ミランに所属するスウェーデン代表ズラタン・イブラヒモヴィッチが、自身の信念などについて語った。22日、イギリス紙『ガーディアン』が伝えた。
現在40歳のイブラヒモヴィッチは、2020年1月に約7年半ぶりとなるミラン復帰を果たした。ケガに悩まされながらも、ピッチ上では得点を量産するエースとして、ドレッシングルームでは頼れる兄貴分として若いチームをけん引している。
『ガーディアン』紙のインタビューに応じたイブラヒモヴィッチは、「毎朝、起きるたびに体のあちこちに痛みを感じる」と肉体的な衰えを隠さない。それでも、痛みや苦しみも自身の糧になるとし、次のように自身の信念を語っている。
「(好条件の)契約や有名になることが目的じゃない。そんなものは必要ない。アドレナリンだけが変わらずに俺を突き動かす。(SNSの)フォロワーが増えても、もっと稼げても、注目を集めても、俺は癒されない。アドレナリンが俺を癒してくれる」
「苦しむことに問題はない。俺にとって、苦しむことは朝食のようなものだ。しかし、多くの人は苦しみを理解していない。プラットフォームを持つ新しい世代は、ほとんど何もしなくても評価を得られるからね。その前の世代は、小さな評価を得るために多くのことをしたものだ。俺は自分が旧世代の人間であることを誇りに思うよ」
イブラヒモヴィッチは今季のチャンピオンズリーグで最も若いチームだとされるミランのメンバーについて、「彼らは俺を若く見せてくれる。ベンジャミン・バトンのような効果があるんだ。半年もそこにいたら、白髪も黒くなるさ。俺を信じてくれ(笑)」と冗談も交えてコメント。続けて次のように語り、若い世代からエネルギーをもらいつつ、先頭に立ってチームを鼓舞していることを明かした。
「若い選手たちがより多くの責任を負い、彼らのメンタリティが変わっていくのを見て、俺はとても誇りに思う。それが今の俺の幸せであり、俺のアドレナリンなんだ」
「外に出れば、彼らと同じくらい走る。俺は20年間、それを続けてきた。人々は『ノー、イブラはやめたほうがいい』と考えるが、俺のメンタリティは違うと言っている。なぜなら、若い選手たちは俺の仕事ぶりを見て、『あれだけやったのに、まだ(仕事を)やっている。彼がすべてをやったのだから、僕もやらなければならない』と言うのさ。操るというよりは、お手本を見せるようなものだ」
また、イブラヒモヴィッチは3代にわたってミランでプレーするマルディーニ家にも言及。パオロ・マルディーニTD(テクニカル・ディレクター)の実子であるU−20イタリア代表FWダニエル・マルディーニについて、次のように語った。
「俺は2人が同じでないことに満足しているんだ。子供にとって、親と比較されるのは簡単なことではないし、父親が偉大なキャリアの持ち主なら尚更だ。俺たちは色んな面で息子を助けている。彼は大きな才能の持ち主だが、俺は彼に『ただ自分の試合をして、戦って、そうすれば自分で道を切り拓ける』と言い聞かせている」
「俺は幸せだよ。(ミラン一筋だった)父親とは、(ユヴェントスとインテル時代に)対戦し、今では息子とともにプレーしている。もしかしたら、ダニエルにも(自分とプレーする)子供が生まれるかもしれないしな…」