「日本での認知度はほぼゼロ」「虐待経験がある保護犬が付けることも」 黄色いリボンは“そっとしておいて”のサイン――イエロードッグプロジェクトの現実と未来を聞いた

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2021年11月26日 20:13  ねとらぼ

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写真黄色いリボンをつけたワンコは……
黄色いリボンをつけたワンコは……

 お散歩中のワンコのリードに“黄色いリボン”がついていたら、それは「そっとしておいて」というサイン……。さまざまな事情で人や犬との交流が難しいワンコたちへの理解を深める運動「イエロードッグプロジェクト」を描いた漫画がTwitterで注目を集めています。



【画像:漫画とワンコたちを見る】



 「イエロードッグプロジェクト」とは、「臆病な性格で、見知らぬ人や犬が近づくと吠える」「虐待の過去を持ち、飼い主以外の人間が近づくと怖くて震える」など、さまざまな“事情”を抱えるワンコたちが黄色いリボンをつけることで、「近づかないでね」という意思表示をする取り組み。その他、健康上の問題やしつけトレーニングの最中など、社会復帰訓練中のワンコたちがストレスなく過ごせるよう配慮するもので、2016年にスウェーデンで発祥したといわれています。



 漫画作者のネコロス(@youyakuya)さんは、ネットニュースで「イエロードッグプロジェクト」を知り感銘をうけたとのこと。“世間に広く知ってもらえたら”と考え、4コマ漫画に描いたそうです。



 漫画には「初めて知りました!」「知らなかった」と、黄色いリボンの意味を知らなかった読者からリプライが寄せられ話題に。また、「リボンをつけていても、認知度が低く困っていました」「日本ではまだ全然浸透していないです」など散歩中に声をかけられて困っている飼い主さんからの切なるコメントも集まっていました。



 まだまだ日本では認知度が低い「イエロードッグプロジェクト」。今回ねとらぼでは、日本国内で同プロジェクトの認知度を高めるため活動しているNPO法人「迷子犬の掲示板」代表・木崎亜紀さんに話を聞きました。



・Yellow Ribbon Dog



NPO法人「迷子犬の掲示板」代表の木崎亜紀さんが中心となって活動するプロジェクト。黄色いリボン(=Yellow Ribbon)の意味をより多くの人に知ってもらおうと、リボンやグッズの製作・配布をしている。「迷子犬の掲示板」は全国の迷子犬の情報を一元管理し、情報発信するネットワーク。迷子にしてしまった飼い主に的確なアドバイスをすることで、迷子犬の早期解決につなげている。



――まずは、日本での活動内容について教えてください。



 各SNSでイエロードッグプロジェクト、団体の活動内容などさまざまな情報を発信しています。また、イエローリボンの認知度がまだまだ低いためより分かりやすく伝わるように「はなれていてね」という言葉とワンコのイラストがかかれた缶バッジも作りました。



 缶バッジは小サイズだけで500個以上配布しており「近づいてきた人に説明しやすくなった」「缶バッジを見てハッとして離れてもらえる」「社会化トレーニング中の保護犬の散歩につけていると安心してトレーニングに集中できる」など、たくさんの方によろこんでもらえています。



――「Yellow Ribbon Dog」の活動を始めたきっかけはなんでしょうか。



 私は2015年から「迷子犬の掲示板」を立ち上げ、運営しています(2021年にNPO法人化)。Instagram(@maigo_dog)、Twitter(@maigo_dog_)、Facebookにて全国の迷子犬の情報を発信し、目撃情報やアドバイスを集め、早期解決の糸口になるようにと飼い主さんたちの手助けをしています。その活動をしている中で海外での「イエロードッグプロジェクト」を知り、掲示板で広報などはしていました。



 「迷子犬の掲示板」の活動が軌道に乗った頃、ふと近所の友人のワンコがイエローリボンを付けていることに気が付き、話を聞いてみたんです。すると「ずっとリボンをしているけど、ほとんど分かってもらえないの」「逆に『可愛いおリボンね』と寄ってこられてしまうこともある」と聞き、イエロードッグプロジェクトが日本では全く浸透していないことを痛感しました。



 そこで「迷子犬の掲示板」を立ち上げた経験やたくさんの方とのつながりを生かして、イエロードッグプロジェクトの認知度アップを図ろうと決意。迷子の掲示板スタッフの有志数名と「Yellow Ribbon Dog(@yellow_ribbon_dog)」の活動を始めました。



