亡くなった飼い主の墓を離れない犬(画像は『Anadolu Agency 2021年11月5日付「Loyal Turkish dog inseparable from late owner」』のスクリーンショット) 今から11年前に野良犬だったところを保護されたオス犬が、埋葬されたばかりの飼い主の墓から離れないでいる姿が捉えられ人々の涙を誘っている。犬は忠誠心が強いと言われるジャーマン・シェパードで、土に顔をうずめて擦りつけるなど飼い主を亡くし寂しそうにしているという。『Haberler』『DHA』などが伝えている。
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トルコのトラブゾン県アラクル(Arakli)で先月29日、オマー・グヴェンさん(Omer Guven)が92歳の生涯を閉じた。オマーさんには持病があり、29日に体調が悪化して病院に搬送され、その日のうちに息を引き取った。
オマーさんは妻が亡くなってから野良猫や野良犬の世話をするようになったそうで、30日に行われた葬儀では子犬の頃から育てているジャーマン・シェパードの“フェロ(Fero、11)”が棺のそばに寄り添った。
オマーさんの息子コスカンさん(Coskun)によると、フェロはオマーさんが自宅で倒れ救急車で病院に搬送されたのを見届けると、翌朝に遺体で戻ってくるまで自宅のドアの前で待ち続けたという。
コスカンさんは「父は地域のみんなに動物好きとして知られていたのですよ」と語ると、葬儀の日の朝のことをこのように振り返った。
「フェロはその朝、父が埋葬されるまでずっと棺のそばを離れませんでした。そして埋葬が終わり人々が墓場を去ってからも、数時間はその場から動かなかったのです。父がフェロのことを可愛がっているのは知っていましたが、フェロのそんな姿を目の当たりにして、父のことが本当に大好きだったのだと気付かされました。」
またオマーさんの娘セヴィライ・スルールさん(Sevilay Surul)は、「父が亡くなってから2日間、フェロはなにも食べずぐっすりと眠ることもできなかったようです。父とフェロは強い絆で結ばれていたのです」と明かす。
さらにオマーさんの親戚のニハル・イルハンさん(Nihal Ilhan)は、「葬儀の朝のフェロは意気消沈した様子で、ずっと鳴いていました。葬儀の翌日からは毎朝お墓にやってきて、叔父が埋葬された墓の上で横になっているのです。あれこそ忠誠心と言えるのではないでしょうか」と述べ、オマーさんの生前についてこんなエピソードを紹介した。
「叔父は稼いだお金のほとんどを動物たちに使っていました。そして自分で朝食や夕食を摂る前に必ず、犬たちに餌をやっていました。叔父はいつもそうやって、犬たちにたくさんの愛を注いでいたのです。」
なおオマーさんが住んでいたコミュニティーのリーダーは次のように語った。
「オマーさんはいつも動物たちの世話をしていました。フェロは彼が亡くなったのを察し、悲しみに打ちひしがれていたのでしょう。私たちはフェロの目から涙が溢れるのを見ましたよ。」
ちなみに今年8月にはエクアドルでも、
亡くなった飼い主の棺から離れようとしない犬の姿が捉えられ、多くの人の胸を熱くした 。小さなオス犬は墓地でお別れをする最後の最後まで、棺のそばを離れなかったという。
画像は『Anadolu Agency 2021年11月5日付「Loyal Turkish dog inseparable from late owner」、2021年11月6日付「Esta es la perra que visita todos los días la tumba de su recién fallecido dueño en Turquía」(Duygu Avunduk - Agencia Anadolu)』『Haberler 2021年11月5日付「The dog ‘Fero’ does not leave from the grave of its owner」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)