◆ 二遊間に厚み
オリックスは18日、今秋のドラフト会議で2位指名した関大の野口智哉内野手(22)と大阪市内のホテルで入団交渉を行い、契約金7000万円、年俸1000万円(金額は推定)で仮契約を交わした。
野口は、鳴門渦潮高を経て関大へ。181センチ、86キロ、走攻守の三拍子そろった大型遊撃手。大学1年から日本代表候補に選ばれるなど、高い身体能力を持ち、一昨年の明治神宮大会準優勝に貢献した。優勝した今秋のリーグ戦では、連盟史上31人目の通算100安打の記録も達成、打率.361、7打点、2本塁打の活躍でMVPに輝いた。
強肩にパワフルな打撃も魅力で、福良淳一GMは「二遊間の層を厚くしたかった。今いる選手と勝負ができる。肩が強く、打撃もパワフル。体の強さもある」と、即戦力として期待を寄せた。
野口は、「首位打者と打点王のタイトルを獲りたい」と、プロでの目標を掲げ、遊撃で目標とする選手として「打てて、走れて守れる」と、坂本勇人(巨人)を挙げ、打者では「高打率を残し、本塁打も打てる」と、同僚となる吉田正尚を挙げた。
これまで、遊撃のポジションで開幕一軍を公言してきたが、「こだわりはもちろんあるが、柔軟に考えたい」と、チーム事情も考慮し、軌道修正。
担当の谷口悦司スカウトは「大学では50%くらいの力でやってきたのでは」という。もちろん、手を抜いてきたのではなく、そのくらいの力でも十分通用したということ。潜在能力はまだまだあるといい、「まだまだ、余力はあり伸びしろはある。プロではもう一段上のレベルに達してくれるのではないか。どれだけ対応してくれるかも楽しみ。首位打者も可能性はある」と、プロ入り後の姿に思いを馳せる。
昨年の来田涼斗(明石商)、今年の5位指名の池田陵真(大阪桐蔭高)と同様に、オリックス・ジュニア出身。「オリックスは、12球団で一番、身近に感じる存在。プロでやるなら、オリックスだとずっと思っていた。夢に見たチームに入れてうれしい」と野口。
夢を実現させた今、目指すのは勢いのある若いチームで存在感を示すことだ。
文・写真=北野正樹(きたの・まさき)