただし、この設置回りのハードルさえ乗り越えれば、使い勝手は実に快適だ。カメラに誰かが近づけば、カメラ直下にある緑のLEDが点灯しつつ、ボタンの位置を知らせる白いリングが点灯し、押すべきボタンの位置を教えてくれる。



 これと並行して、ユーザーの元には、誰かがドアベルに近づいたことを知らせる通知がアプリから飛んでくる。通知をタップして開くと、カメラを通じて訪問者の様子をリアルタイムで見ることができる。ドアベルが押されなくとも姿を確かめられるので、不審者の確認にも適しているし、置き配などの確認にも役立つ。



 もしも訪問者が立ち去った後ならば、「履歴」を開いて記録されている訪問者の姿を確認することも可能だ。ドアベルに映った人物が登録済みのユーザーだったり、動きなどから特定の職種だったり判別できれば、それらを表示することもできてしまう。スマホ経由で操作できるので、ライブでの表示も含め、外出先から行えるのも利点だ。



 さらに本製品はドアベルということで、訪問者が来訪を告げるボタンを押すと、呼び出しがあったことがスマホアプリを経由して知らされ、マイクを通じての応答が可能になる。これらは一般的なTVドアホンと同じ挙動だが、しつこいセールスなどに対しては、再度ドアベルを押されても一定時間は通知しないよう設定することもできる。



 他にも「クイック応答」を使えば、手が離せず出られない場合などに、定型文を読み上げさせることも可能だ。定型文は「お届け物は置いていってください」「ただいま応対します」「応対することができません」の3つで、自前での追加はできない。機械音声ゆえ、訪問者に性別などを明かしたくない場合にも適している。



 続いて、Google Nest Hubとの連携を見ていこう。



●「Google Nest Hub」と組み合わせてTVドアホンとしての運用が可能



 以上はスマホでの応対手順だが、さらにスマートディスプレイ「Google Nest Hub」を所有している場合、ドアベルが押されると、カメラの捉えた訪問者の映像へと画面が切り替わり、タップしての応答が可能になる。



 できる操作はスマホアプリとほぼ同一だが、通知をタップしなければ表示されないスマホアプリと違って、Google Nest Hubの場合は自動的に表示される点が異なっている。TVドアホンで、ボタンが押された瞬間にモニターがオンになるのと同様の使い勝手だ。



 画面にどんな情報を表示していても、お構いなしでカメラの映像が表示されるのはギョッとするが、もしこれが全て手動だと、スマホで通知を受け取ってからGoogle Nest Hubに声をかけ、カメラの画面を呼び出す操作が必要になり、どんなに早くても10秒はかかるだろう。



 気の長くない訪問者であれば、それだけで立ち去ってしまう可能性もあるわけで、ドアベルの挙動としてはこれが正解だろう。



 ちなみに、ドアベルのボタンが押されない場合でも、カメラの映像を確認することは可能だ。Google Nest Hubに向けて「(ドアベルの名前)を見せて」と呼び掛ければ、ボタンを押した際とほぼ同様の画面が表示されるので、それを見ながら、マイク経由で声をかけることができる。



 なお、Google Nest Hubの画面にカメラの映像を延々と表示させておけるGoogle Nest Camと異なり、本製品は一定時間が経過すると画面がオフになってしまう。バッテリーを節約する関係もあるのだろうが、ネットワークカメラとの性格の違いを感じる。



●高度な解析機能を搭載 サブスク利用で訪問者を記録可能



 さて、ドアベルのカメラが捉えた映像については、以前紹介したGoogle Nest Camと同様に、高度な解析機能を利用できる。



 具体的には、被写体が人物なのか車両なのかといった被写体別の認識はもちろん、登録済みの人物であれば、名前も教えてくれる。これらの検出エリアは任意に指定できるので、例えばドアベルの視界の中に向かいの道路が映り込んでいて車が通るたびに通知される場合、訪問者が映り込むエリアだけを指定することが可能だ。



 さらに、直近3時間を超えるカメラの履歴は、サブスクリプションサービス「Google Nest Aware」を用いてクラウドに記録され、外出先から訪問者をチェックしたり、動画としてダウンロードしたりすることもできる。これらは基本的に、前回紹介したGoogle Nest Camと同様だ。



