アストン・ヴィラのスティーヴン・ジェラード新監督が、就任後初の記者会見を行った。18日、イギリスメディア『スカイスポーツ』が伝えた。
現在41歳のジェラード新監督は、現役時代にリヴァプールで活躍。2016シーズン終了後にロサンゼルス・ギャラクシーで現役を引退し、2017年からリヴァプールの下部組織で指導者キャリアをスタートさせた。2018年5月にレンジャーズの監督に就任すると、昨シーズンのスコティッシュ・プレミアシップで無敗優勝を達成し、同クラブに55度目のリーグタイトルをもたらした。
今シーズンもリーグ戦第13節終了時点で首位に立っていたものの、シーズン途中ながら11日に退任。同日、7日にディーン・スミス前監督を解任していたアストン・ヴィラの新指揮官に3年半契約で就任した。
18日、アストン・ヴィラの監督として最初の記者会見に臨んだジェラード新監督。将来的に指揮官としてリヴァプールに凱旋することが期待されているが、まずはアストン・ヴィラでの仕事に100パーセント集中することを誓った。
「この記者会見でアストン・ヴィラ以外のクラブの話をすることはあってはならないと思うし、サポーターに敬意を払わなければならない。私にとってリヴァプールがどんな意味を持つかは世界中の誰もが知っていると思うが、私の関心はアストン・ヴィラにある。このクラブの監督であることは本当に名誉なことだと思う」
「この仕事は(リヴァプールの監督になるための)“踏み台”では決してない。私はこの職に就いていることを本当に誇りに思うし、光栄に思っている。私は全力を尽くし、この仕事を成功させるために必要なものはすべて捧げる。この仕事に100パーセント専念するよ」
また、ジェラード監督はアストン・ヴィラでの目標について、「サッカーで成功するには、何よりもまず試合に勝つことだ。長期的には、クラブを再び欧州の舞台に導くことが期待されるだろう」とコメント。一方で「今はまだその時期ではないと思う。私にとっては、週末(20日)に行われるブライトン戦という短期的な目標に集中することが重要だ。週末に難しい試合があるから、あまり先のことは考えたくない」としつつ、「今いる選手たちを考えれば、もっと上位にいてもおかしくないと思う」と、チームが秘めるポテンシャルに期待を寄せた。
1部リーグとFAカップを7度ずつ制し、1981−82シーズンにはヨーロピアン・カップ(チャンピオンズリーグの前身大会)の王者となったアストン・ヴィラだが、近年は2部でも戦うなど低迷。欧州サッカー連盟(UEFA)が主催する国際大会に出場したのは、2010−11シーズンのヨーロッパリーグ予選が最後だ。果たして、ジェラード監督はイングランド屈指の名門にかつての栄光を取り戻すことができるだろうか。