フリマサイトの人気商品「使いかけのコスメ・香水」の“ヤバすぎる転売”の裏側

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2021年11月27日 13:00  週刊女性PRIME

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「ちょっと飽きた香水に5000円の値段が付いた」
「お土産でもらって試してみただけのファンデーションが3500円で売れた!」

 誰でもいくつか持っている使いかけの化粧品は、いまやフリマサイトの人気商品だ。

中古品売買は成長市場

 個人売買とはいえ、人が使ったものでもちゅうちょなく購入して使える――古着人気などから始まったリサイクル文化もここまで来たか、と思える話だが、いまや世の中には使用済みコスメでも積極的に買い取るお店さえ増殖中。ネットなどでも広告をよく見るようになっている。

 新品以外を扱う「二次流通市場での化粧品/コスメの取引が増加しており、メルカリにおける化粧品/コスメの購入数も2014年〜2020年の7年間で約12.4倍にも拡大しています」

 と、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授の山口真一氏。

「新型コロナウイルスが猛威を振るう中、店頭でサンプルやテスターを試すことができなくなったこともあって、通販で安くお試し購入できる二次流通の重要性が高まっていると推測されます」

 山口准教授は分析する。

 これは化粧品コミュニティサイト @cosme(アットコスメ) を運営するアイスタイルが行った調査結果を分析したコメントだが、同調査によれば、二次流通ツールを利用したことがある人はなんと5割強、さらにその5割以上は化粧品の購入経験があるという。

「購入した」と答えた人が、その理由に挙げるのは「少しでも安く買いたいから」「その化粧品を試したいから」「もう売っていなくてどうしても欲しかった」など。

 手軽な値段で購入し試してから、新品を買うという使い方が目立つ。新型コロナの影響で店舗からテスターが消えたことも、確かに大きな理由と考えられる。

ただし、二次流通には怖い一面も。

フリマサイトでのやり取りがトラブルにつながったり、中には使用期限や開封時期を偽って出品しているケースもある。

 そしてさらに謎が多いのが、急増中の買い取り業者たちだ。

 以前から未開封品を買い取ってくれるところはあったが、アプリやWebサービスの普及とともに「中古品でも大歓迎」という業者が目立つようになってきた。ところが未使用品を扱う業者とはまるで違うようなのだ。

 ほとんどすべての業者は実店舗なし。買い取りはWebで依頼を受け、客に商品を郵送させ、それを査定。買取額を提示し、振り込みがされて売買終了となる。連絡先として記載されている電話もほとんどがスマホなどの電話番号だ。

 ところが、ネットでの口コミなどが多いところを選んで3〜4軒ほどに連絡してみたが、どこも呼び出し音が鳴るだけで留守電にさえならない。

 さすがに不思議に思って、化粧品や香水の流通事情に詳しい美容関係者のNさんを通じて、付き合いのある業者の方を探してもらったところ、匿名を条件に内幕を話してくれた。

外側は本物だけど……

 出てきた話は驚くべき内容。「買い取った化粧品や香水は99%個人売買サイトへ出品する。中身はどうでもいい。入れ替えるので」というのだ。

 買い取った香水の中身は捨ててしまうので、どれくらい残ってるかや開封時期はたいした問題ではない。大切なのは、外見が「どれくらいキレイで新しく見えるか」

 フレグランス・香水なら大事なのは中身だろう、という常識は通じない。

 本物を捨ててしまった後に、同じような香りのずっと安価なものに入れ換え、限りなく未使用品に近いおトク商品として販売するからだ。

 実は、香水の成分などはもはや秘密でも何でもない。

 比較的たやすい分析で明らかになるから、同じようなものを作るのはそれほど難しくない。しかも、その背景にはそれを単純に偽物だと決めつけられない事情もあるという。

「コンビニなんかのプライベートブランドと変わらないよ」

 中古コスメ買い取り氏はそんな風にうそぶく。

「大手メーカーの商品と同じものが別のブランドで、ちょっとばかり安い値段が付いてるよね。その分、品物が良くないのかといえばそんなことはない。

 当たり前だよ、だって同じ工場で作られているんだから。パッケージとブランドのロゴを替えただけで、中身はまったく同じでしょ? 香水だって、化粧品だっていっしょよ」

 結局、中古買い取り業者は、ネットでかき集めた香水で「セドリ」をしているのだという。これはもともと古本業界の隠語で「掘り出し物を転売して利ざやを稼ぐ」ことだ。

 フリマサイトに個人アカウントで登録して中古の商品販売をするのには、いくつかのメリットがある。

 まず、第一に個人間売買で商品価格が30万円以下なら非課税、つまり税金がかからない。また、コスメなどの偽ブランド品の流通には、メーカーが厳しいチェック体制を敷いているというのがほとんどだ。

買取業者の闇

 しかし、一旦、中古として使用されてしまえば、そのチェックから外れる。摘発されることも告発される心配もなくなるわけだ。

 ただし、完全に法律違反であることは間違いない。

 たとえ個人であっても、中古品を買い取って販売するためには古物商免許が必要だが、買い取りだけなら必要ない。そこで販売専門用に名前を変えて、ネットオークションやフリマで香水を売りさばいても、それは個人が自分の持ち物を売っているだけという建前だから特別な条件は何もない。

 だが、実は買い手と売り手が一緒だとすれば、古物営業法違反となって懲役3年以下または100万円以下の罰金などが課せられることになる。

 いずれにせよ、業者に買い取ってもらった使いかけの香水はブラックマーケットに直行、の可能性は高い

 そして、これまで「おトクだ!」と喜んでいた買い手の方にも被害は広がっていく。

 すでに社会的に広く認知され、取引ルールや健全性が急速に整いつつあるオークションサイトやフリマサイトにさえ、このような業者が少なからず入り込んでいる。

「ブランドものの香水やコスメ、それも各種ブランドの中古品を多量に出品できる個人なんているはずない。みんなどこかでかき集めてきたものばかり。セミプロが荒稼ぎしているくらいは、少し想像すれば誰にでも分かります」

 しかも掘り出し物と喜んで購入したものの、本物は外側のビンやパッケージなどだけで、大方は中身は真っ赤な偽物ということになる。

 もしそんな被害の当事者になりたくないなら、フリマで気になる出品を見つけたとしても、最低でもいくつかのポイントを確認しておいた方がいい。

 使用回数や購入時期、購入場所は必須条件。もちろん、出品者についても同じ。評価や同じものを大量に出品していないかをチェックするのは基本中の基本といえる。

 たとえば、「評価0」などという出品者は、運営側からアカウントの停止をくらっては新たに登録をくり返すというイタチごっこをしている業者の可能性が大きい

「ネットの普及で一般の人たちが手軽に個人売買に手を出せるようになってきたから、我々が商売できるようになってきたんだよ」とは買い取り氏の言葉。

 ITの拡大で便利さがどんどん拡大する裏では、うごめく闇も急速に大きくなっているというのだ。

<購入前チェックポイント>

 ネット購入の前には一度チェックリストを確認してみよう。魅力的な値段や画像に騙されずに一度冷静になれば、偽物の購入は避けられる。

・価格設定が明らかにおかしい
 (新品未使用/未使用同然なのに安すぎる)
・出品者の評価が0か極端に低い
・同じものを大量に販売している
・正規代理店を名乗っている
・購入元が明示されていない
・製造番号(シリアルナンバー)が分からない

 これらに当てはまる場合、商品が偽物の可能性も。フリマアプリは出品者とのやり取りができるので、気になる事があれば問い合わせてから購入するべきだ。

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