STANLEY有利も「まだチャンスはある」と各ライバル。6番手ARTA、4番手auが考える逆転王座への道筋【第8戦富士GT500予選】

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2021年11月27日 21:10  AUTOSPORT web

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写真2021スーパーGT第8戦富士 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)
2021スーパーGT第8戦富士 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)
 いよいよ、2021年のチャンピオン獲得に向けた最終決戦が始まったスーパーGTのGT500クラス。ENEOS X PRIME GR Supraがポールポジションを獲得し、逆転王座へ望みをつなげたのだが、ランキング首位のSTANLEY NSX-GTが2番手につけ、予選後のパドックは「1号車が俄然有利になった」という雰囲気が、より色濃くなっていた。

 しかし、逆転チャンピオンを狙うライバルたちは、もちろん、まだまだ諦めてはいない。それぞれの手応えと意気込みを持って、明日の決勝レースに臨もうとしている。

●8号車ARTA NSX-GT 予選6番手
 まずは第6戦、第7戦と2連勝を飾り、トップから5ポイント差のドライバーズランキング3番手につけているARTA NSX-GTの野尻智紀と福住仁嶺。朝の公式練習ではトヨタ勢が速さを見せるなかで3番手に食い込むパフォーマンスをみせていた。

 予選では、しっかりとQ2進出を果たし6番手と悪くないポジションにつけたものの、Q2アタック担当の福住は、少し落胆した様子をみせていた。

「今回はトヨタ勢が速くて、楽にはいけないなと思っていましたけど、予選が始まってみれば五分五分くらいで競り合えていたと思います」

「そのなかで1号車はうまくまとめられたなという印象で、僕たちはコンマ何秒かQ1から足りていないところがありましたし、Q2に関しても僕自身ドライビングを合わせきれていなかったです。自分に対してガッカリな予選だったので、明日はしっかりと取り返したいなと思っています」と福住。

「余裕もまったくないし、どちらかというと崖っぷちに近い感じではいます。でも、終盤戦で挽回してきた力も今の僕たちにはあります。1年間やってきたデータを活かして、明日に向けて備えるしかないです」と続ける。

 クルマのセットアップが抜群に良かったというわけではなかった8号車だが、相方の野尻は、決勝での逆転に向けて、かなり前向きな様子だった。

「朝の走り出しからそんなに悪くはなかったのですけど、すごく細かいところで荷重の乗り方が今までと違うと感じるところがありました。それが予選でも少し残っていたので、パフォーマンスとしては今一歩足りなかったのかなと思います。でも、決勝に向けて考えれば、このポジションは十分なのかなと捉えています」

「1号車も当然速いでしょうし、スープラ勢も速そうなのは14号車(ENEOS X PRIME GR Supra)だけではないですからね。朝のロングランを見ても、僕たちはライバルと比べてコンマ3〜4秒足りないかなという印象でしたが、直すべきところは分かっているので、そこが良くなれば決勝では十分狙えると思います」と野尻。

「結局は、そこでしっかりと修正して、きちんとパフォーマンスを上げられるところがチャンピオンになると思うので、ドライバーの力だけではなく、すべてを整えてチャンピオンを獲りに行きたいです」と前向きに語る。

 すでに全日本スーパーフォーミュラ選手権のタイトルを手中に収めている野尻。そこでの経験もあってか、逆転王座のためにはライバルを上回るレースペースが必要だと語った。

「自分たちの決勝ペースが周りより速くないと、タイトルまでに辿り着かない。まずは周りよりも良いペースで走って、状況に応じて、どう対処できるか……。単純に速くて強い人が勝つというのがレースだと思うので、そこに僕たちのパフォーマンスを持っていきたいなと思います」

●36号車au TOM‘S GR Supra 予選4番手
 トップから16ポイント差のランキング5番手につけるau TOM’S GR Supraは、予選4番手につけた。逆転タイトルのためにも、優勝することがほぼ必須条件となっている36号車にとっては決して悪くはないポジションなのだが、Q2のアタックを担当した坪井翔は予選を終えて悔しさを滲ませていた。

「朝から調子は良かったので、ポールを狙える位置にいたのかなと思いますけど、残念ながらそれが叶いませんでした。しかも、ポールを獲ったのは同じスープラで、ランキング首位の1号車にも前に行かれていまいました。4番手という良いポジション以上に、失ったものが大きいというか、ちょっと残念な予選になってしまいました」

 ただ、決勝ペースについてはかなり自信を持っている様子の坪井。ライバルのポジションを気にすることなく、純粋に優勝だけを狙っていくと意気込みを見せた。

「シンプルに勝つだけだと思っています。僕たちは勝てばチャンピオンの可能性はまだありますが、ほかのクルマの順位次第なところもあるので、そこを考えても仕方ありません。36号車としても今年勝てていないですし、第2戦の富士では4番手スタートから良い走りができていたところでリタイアしてしまいました。今回も同じ4番手スタートなので、今回は第2戦で獲れなかったものを必ず獲りに行くという気持ちで明日も頑張りたいと思います」

「あと、僕たちは今年ほとんどのレースでスタート位置から順位を上げてゴールしています。そういった意味では、決勝ペースについてはすごく自信を持っていますし、朝のロングランでも速いペースで走れていたので、十分にチャンスはあるかなと思っています」

●17号車 Astemo NSX-GT 予選10番手
 同じ富士スピードウェイで行われた第2戦を制し、現在はトップから8ポイント差のランキング4番手につけるAstemo NSX-GT。朝の公式練習から苦戦気味で、予選も10番手に終わってしまったが、ベルトラン・バケットは最後まで諦めずに攻め続けると宣言した。

「朝のセッションから苦労していて、ドライブするのが難しいようなクルマの状況だった。なぜ、そうなっているのか、今日の夜にしっかりと原因究明をして、明日の決勝にはより良い状態で臨みたいと思っている」

「これは“スーパーGTのレース”だから、決勝では何が起きてもおかしくない。おそらく明日も気温が低いから序盤はタイヤが温まりにくいと思う。そこでリスクを背負ってでも全開で仕掛けていって、少しでもポジションを上げたいと思っている」

「繰り返しになるけど、スーパーGTでは何が起こるか分からない。まだ僕たちにも可能性はあると信じているから、まずは決勝に向けてベストな状態にマシンを仕上げて、レースが始まったら、諦めずに最後までいくだけだ」

 それぞれチャンピオンを獲得したいという想いは人一倍持っているのだが、用意されている王座はひとつだけ。1号車がこのまま逃げ切るのか、それともライバルが奇跡の逆転を果たすのか。明日の決勝は序盤から動きの多いレースになりそうな予感だ。
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