「菅直人vs長島昭久」激戦の東京18区は助っ人に「コロッケさん」も参戦 菅伸子夫人も吠える

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2021年10月28日 18:45  AERA dot.

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写真東京18区から出馬している菅直人氏(左)と長島昭久氏(C)朝日新聞社
東京18区から出馬している菅直人氏(左)と長島昭久氏(C)朝日新聞社
 31日に投開票を迎える衆院選もいよいよ佳境に入った。激戦区が多い東京選挙区の中でも18区(府中市、小金井氏、武蔵野市)は「元上司と部下」の対決が注目を集める。同選挙区では、立憲民主党の菅直人元首相(75)に対して、かつて民主党で防衛大臣政務官として仕えた長島昭久氏=現・自民党=(59)が挑む構図となった。対決は熱を帯び、27日には、長島氏の街頭演説に岸田文雄首相が駆けつけたほか、ものまね芸人の姿も。激戦区の“舌戦”を取材した。


【写真】長島昭久氏とコロッケさんのツーショット写真はこちら

*  *  *
「外交や安全保障に与党も野党もない。私はスキャンダルも一回も追及していない。言葉尻をとらえて批判するばかりの野党にうんざりし、私は決別いたしました!」


 27日午後、長島氏はJR吉祥寺駅北口でこう叫んだ。この日は岸田首相の応援演説があるとあって、200人以上の聴衆が詰めかけた。


 長島氏の選対関係者は「平日の日にこれだけ人が集まるというのは、多くの人の関心があるということ。チャレンジャーといえど、(菅氏と)接戦に持ち込めているので勝機はある」と手応えを語る。


 陣営がいうように、当選6回の長島氏も18区では「チャレンジャー」だ。


 長島氏は2003年の衆院選で東京21区から出馬し、初当選を果たした。当時は、菅氏と同じ民主党。09年の政権交代後は、鳩山内閣、菅内閣で防衛大臣政務官に就任し、12年には野田内閣で防衛副大臣に任命された。13年には民主党副幹事長になるなど要職を歴任したが、17年に民進党(当時)が共産党との共闘路線を取ったことに反発して離党。同年の総選挙では、希望の党から東京21区で出馬し当選した。翌年に希望の党が解散したことで、19年6月に自民党に入党したという経緯がある。


 だが、自民党に移ったことで東京21区では同党現職と競合する形となり、18区へ国替えすることになったのだ。


 こうした国替えに対し、迎え撃つ菅氏は憤りを隠さない。18日に開かれた青年会議所主催のオンライン公開討論会では「勝手に選挙区を変えるのは有権者への冒涜(ぼうとく)だ」と強い口調で糾弾。菅陣営の関係者も、「長島さんは裏切り者。よりによって、なぜここに。『ふざけんなバカヤロー』という思いです」と率直な思いを口にした。




 18区を地盤とする菅氏は1996年から2009年までの衆院選で5回連続の当選を果たした。だが、12年と14年は小選挙区で落選し、比例最下位でなんとか復活。17年は次点候補にわずか1000票差まで迫られるなど、最近は選挙に強いとはいえない。


 今回も接戦模様で、朝日新聞が23〜24日に行った情勢調査では、両候補は互角の戦い。無党派層の支持は約4割が長島氏、5割近くが菅氏と伯仲している。


 首相経験者が落下傘候補に敗れたとなれば、立憲民主党にも大きなダメージとなる。それゆえ、自民党は東京18区を「重点選挙区」と位置づけ、これまでも安倍晋三元首相や菅義偉前首相、麻生太郎副総裁、小泉進次郎氏といった大物議員が応援に入っている。


 そして27日には、岸田首相が応援に駆けつけてテコ入れを図った。岸田首相は、長島氏の外交・安全保障の手腕を強調した上で、


「長島さんは日本になくてはならない存在です!」


 と声を上げた。さらにポケットから、聴衆の話を聞き取った「岸田ノート」を取り出し、自身の「聞く姿勢」をアピールすることも忘れなかった。


 さらに、この日は岸田首相の演説後に“大物の助っ人”が現れた。物まね芸人のコロッケさんが、さっそうと登場するや、街頭に立つ長島氏に加勢。途端に人だかりができ、記念撮影を求める人が続いた。大学生らと撮影をする様子を見ていた陣営関係者は、「長島候補も、若者の選挙離れを心配されている。(若者に話を聞いてもらうために)コロッケさんがとっかかりになってくれている」と満足げだった。


