大河ドラマ初出演「うれしさの反面、プレッシャーを感じる日々でした」大島優子(伊藤兼子)【「青天を衝け」インタビュー】

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2021年11月27日 12:10  エンタメOVO

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写真伊藤兼子役の大島優子
伊藤兼子役の大島優子

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「青天を衝け」。愛妻・千代(橋本愛)を失った主人公・渋沢栄一(吉沢亮)は、悲しみから立ち直れぬまま、周囲の勧めを受けて再婚することになる。その再婚相手となるのが、伊藤兼子だ。自身も波乱の半生を歩んだ後、後妻としての苦労を乗り越え、栄一と添い遂げる兼子を演じるのは、これが大河ドラマ初出演となる大島優子。ドラマの見どころや撮影の舞台裏などを語ってくれた。




−大河ドラマ初出演が決まったときの気持ちは?

 連続テレビ小説「スカーレット」が昨年の3月頃終わり、こんなに間もないタイミングで大河ドラマのお話を頂くとは予想もしていなかったので、すごくうれしかったです。ただ、ラストスパートのタイミングで登場する重要な役だと分かった途端、急に怖さがあふれてきて、うれしさの反面、とてもプレッシャーを感じました。

−伊藤兼子とはどんな人でしょうか。

 裕福だった家業が落ちぶれてしまい、妹たちを養うため、一度は覚悟を決めて芸者の道に進んだものの、そこでまた話が転じて、後妻として渋沢家に入ることになります。しかも、相手は大物実業家の渋沢栄一で、1年前に愛妻の千代さんを亡くしたばかり。そんなふうに人生の波乱が一気に訪れるんですが、それを全て「私はそういう運命なんだな」と受け入れ、さらに大きな覚悟を持って進んでいく。そう考えたら、肝が据わっているというか、全てを自分の中に落とし込むことのできる女性の強さみたいなものがある役だなと思いました。

−とはいえ、最初は渋沢家になじむのに苦労するようですね。

 渋沢家に入ったばかりの頃は、かなり心が折れていたと思います。家族になじめず、子どもたちにもいい顔をしてもらえないわけですから。でも、それは当たり前のことなので、「自分からなじんでいかなきゃ」と努力したんだろうなと。

−兼子が渋沢家になじんでいく上では、栄一の娘・歌子の存在も大きいそうですね。

 千代さんが亡くなった後、渋沢家を支えていた歌子が、家になじめない兼子に寄り添い、何かとフォローしてくれたことも大きいと思います。歌子役の小野莉奈ちゃんとは一緒のシーンも多いので、いろんな話もしましたし、すごくかわいらしく隣にいてくれるので、本当に自分の娘みたいです(笑)。

−恋愛感情がないまま、家庭の都合で結婚したという事情にも兼子は悩むそうですが。

 最初はそれも覚悟して渋沢家に入ったと思うんです。でも、気付くんですよね。「やっぱり、思いがないと、私やっていけない」って。その気持ちを栄一さんにぶつける場面もあります。千代さんを思い続けることや、私が家政を引き受けることは構わない。お仕事のパートナーとして一緒にやっていくのもいい。でも、そこに情がないと、私は耐え切れませんと。そこにすごく人間味を感じました。栄一さんもそれを受け止め、理解してくれることで、ようやくお互いの心が通じ合う。その瞬間があったから、兼子は添い遂げようと決めたんだろうなと。

−夫の栄一を演じる吉沢亮さんの印象は?

 兼子から見たパートナーとしての栄一さんは、いろいろと振り回されることもあって、「放っておけない、やんちゃな子」という感じですが、吉沢さん自身はエネルギーのすごい人です。こちらに与えてくれるエネルギーはもちろん、きっと本人の中に燃えたぎっているものもすごいんだろうなと。そういうものが感じられるから、こちらにも緊張感が生まれますし、自分もそういう吉沢さんの隣にいられるような人間でありたいと思わせてくれる。そういう意味では、すごく気分を盛り上げてくれる方です。

−2人の共演シーンで印象的なものは?

 晩年、2人でアメリカを視察旅行するシーンは楽しかったです。オリエント急行のような豪華列車の客室のセットを作っていただいて1日で撮影したのですが、見た目が年老いていても、兼子と栄一さんがすごく楽しそうなんです。このシーンでは、2人でワクワクしている感じがあって。せりふも楽しそうでしたし。おかげで、いい1日になりました(笑)。

−登場は終盤になりましたが、実際の兼子さんは、千代さんよりも長く栄一の妻として連れ添っています。そういう長い年月を短期間で演じる上で心掛けたことは?

 逐一、監督とお話ししていました。この場面ではどのぐらい年齢を重ねていて、どれぐらいの距離感で栄一さんと歩いているか、どんなふうに顔を見合わせるか。そういう細かいことを全部、監督と相談しながらリハーサルで決めていきました。

−時間を掛けて関係を作っていくのとは違い、苦労も多かったのでは?

 本当にずっと悩み続けていた感じです。「これでいいのかな?」「大丈夫かな?」「合っているかな?」とワンシーンごとに頭を抱えながらやっていました。

−大河ドラマの場合、役作りのために資料を読み込んで人物を掘り下げる方も多いですが、今回はそういった準備は?

 自分なりに調べてみましたが、兼子さんに関する資料はほとんど残ってないんです。だから、その時代に照らし合わせながら役を作っていった感じです。「皆のためにこういうことをするのは、どういう人なんだろう?」とか、「普段、どれぐらい仕事をしているんだろう?」とか、そういうことを一個ずつ積み上げていって。

−短期間でそういうことをするのは、大変そうですね。

 大変です。ただ、情報が少ない反面、自由度は高いので、自分らしい伊藤兼子を作り上げることはできたのかなと思っています。

−最後に、初めての大河ドラマの現場で感じたことをお聞かせください。

 大河ドラマの現場は、他とは違った緊張感があります。スタッフさん全員がプロフェッショナルなので、1ミリたりとも気が抜けませんし。1人の人間の感情を表現する上でも、時代背景を踏まえてその時代に生きていた人のことを想像しながら、共演者の方々の反応など、全てを敏感に感じ取りながらやらないといけません。常にそういうものを意識しているので、楽しいですし、やりがいがありました。

(取材・文/井上健一)

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