過敏性腸症候群かも…便秘、下痢、その両方をくり返していない?【専門医に聞く】

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2021年10月28日 21:01  ウートピ

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「以前は慢性的な便秘だったのに、コロナ禍で下痢が続く」「更年期障害なのか、便秘が治らない」「テレワークが長く、たまに会社に行く日の朝に急におなかが痛くなる」といった、おなかの不調を訴える人が増えています。なぜこういう症状になるのでしょうか。

「それは過敏性腸症候群かもしれません」と話すのは、消化器病専門医・指導医、消化器内視鏡専門医・指導医でむらのクリニック(大阪市中央区)の村野実之(みつゆき)院長。そこで、おなかの不調の不思議なこと、原因、セルフケア、病院での治療法などについて連載でお話しを伺います。

おなかの状態をセルフチェック

——過敏性腸症候群とはどのような病気でしょうか。

村野医師:英語では irritable bowel syndromeといい、日本でも医療関係者はこれを略して「IBS」と呼んでいます。腸(大腸・小腸)には腫瘍(しゅよう)や炎症などの異常が見られないのに、下痢や便秘の便通異常、腹痛、腹部の不快症状が続く場合に診断される病気です。まず、次のような症状がないか、チェックしてみてください。

□胃腸の病気や炎症がない、また、食べ過ぎ飲み過ぎではないけど、なぜかよく下痢をする。
□トイレに行きにくい状況のとき、例えば電車に乗っているときや、会議中、商談中など、またその直前におなかが痛くなってトイレに駆け込みたくなる。
□朝から午前中に腹痛や下痢の症状が強く、帰宅時〜夜は軽快している。
□就寝時、休日は症状が現れない。
□便秘や、ころころとした便が続く。
□下痢と便秘の症状が交互に現れ、それが長く続く。
□おなかの痛み、不快感がある。
□トイレに行って排便すると、症状はおさまる。

  

便秘と下痢が交互に起こるタイプがもっとも多い

——ほとんど思いあたります。多くの人が経験する身近な症状ではないでしょうか。こうしたことが長く続くかどうかが問題なのでしょうか。

村野医師:おなかの不調は誰にでも起こりやすい身近な症状です。現在の国際的な過敏性腸症候群の診断基準は、「腹痛が最近3カ月の間、月に4日以上あって、次の2項目以上の特徴を示す場合」です。

(1)排便によって症状が軽減する
(2)症状とともに排便の回数が増えたり減ったりと変化する
(3)症状とともに便の形状や硬さが変化する

また、過敏性腸症候群には、次のような特徴があります。

・「下痢型」「便秘型」「混合型(下痢と便秘が交替で現れる)」に分類される。
・患者さんの数は、多い順に、混合型、便秘型、下痢型。
・下痢型は男性、便秘型は女性に多い。
・便秘型もつらいけれども、下痢型はもっとつらい。
・医療機関の受診率は、便秘型は約1/3、下痢型は半数以上。
・20〜40歳代に多く、年齢とともに改善が見られる。
・日本人の約10人に1人が過敏性腸症候群だという報告がある。

——よくある症状だけに、放置しがちな症状かもしれません。

村野医師:自分では過敏性腸症候群だと気づいていない人も多くいらっしゃいます。放っておくと、下痢や便秘、腹痛がひどくしつこくなってきます。それが長く続くとつらいことになり、明らかに生活の質(QOL)が低下します。とくに、通勤電車中や会議中、商談中、試験中やそれらの直前など、緊張時に起こる急な腹痛、下痢ではとても苦しいでしょう、ちょっとした不安感や緊張感でも発症するようになります。

——過敏性腸症候群の診断基準という、最近の3カ月で月に4日以上続くわけではないけれど、先のチェックリストにある症状がたまにある人も多いと思われます。その場合は過敏性腸症候群ではないのでしょうか。

村野医師:続かなくてもときどき起こるならば、過敏性腸症候群の予備群かもしれません。また、注意点としては、ほかの病気(腫瘍や炎症)が隠れている場合もあります。確定診断には、患者さんの症状をよく聞いて、ほかの病気の可能性も考慮した上で精密検査を行います。

——冒頭の経験者の声は、過敏性腸症候群の可能性がありますか。多くの人は「市販の薬でその都度対処している」と言います。

市販の薬で一時的に改善する場合もあると思いますが、しばらくすると再発してまた薬を飲むことをくり返すときは、悪化しているケースもあります。実際のところ、そのケースはとても多いのです。いずれにしろ、紹介した症状に思いあたる場合は、早めに消化器内科、内科を受診しましょう。

——ありがとうございました。検査の具体的な方法は後の回でお尋ねします。

聞き手によるまとめ

過敏性腸症候群では便秘タイプ、下痢タイプ、両方を交互にくり返すタイプに分類されること、緊張する場面で急な下痢に見舞われる人も多いこと、長く続くと生活の質が低下すること、過敏性腸症候群の国際的な診断基準、また症状がたまにある場合の考え方、市販の薬で自己対処しても再発しやすいことなどがわかりました。認識を改めて、受診を考えたいものです。次回・第2回は、過敏性腸症候群の原因について尋ねます。

★お知らせ
村野医師が理事を務める「大阪府内科医会」が主催のオンライン健康セミナー・第23回市民公開講座「美と健康はおなかから〜腸活のススメ〜」が、2021年12月12日(日)13:00〜、15:00〜の2回、開催されます。村野医師による講演「悩んでいませんか? おなかの症状で」もあり、無料で視聴できます(事前登録が必要です)。申し込み先:https://www.osaka-naika.jp

(構成・取材・文 藤井 空/ユンブル)

このニュースに関するつぶやき

  • 朝、寝起きで2時間以内に冷たい飲み物か朝食を摂るとほぼ100%お腹が下って午前中はトイレに行ったり来たりになるから温かい珈琲だけで朝食は抜きだけど、俺もこういう病気なのか?
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  • 過敏性腸症候群歴20年。昔は理解がなくて苦労したなぁ。この病気、ひどい時は便を出し尽くしても腹痛くなるから厄介。今はコントロールできて病気と付き合いながら生活できている。
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