 現在、「迷子犬の掲示板」はスタッフが46人在籍していますが、同プロジェクトは掲示板スタッフの有志2人が企画運営、別の2人が発送担当として活動しています。また、掲示板スタッフ十数人がヒアリンググループに参加して相談に乗ってくれています。



 プロジェクト名を「Yellow Ribbon Dog」にした理由は、「イエロードッグプロジェクト」では趣旨や“リボンをつける理由”が分かりにくいため、「イエローリボン」という文言を前面に出しました。SNSでは「#イエローリボンドッグ広め隊」「#イエローリボンドッグ」のハッシュタグをつかって活動しています。



――日本でのイエローリボン・イエロードッグプロジェクトの浸透度はいかがでしょうか。



 ほぼゼロに近いです。先述の友人が語るように、リボンがオシャレの一環だと捉えられてしまうこともあります。それでもリボンを付けていることに気が付いてもらえれば、なぜ付けているのかを説明することができるので、一概に悪いことではないとも思っています。



 現在、缶バッジのほかにポップや名刺カードを作っています。名刺カードは周知度アップのため動物病院の待合室等に置かせていただいています。イエローリボンドッグの飼い主さんが声をかけられた際に渡して説明しやすくすることを目指したものなので、実際にお散歩中に利用していただきたく思っています。



 同プロジェクトの活動資金は、はじめはスタッフの持ち出しでしたが、コラボグッズや寄贈いただいた品物の物販売上、缶バッジ販売に少しだけ上乗せした利益金等で、赤字が解消するところまで来ました。それでも豊富な資金があるわけではないため、ポップはYellow Ribbon Dogのリンクツリーからご自分でダウンロード(無償)していただくほか、ラミネートしたポップと名刺カードはBASE SHOPにてほぼ実費でお分けしたりしています。



 例外として、迷子犬の掲示板と併せてご協力くださる方には無償でお送りしているほか、同じくご協力いただいている施設(動物病院・ペットサロン・ドッグカフェ等)にはご利用者に手に取っていただけるよう置かせていただいております。



 今後、余剰金が生まれた場合は、保護犬関係のボランティアの方への缶バッジの寄付に使用する予定です。



――今後の展望をお聞かせください。



 将来的には、リボンだけで意味を理解してもらえるようになってほしいですね。一般の方にも知っていただけないとイエロードッグたちは「そっとしておいて」もらえないため、マタニティマークやヘルプマークと同程度認知されることを目指していきたいです。 



 今後はメディアでの紹介ももちろんですが、ペットサロンや動物病院の他、ペットグッズメーカーや銀行、コンビニなどの施設に協力要請してポップなどを置かせてもらったり、小学校・幼稚園での指導に取り入れてもらったりと、多くの人に知ってもらえる活動をしていきたいと考えています。



 また、一般家庭のワンコだけではなく、保護犬の社会化トレーニングに携わるボランティアの方々にもイエローリボンや缶バッジを活用していただきたいと思っています。元保護犬の中には、成長過程で他の犬たちと触れ合うことなく成犬になる子もいます。そのため外界からの刺激に過剰に反応してしまい、トレーニングが必要になることがあるんです。今後イエローリボンの周知度がアップすれば、リボンをつけることで外界からの刺激を極力減らし、トレーニングが順調に進むのではないかと考えています。そしてひいては「保護犬を家族に迎える」という選択肢がより世間に広まるとうれしく思います。



(了)



 黄色いリボンをつけていないワンコでも、飼い主さんの許可なく急に近づいたり、触ったりして驚かせてしまうことは控えるよう配慮すべきことです。そして、リボンをつけた「イエローリボンドッグ」はその配慮にプラスアルファの気配りが必要な子たち。その事実が幅広く世間に認知されることが、ワンコたちの幸せな未来につながるのではないでしょうか。



画像提供:ネコロス(@youyakuya)さん



取材協力:Yellow Ribbon Dog


このニュースに関するつぶやき

  • …ンな下らねー事より散歩中のクソ放置しくさるバ飼い主共がゴキブリみてーに湧いてるのを何とかしろや(唾棄
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  • 何でもかんでも押し付けないでくれ…
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