バゲージクレームには冷凍の魚が入った大量の青い箱が(画像は『Dorset Live 2021年11月3日付「Baffling conveyor of frozen fish greets Dorset family instead of their luggage」(Image: Mike Braunholtz)』のスクリーンショット) 今月1日、英ヒースロー空港のバゲージクレームで自分の荷物を待っていた人々の前に冷凍の魚が100箱以上も流れてきたという珍事が発生した。結局、乗客たちはその日のうちに荷物を受け取ることができず、2日後に返却されたという。奇妙なハプニングの詳細を『Dorset Live』などが伝えている。
【この記事の他の写真を見る】
被害に遭った乗客の1人である英ドーセット州シェボーン在住のマイク・ブラウンホルスさん(Mike Braunholtz、54)は、妻ベッカ・ブラウンホルスさん(Becca Braunholtz)や7歳と11歳の子どもたちとともにロンドン西部にあるヒースロー空港の5番ターミナルに到着した。
マイクさん一家はキプロス共和国への家族旅行を終え、午後10時に同空港に到着した。長旅を終えて疲れ切ったマイクさんたちは、一刻も早く帰宅したいところだったはず。ところが飛行機から降りて預けていたスーツケースを回収しようとバゲージクレームへ向かうと、異変が発生した。
ベルトコンベアに荷物が流れてくるまで近くで待機していたが、待てど暮らせどスーツケースは出てこない。他の多くの乗客も同じ状況に置かれていた。
そしてようやく荷物が出てきたと思いきや、それは青いビニールに包まれた謎の箱だった。しかもどんどん荷物が流れてきて、それが全て同じ青い箱だったのだ。
マイクさんは「最初に1つのバッグが出てきてそれを男性が持っていったのですが、それから青い箱が1つ出てきて、それに続いて他の箱も現れたのです」と当時を振り返る。
当初マイクさんや他の乗客たちは「第2陣で自分たちの荷物が来るのかも」と期待して待っていた。しかし次から次へと青い箱が連続で流れてきたため、それまで紳士的な態度で待っていた人々は怒りをあらわにし始めたという。
マイクさんも「誰が24、25、26個もの冷凍の魚が入った箱をラルナカ(キプロス共和国の空港がある場所)から持ち帰るんだ!?」と憤った。
近くにいたスタッフたちはこの状況に気付いておらず、ベッカさんがスタッフに状況を伝えると困惑した様子でベルトコンベアの方へ駆け寄っていたという。
マイクさんによると青い箱は少なくとも100箱は流れてきたそうで、それぞれの箱には中に入っている魚の種類と“JFK”の文字が書かれていた。“JFK”とは米ニューヨーク州のジョン・F・ケネディ国際空港のことで、この青い箱はアメリカまで運ばれるはずが手違いでヒースロー空港に降ろされてしまったのだ。
その後、航空会社「ブリティッシュ・エアウェイズ」のスタッフは乗客たちの荷物をすぐに手配することができず、荷物は2日後に返却すると伝えられた。そして乗客たちはクレーム用の申請用紙を受け取り、手荷物なしで一度帰宅するように勧められたという。
荷物を受け取れなかった乗客の中には、赤ちゃんを連れた女性もいた。受け取れなかった荷物の中に赤ちゃんのミルクやオムツが全て入っていたといい、当然のことながら激怒していたそうだ。
ベッカさんは「なぜこの魚の入った箱を運んでいた人が『5番ターミナルに持っていくべきものではない』と思わなかったのか、理解できません。こんなこと不可能ですよ」と苛立ちを抑えられない様子でコメントしている。
今回の件で同航空会社は謝罪の言葉とともに「同便に搭乗したお客様のほとんどが荷物を受け取りました」と公表しており、荷物は無事に持ち主のもとへ返されたようだ。
なお今年8月にはアメリカで、バゲージクレームに生の鶏肉の塊が流れるという珍事が発生していた。パンデミックの影響で長らく仕事を離れていたスタッフたちも、仕事の感覚を取り戻すのに苦労しているのかもしれない。
画像は『Dorset Live 2021年11月3日付「Baffling conveyor of frozen fish greets Dorset family instead of their luggage」(Image: Mike Braunholtz)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)