史上初の前年最下位から両リーグ優勝 高津、中嶋監督にあって、原監督に欠けていた「手腕」とは

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2021年10月28日 16:05  AERA dot.

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写真巨人・原辰徳監督 (c)朝日新聞社
巨人・原辰徳監督 (c)朝日新聞社
 今年のペナントレースは誰もが予期せぬ展開となった。前年最下位だったヤクルト、オリックスが共にリーグ優勝。前年最下位のチームが両リーグ優勝するのは史上初だった。シーズン前、両球団の前評判は決して高くなかった。なぜ頂点に立てたのか。


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「ヤクルト・高津臣吾監督、オリックス・中嶋聡監督に共通していることは長期的視点でチーム強化を見据え、選手が一本立ちするために『我慢』していることです。例えば、ヤクルトは高卒2年目・奥川恭伸を中10日の登板間隔を最後まで狭めなかった。好調な時期に間隔を詰めて使いたい気持ちはあったと思いますが、高津監督はそれをしなかった。高橋奎二、原樹理もそうです。本来のパフォーマンスを発揮させるために、登板間隔を空けて起用していた。オリックスは山本由伸、宮城大弥の両投手で計31勝を稼いだのが非常に大きかったですが、中嶋監督の手腕も見逃せない。高卒2年目の紅林弘太郎が手痛いミスをしても遊撃で我慢強く使い続け、無名だった杉本裕太郎を4番に据えて大ブレークさせた。その場しのぎの起用法でないからチームに本物の力がついた印象を受けます」(スポーツ紙デスク)


 両球団と対照的に、豊富な戦力を擁しながらシーズン終盤に大失速したのが巨人だった。8月下旬から先発陣の登板間隔を中4、5日に詰めたが結果的に失敗に終わり、電撃トレードで獲得した中田翔も機能せず。エース・菅野智之、主軸の丸佳浩の不振も響いた。3位でのCS進出を決めたが、2018年以来3年ぶり通算9度目のシーズン負け越しとなった。


「先発陣の登板間隔を詰めたのは宮本和知投手チーフコーチの発案と報じられましたが、最終的に決断したのは原監督です。シーズンはまだ2カ月以上残っていたのに、登板間隔を詰めてスパートをかけるのはどう考えても厳しい。投手の体力が最後まで持たないですよ。打線も若手で台頭したのは松原聖弥ぐらい。個人的には吉川尚輝を二塁のレギュラーとして我慢強く使った方が良いと思いますが…。打撃不振の中田翔が使われ続けていましたが、これは高津監督や中嶋監督の『我慢の起用法』と意味合いが違う。『実力主義』でなく、『実績主義』で起用している印象を受けました」(前出のスポーツ紙デスク)



 他球団は若手が台頭する中、巨人は有望株がいないわけでは決してない。


「高卒1年目の中山礼都、秋広優人はいい選手ですね。将来の主力になる可能性を秘めている。投手陣も育成から今年のシーズン途中に支配下登録された戸田懐生はイキのいい球を投げるので楽しみですよ」(他球団のスコアラー)


 今季限りで現役引退を決断した大竹寛が引退会見で、若手について語った発言が興味深い。「才能があふれる選手がいっぱいいますね。今1軍にいる選手はもちろん、名前を挙げたらきりがないんですけど。僕は2軍生活、3軍でリハビリも多かったので楽しみな選手がいっぱいいますね」と前置きした上で、「今年に限れば、堀田賢慎はとてつもないボールを投げますし、山崎伊織も伊藤優輔くんも太田龍も。いっぱいいますね」と若手たちの名前を挙げた。


 チャンスをつかみ取るのは、他ならぬ選手自身の努力だ。ただ一本立ちするためには首脳陣も我慢強く起用する覚悟が必要だ。時には手痛いミスやスランプも味わうが、使い続けなければ選手は成長しない。来季も続投が決まった原監督の下、チームを変革する若手が何人現れるだろうか。(安西憲春)


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  • ヤクルトのセ優勝、神宮は、もう寒いから、東京ドームなら、よかったのに〜
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