シロクマも虫歯の痛みには耐えられない 歯科医の根管治療を受ける(英)<動画あり>

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2021年10月30日 18:11  Techinsight Japan

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歯の治療を受ける体重約600キロのシロクマ(画像は『Yorkshire Wildlife Park 2021年10月25日付Twitter「What happens when a Polar Bear has tooth ache?」』のスクリーンショット)
どんなに体が大きくても虫歯の痛みは共通のようで、このほどイギリスのサファリパークにいる体重約600キロの大きなシロクマが虫歯になり、動物専門歯科医の治療を受けた。シロクマが歯科医の治療を受ける珍しい舞台裏を捉えた動画を同サファリパークがSNSに投稿し、話題になっている。『The Independent』などが伝えた。

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英サウス・ヨークシャー州ドンカスターにあるサファリパーク「Yorkshire Wildlife Park」のスタッフたちはある日、シロクマ“シス(Sisu、3)”の犬歯が折れていることに気付いた。大事な犬歯の片方がなくなってしまい心配したスタッフらは、動物専門歯科医であるピーター・ケルテースさん(Peter Kertesz)に診察を依頼した。

シスの様子を診たピーターさんは「飼育員がよく観察していて、歯の異常に気付いたことは素晴らしいことです。割れた歯は深刻な感染症を引き起こすこともあり、酷い痛みを伴うこともあるので迅速に処置することができてよかったです」と語った。

ピーターさんは歯科看護師のモニカ・マズールキエヴィチさん(Monika Mazurkiewicz)や麻酔科医とともに、シスの歯の治療を行った。体重1322ポンド(約600キロ)もあるシスは麻酔によって眠らされ、ピーターさんはシスの歯に棒を噛ませることで口を開かせたまま治療を行った。

「シスの歯は3インチ(約7.6センチ)以上ある根の部分が感染症にかかっており、今回はその部分をキレイにするという標準的な治療でした。」

治療についてそのように話すピーターさんは、人間と同じように専用のドリルで歯を削って処置をした。また折れてしまっていた犬歯を補うため、人工的に代わりの犬歯を作る必要があった。

噛み合わせなども考えながら形を整えて代わりの犬歯を装着していき、その間はシスの体を間近で確認できるチャンスでもあったため獣医チームにより一般的な健康チェックも行われた。

1時間以上かかった治療が終わり、シスは麻酔から目覚めるとすぐに立ち上がることができたそうだが、その後はしばらく巣の中で完全に回復するまで休んでいたという。

同サファリパークは治療の様子を捉えた動画を、「シロクマは歯が痛くなったらどうすると思いますか? もちろん歯科医院に行きますよ! シロクマのシスが初めて歯科医院に行く舞台裏を見てみましょう」というコメントとともに公式TwitterやFacebookに投稿した。

シロクマが歯の治療を受けるという珍しい動画には、「これは面白い光景だ」「普段シロクマは人を脅かす立場だけど、今回はシロクマが歯科医を恐れているみたい」「歯の痛みから解放されてよかったね」など多くの人が関心を寄せた。


なお過去にも大型哺乳類が人の手を借りて治療を受けた事例がいくつかある。今年4月には胆石の痛みで倒れたゾウから獣医が1.7キロの大きな石を摘出したり、2019年には皮膚がんのライオンが一般病院で放射線治療受けたこともあった。



画像は『Yorkshire Wildlife Park 2021年10月25日付Twitter「What happens when a Polar Bear has tooth ache?」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

このニュースに関するつぶやき

  • 野生なら虫歯になるような事もなかったのでしょうけれどもね。
    • イイネ!12
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