 Google Nest Hubと組み合わせるにあたって気をつけたいのは、通知のタイミングだ。Google Nest Hubで通知が行われるのはサイレントモードになっていない場合のみで、筆者のように常時サイレントモードで使っているユーザーにとっては少々不便だ。常時このドアベルが使えるよう、運用を見直さざるを得ない場合も出てくるだろう。



 また、同じネットワーク上に複数のGoogle Nest Hubがある場合は、TV通話機能で呼び出しを行った場合と同様、全てが呼び出されることになる。任意の1台だけが反応するようにするには、前述のサイレントモードを活用したり、あるいはGoogle Homeの設定で家を分けたりといった工夫をする必要になる。



 本製品は現状、特定の端末とだけペアリングするという概念がなく、Googleアカウントにひもづいたデバイス全てに通知を送る設定になっている(オン/オフも一括でしかできない)ので、これは回避できない。もう少し融通が利いてもいいかもしれない。



 最後に、ネットワークカメラのGoogle Nest Camとの違いをチェックする。



●ネットワークカメラ「Google Nest Cam」との違いとは



 本製品は、サブスクリプションサービス「Nest Aware」を通じてカメラの映像を記録し、後から履歴として参照できるなど、同時にリリースされたネットワークカメラのGoogle Nest Camとよく似た性格を持つが、用途が全く異なる製品ゆえ、使い比べるとその違いに気付かされる。ざっとまとめておこう。



 最大の違いは、ユーザーの行動を検出しても通知するだけのGoogle Nest Camに対して、本製品はドアベルのボタンが押されることによって、それらをポップアップで表示するなど、ユーザー側の行動がトリガーになりうることだ。Google Nest Camの映像をスマホアプリやGoogle Nest Hubで表示するには、通知を受けてからタップして開く必要がある。



 つまりワンクッションあるかないかが大きな違いで、これによって一般的な家庭向けのTVドアホンと似た、即時性を実現しているわけだ。



 ちなみに検出機能において、ドアベルにだけ存在するのが、荷物回りの検出機能だ。地面に置かれた四角い物体を「パッケージ」として認識し、置き配で荷物が置かれたことを検知して知らせてくれたり、集荷などで持ち去られたことを通知したりしてくれる。これなどは、ドアベルという製品だからこそ役に立つ機能だ。



●利便性はピカイチだがドアホンと認識してもらえるかがポイントか



 以上のように、本製品は玄関への取り付けにさえ対応していれば、TVドアホンを超えた製品として、これまでにない便利な運用が可能になる。現状、映像で訪問者を確認できるインターフォンが自宅になく、新規に追加することを考えているのであれば、本製品は格好の存在といえるだろう。



 実際に使ってみて実感するのは、基本的には「Google Nest Hubとの組み合わせて使うことが大前提の製品である」ということだ。スマホアプリとの組み合わせだけでももちろん使えるのだが、ネットワーク上にGoogle Homeアプリをインストールしたスマホが複数あると挙動が読みにくいし、他の用途で使っていて通知に気づかないこともある。



 その点、Google Nest Hubがあれば、サイレントモードにさえなっていなければ、訪問者がボタンを押せば、応対するための画面がすぐに立ち上がる。据え置きで設置されているので、スマホのように家族の誰かが持ち出していて応答できるデバイスがないといったこともない。これまでのドアホンと同じ感覚で利用可能だ。



 理想的なのは、メインの応対がGoogle Nest Hub、サブおよび外出先での対応のみスマホアプリを使うという布陣だろう。睡眠モニター機能がついた第2世代のGoogle Nest Hubであれば、枕元から訪問者の応対が可能になるし、必要に応じてリビングにもう1台追加して家族で共有するといった具合に、台数を増やしていける。



 こうした中で、本製品で焦点となるのは、自宅の玄関や門柱などにきちんと取り付けられるかという、設置性がまず1つある。もう1つは、本製品を見た訪問者がドアベルであるときちんと認識して、ボタンを押してくれるかどうかだろう。



 本製品は、日本国内で流通している一般的なTVドアホンとは全く異なるデザインゆえ、気づかないとスルーされる恐れがある。訪問者が接近するとカメラ直下のLEDが緑に点灯したり、ボタンが白く点滅してその存在をアピールしたりする機能はあるが、むしろチカチカ光っていることで、訪問者が触れるのを敬遠する可能性もなくはない。



 まだ製品が普及しておらず、このような製品があることが認知されていない現状では、この点だけはどうしても未知数と言わざるを得ない。自宅を訪問する人に本製品に慣れてもらう必要は、少なからずあると言えそうだ。


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