スターと若手の二極化が進む? 日ハムの“ノーテンダー”選択を東尾修が解説

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2021年11月27日 07:00  AERA dot.

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写真東尾修
東尾修
 来季に向けて動き始めたプロ野球。西武ライオンズの元エースで監督経験もある東尾修氏が、「ノンテンダー」のメリットとデメリットを説明する。


【写真】オリックスのエース・山本由伸
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 日本シリーズが今月20日から始まる。オリックス、ヤクルトという、今年両リーグで一番強かった2チームの対戦となった。どちらが勝つかなんて予測すらできない。


 ただ、オリックスの絶対的エースの山本由伸にどうヤクルトが対するか。2試合は先発で来るであろう相手を1試合でも崩せるのか。継投が強みのヤクルト救援陣がしっかりとリードした試合を勝ちきれるか。投手目線で言えば、そうなる。



 山本由伸に高卒2年目の奥川恭伸をぶつけるのかどうか。奥川はストライクゾーンでどんどん勝負する投手。リードを奪う展開なら、その特長が生きる。どう奥川を使うのかも注目したい。


 他の10球団はすでに来季に向けて始動している。広島の鈴木誠也はポスティングシステムでの大リーグ挑戦を表明した。五輪日本代表の4番バッターが抜けるのはさみしいが、今の野球界は入れ替わりが激しい。各球団は新たなチーム内の競争を強化し、新たなスターを発掘していく。育成力のない球団は、どんどん後れをとる時代に入っている。


 その「競争力」「育成」という点でシビアな一面が見えたのが、日本ハムの3選手の自由契約である。日本ハムは11月16日、海外フリーエージェント(FA)権を保有する西川遥輝、国内FA権を保有する秋吉亮、大田泰示を自由契約とすることを発表した。


 稲葉篤紀GMは「3選手と来季以降について協議した結果、選手が取得した権利を尊重し、ノンテンダーとすることを選択した。選手に制約のない状態で、移籍先を選択できることが重要と考えた結果」と説明したが、「ノンテンダー」とは、なじみの薄い言葉だ。


 ノンテンダー(テンダーは提出、申請の意)とは、大リーグにおいて球団が来季の保有権を放棄してFAとなること。ここでいうFAとは、日本の場合は自由になるということだ。球団が高年俸で引き留めを行わなければ、3選手はFA権を行使しないと、他球団に移籍できない。しかし、高年俸の選手ほど、移籍には補償(人的補償や金銭補償)が伴い、他球団は手を出しにくい。そういった制約をつけずに、交渉してもらうとの親心を示した形だ。



 今後、こういった形をとる球団が多くなると、「スーパースター」と「若手」の二極化が進むことになろう。「費用対効果」が薄いと判断されれば、いつでも放出対象になるということだ。これは「移籍活性化」という観点から言えば歓迎だろうが、12球団しかない日本。大リーグ30球団とは規模も違うし、どこまで活性化するかは疑問である。「クビ」の要素が強くなれば、選手会だって問題視することになる。


 ここまで何度も指摘してきたが、「主力9人野球」という時代ではなくなった。支配下選手の特長をうまく組み合わせ、チーム力を最大化する時代となった。とはいえ、西川は今年の盗塁王でもある。行き過ぎのような気もするが。選手の立場を守ってあげることとのバランスを取ることも球界にとって大事である。


東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95〜2001年)に2度リーグ優勝


※このコラムは11月20日より前に執筆されました。

※週刊朝日  2021年12月3日号


このニュースに関するつぶやき

  • フロントは12球団でもワーストレベルの糞やぞ!
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  • ハムにはそもそもスーパースターおらんやん…全員出て行ったら近藤くんに全部背負わせる気か?
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