 コロッケさんと長年の友人であるという長島氏は横に立ち、「単なる飲み友達ではありません」。コロッケさんと児童虐待防止の運動で連携してきた経緯を語りつつ、自身の熱意をアピールした。


 記念撮影の合間、コロッケさんに話を聞いた。なぜ、長島氏の応援に駆け付けたのか。


「もともと知り合いで、10年以上前から一緒に食事をするなどしてきました。彼と話していると、誠実な人柄であることがわかる。私は児童虐待をテーマにした『189』という映画に出演させていただいているのですが、長島さんには児童虐待をなくすための運動の功労者になっていただいています。また、防衛のこともこの数年は心配なことが続いていましたが、彼の安全保障政策には期待しています」




 一方の菅サイドも、若者へのアピールに力を入れる。昨年夏からツイッターで「#会いに行ける元総理」のハッシュタグを付けて投稿するなど、若者を意識した発信を続ける。陣営関係者は「若い人が足を止めてくれるようになった。SNSでの発信効果もあったのかもしれない」と話す。


 ただ、この日の演説では過剰に“若者ウケ”は狙わずに、自らが福島第一原発事故でとった対応を例に、危機対応能力を愚直にアピールした。18時すぎ、この日最後の演説地となった中河原駅前では、
 
「自民党はコロナの危機に対してもきちんと対応できないために、感染者数が増えている」


 と政府のコロナ対応を批判。また、森友学園問題にも触れ、「トップによる不正がまかり通るような忖度の政治を、根本から変えようじゃありませんか」と呼びかけた。


 菅陣営の関係者は、大物の助っ人に依存する長島氏の戦い方に疑問を呈しつつ、人気では菅氏が勝ると強調する。


「コロッケさんと写真を撮りたい人はいても、長島さん一人の力では、誰も側に寄らない。でも、菅さんは違う。車を止めると人が寄ってくるんです」


 中河原駅前では聴衆に混じり、伸子夫人の姿もあった。菅氏の首相在任中は、その多弁ぶりから「和製ヒラリー」と評されたこともあったが、舌鋒の鋭さは健在だった。


「副大臣をやった経験をアピールしているけれど、知らない人は、自民党政権で副大臣までやったと思うでしょう」


 菅氏と伸子夫人は、長島氏の新人時代に支援をし、政界入りを後押しした立役者でもあるという。


「(初出馬で落選した)2000年の補選では、私も一緒に長島さんを連れて歩きましたよ。出馬するなら、菅さんや私のところまでちゃんと来て言えばいいのに、説明もあいさつも一切なし。びびっているのかもしれませんが、正々堂々と、真正面から戦ってほしい。政治の世界は仁義を切らなければだめ。あいさつもできないようでは、人の信頼を失うことにつながります」



 菅氏は75歳。長老議員の域に差し掛かっている。


「年だから引退したほうがいいでしょとも言われますし、私も夫に『やめてほしい』と言いました。でも、あの人は他人から言われてやめるとは絶対に言わない。諦めが悪く、頑固。そういうしつこさも、彼の強さだと思います」


 同選挙区では、ほかに子安正美氏(71歳・無所属新人)も出馬しており「高等学校の教育完全無償化」や「学校での健康教育の推進」、「無農薬野菜の生産者に対する初期費用の補助」などの政策を訴えている。


 かつての部下の下克上となるか、元上司が威厳をみせるか。あと2日、お互いの威信をかけた戦いが続く。(AERA dot.編集部・飯塚大和)


このニュースに関するつぶやき

  • 韓直人が娑婆にいること自体がおかしいだろ
    • イイネ!6
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  • コロッケもふざけるなよ。
    • イイネ!13
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