「今は3合目あたりです」…復活にかける中日の主将・高橋周平の現在地

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2021年11月25日 07:13  ベースボールキング

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ベースボールキング

立浪新監督も期待をかける高橋周平 (C) Kyodo News
◆ 新指揮官が求める「3割・20本」

 広島の鈴木誠也と坂倉将吾からはじまり、20番目から巨人の坂本勇人、丸佳浩、岡本和真、そして阪神の大山悠輔と続いて、24番目に来るのが中日・高橋周平だ。

 マニアでなくとも、すぐに気がつくのではないだろうか。これは今季の打率順。5位に低迷した中日にとって、高橋周平の不振はかなり響いた。




 球団は与田剛監督の退任、立浪和義新監督の就任へと舵を切り、来季に向けて秋季キャンプをスタートさせた。

 「やっぱり3割・20本、そういう選手になってほしい。バンテリンドームでも20本以上は打てる力を持っている。ステップした右足とバットを持つ手を遠く離れたところから振る。そうすることで球を強く叩けます。あそこまで投手寄りに身体が移動してしまうと、距離が取れません」

 新指揮官の求めた数字は“3割・20発”。主将改造は、キャンプのメインテーマのひとつだ。



 京田陽太や木下拓哉、アリエル・マルティネスとともに1時間のノックを受けさせ、それから1時間のバッティングを課した。

 主力組が最もボールを受け、最も打つ。免除や軽めとは真逆の、時間的にも内容的にも密度の濃い秋となった。


◆ 「強いスイング」への変化

 11月4日にスタートして、若手よりもひと足早くキャンプを打ち上げたのは21日のこと。

 この2週間強で何が変わったのか──。背番号3は「やろうとしていることがキャンプで分かった」と、まずは方向性に手ごたえを得るコメントを出した。


 スタート当初のことを「どうなるかと思った時もありました」と振り返った27歳。解体から始まり、タイミングの取り方からチェンジした。

 「コンタクトを大切にしてきました。まずそこから強いスイングへの変化です」

 プロ10年目。体重のかけ方やヒッチの仕方、あらゆるチャレンジを重ねて、7年目にはじめて規定打席に到達している。


 二軍時代、日付が変わるまで練習したのははっきり覚えている。結果を度外視して、かけた練習時間ならそうそう負けない自信がある。

 キャンプでは、新コーチで現役時代をともにした森野将彦打撃コーチと長い時間を過ごした。“意固地”から抜け出すキャンプだった。

 「頑固さ」こそ、できていたこともできなくなったプロ10年目を物語る。

 なぜ、できなくなったか…。

 「体を開きたくない。それを意識しすぎました。体の回転もなくなりました」

 当てる能力があるから、頭が過度に突っ込んでも.259。インパクトで、手だけで帳尻を合わせられるのがアダとなった。


 意地でもスタイルを曲げず、貫こうとしていた。ただ、周囲から言われなくても、「これじゃあ、キツい」と思ってもいた。だから変化を受け入れた。

 気づいたのは、「変えなくていいことがある」ということ。タイミングは取れる。「最終的には、基本的なことですかね。とにかく、踏み出した右足とテークバックの距離を取って、足を使って打つ。そこになるのかな」と話す。


 秋季キャンプの期間ですべてが変わるわけではない。

 「今は3合目あたりです」

 変わろうとする第一歩があり、登りはじめたばかり。山には悪路があり、天気の変化があるように、高橋周平の頂上への道のりだってすべてが順調とは限らない。

 まずは2月1日の春季キャンプまでどうトレーニングをするか。そして、実戦でどう形にしていくか。

 来季開幕は3月25日の敵地・巨人戦。立浪新監督の初陣を白星で飾る一打を放った時、秋季キャンプ期間に感じた苦労なんかすべて吹っ飛ぶ。

 打率も、本塁打も、ランキングの上位に名前を掲げたい。


文=川本光憲(中日スポーツ・ドラゴンズ担当)




【動画】連日の特守特打に選手が悶絶!立浪和義新監督の“指定強化選手”に密着

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  • お前なんかまだ入山すらできてないやろ(笑)
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