かまいたち濱家や錦鯉・渡辺など続々…「痛風芸人」が新しいジャンルに!?

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2021年11月27日 11:30  AERA dot.

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写真かまいたちの濱家隆一(左)と錦鯉の渡辺隆
かまいたちの濱家隆一(左)と錦鯉の渡辺隆
 最近、芸人の間で話題になっている病気がある。痛風だ。流れを作ったのは、いま売れに売れているお笑いコンビ、かまいたちの濱家隆一(38)だろう。以前から痛風エピソードをテレビなどで披露していたが、1月にYouTubeチャンネルで「かまいたち濱家が10回以上発症してきた痛風について全て話します!」と題し、その壮絶な病状を約20分に渡って力説した動画がバズった。この動画は460万回以上再生され、芸能メディアが取り上げたことでさらに広まっていった。


【写真】昨年、コロナと痛風の両方の「激痛」を経験した芸人はこの人
「痛風」は尿酸の血中濃度が高くなるなどの理由で、足の指などに腫れや痛みが生じる病気。突然、激痛がやってくることで知られるが、28歳で最初に発症したという濱家はその後も年間1〜2回のペースで痛風の症状が出るという。以降、バラエティー番組などで「痛風5カ所同時爆発」や「薬を毎日50錠飲んでいた時期もある」など衝撃エピソードを告白し、一時期、濱家にとって「痛風ネタ」は定番となった。


 濱家だけではない。昨年のM−1ファイナリストとなり一躍人気者の仲間入りを果たした漫才コンビ、錦鯉の渡辺隆(43)も最近は痛風エピソードで笑いをとっている。10月27日に放送された「ネオバズ!! 2分59秒」(テレビ朝日)で痛風をテーマにスピーチ。芸人のコウメ太夫との共演NGについて語ったが、その理由が「コウメ太夫の『チャンチャカチャンチャン』のチャの1個1個が全部足に響く」から。また、痛風仲間とモツ鍋屋にいく際は、「おい、明日お前死ねるか?」と覚悟を確かめるといい、共演者を沸かせた。


 一方、5月にはマテンロウのアントニー(31)も痛風の症状が出たことを自身のYouTubeチャンネルで告白。「ずっと野球の硬式ボールを親指に投げつけられてる感じ」と激痛ぶりを振り返り、「歩く歩かないじゃない。寝てても痛すぎて寝られない。もう『死ぬ』と思った」と語っていた。また、昨年インスタグラムで「イラスト痛風日記」を“連載”していたのはガリットチュウ福島善成(44)。痛すぎて眠れないエピソードや、妻に座薬の鎮痛剤を入れてもらおうとお願いしたら即拒否された話など、痛々しいエピソードが注目を集めた。



 このように痛風をネタにする芸人は数多いが、実はこれまでもさまざまな芸人が痛風に悩んでいる。なかでもさまぁ〜ずの三村マサカズ(54)は有名だ。10年以上、痛風に悩まされ番組を急きょ休んだり、激痛を押して収録する姿も放送されてきた。ほかにもケンドーコバヤシや陣内智則などが、痛風をネタにしている。


 一部では“美食家のぜいたく病”とも呼ばれる痛風だが、なぜ芸人に多いのか。ある若手お笑い芸人はこう説明する。


「芸人はまずお酒を飲む機会が多い。先輩との人脈づくりやスキルアップのために若手の時から芸人同士で飲みに行くのは当たり前。打ち上げの飲み会もライブとセットになっています。売れれば売れるほど、舞台やテレビ出演の機会も増え、必然的に外食や飲み会の回数も増えてきます。結果、舌が肥えた食通になり、さらに暴飲暴食を続けていくことになります。忙しくなればとくに独身芸人の場合、不摂生になりがちです」


■現代版「飲む・打つ・買う」なのか


 一方で、お酒以外の原因を指摘する声も。民放バラエティー番組プロデューサーはこう分析する。


「理由は2つあると思います。まず、芸人さんに限らず、テレビマンや放送作家も痛風の人は多い。不摂生や暴飲暴食以外の理由として考えられるのはストレスの影響です。テレビ制作の現場は演者も含め、ものすごく大きなプレッシャーがかかります。また芸人さんの場合、ネタがすべったり、露出が減ると心理的にすごく大きな負荷がかかる。お笑い芸人がこれだけ多い昨今、売れている芸人さんでもなかなかリラックスできる状況にないのです。もうひとつは、昭和の芸人の定番ネタだった『飲む・打つ・買う』の武勇伝が昨今のコンプライアンス強化で使いづらくなったこと。借金取りに追われながらギャンブルする話や、愛人を何人も囲って妻から叱られる、といった話は視聴者からも嫌われます。こうしたなか、自身の不摂生や暴飲暴食による痛風自慢だけは、芸人としての豪快さをアピールでき、かつ笑いにも繋がりやすい」



 お笑い評論家のラリー遠田氏は言う。


「本来、病気というのはデリケートな話題ですが、痛風は一種のぜいたく病と世間では認識されており、飲みすぎ食べすぎが原因でなるものだというイメージがあるので、芸人がネタにしやすいのだと思います。芸人が病気のことを話すと、笑いを交えながらも『こんなふうにならないように皆さんは気をつけましょう』と健康への意識を高める効果もあります。病気ネタは面白くてためになる一石二鳥の優良なコンテンツという見方でもできます」


 痛風の予防や啓発に一役買っているとしたら、歓迎すべき流れかもしれない。(黒崎さとし)


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