マイホームは「子ども部屋なし」がトレンド?! 勉強部屋に風呂なしアパートを借りる賢い選択

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2021年11月28日 10:00  AERA dot.

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写真写真はイメージです(Getty Images)
写真はイメージです(Getty Images)
 晩婚化に伴い、マイホーム購入の平均年齢が上がっている。金融機関が貸してくれる時代とはいえ、ローンは早めに完済したほうがベターだ。それでも人生は予期せぬことが起こりうるもの。リアルな事例や最近の不動産事情を探った連載「それでも夫婦は東京に家を買う」。今回は、20代で計画的に戸建てを購入した夫婦の事例を検証する。


>>【前編:家を買うのが早すぎた?「子ども部屋を見ると悲しくなる」 戸建て購入37歳共働き夫婦の後悔 】を読む


*  *  *
<30代後半Aさん夫婦のケース>
10年前に27歳で神奈川県の郊外の住宅地に戸建てを購入。広さを優先した分、利便性は犠牲にして通勤は片道1時間半かかる。ローンの返済は順調だが、予想外だったのが、がんを患ったこと。子どもが授かりにくくなってしまい、せっかく作った子ども部屋を使用する予定はないという。


◆ 80歳までローン返済…早い段階で購入することは“正解” 
 


 Aさん夫婦の事例をライフプランという視点から考察してみよう。ローン完済までの余裕が生まれ、返済計画も安定しやすいことから、早い段階で家を購入すること自体は間違っていない選択だ。


 今は晩婚化の影響もあり、家を買う年齢が上昇傾向にある。最新の住宅市場動向調査(令和元年度・国土交通省住宅局)によれば、初めてマイホームを購入する人(一時取得者)の平均年齢は、注文住宅が39.1歳、分譲戸建住宅が36.8歳、分譲マンションが39.4歳、中古戸建住宅が42.8歳、中古マンションが44.8歳と、40歳前後。これに伴い、住宅ローンの完済年齢も上がっており、以前は最長70歳までが一般的だったところが、現在は最長80歳まで延長して設定している金融機関が増えている。


仮に40歳で家を買うとなると、35年ローンを組めば完済が75歳と定年退職後の年齢になる。大手不動産会社出身で、住宅購入における資金計画に詳しいファイナンシャルプランナーの飯田敏さん(FPフローリスト)は言う。



「家の購入年齢が上がるに伴い、一昔前までは住宅ローンを『遅くとも65歳には完済したい、できれば60歳までに返したい』という人が多かったのが、最近は『遅くとも70歳には完済したい、できれば65歳までに返したい』に変わってきています。借入額を増やすためにも、35年の最長期間でローンを組む人が多いですが、繰上げ返済を計画的にしていくことで、なるべく現役のうちに完済することを目指す人が多い」


 また、Aさんのように病気になるのも、誰しもが抱えるリスクだ。銀行で住宅ローンを借りて家を買う場合には、債務者が死亡または高度障害に陥ったときに返済が不要になる団体信用生命保険(以下、団信)に加入する必要がある。通常の団信は、病気にかかったときの保証はないが、がん、脳卒中、急性心筋梗塞の三大疫病型特約付の団信や、三大疫病に重度慢性疾患を加えた八大疫病型特約付など、病気や怪我を保証する団信のバリエーションが広がっている。


なお、多くのがん団信の加入上限年齢は、46歳以下と設定されている。Aさんの場合、債務者が死亡または高度障害に陥ったときのみの通常型の団信加入であったために保険金の支払い対象とはならなかった。仮にがん団信に加入していたら、がんと診断された時点で、団信に加入している保険会社からローンを借りている銀行に保険金が支払われ、ローンの債務がゼロになっていただろう。


「まさか自分が病気にかかるなんて思いもしなかった。あの時、がん団信に加入していたら……と、どれだけ悔やんだか分かりません」(Aさん)


◆ 自宅は子ども部屋ナシ 勉強部屋を借りる世帯も


 飯田さんは、早い段階で購入に踏み切ったAさんの選択自体は「良い選択だった」としながらも、“妊娠前から子どものための部屋を構える”という点については「少し早まったかもしれない」と指摘する。


「リスクの想定は線引きが難しいですが、想定外のことが起こるかもしれないという可能性を踏まえると、『必要が生じたときに、必要に応じて動く』という視点のほうが『こんなはずじゃなかった』ということになりにくい。病気にかからずとも、子どもを授かれないという例も珍しくありません。また結婚することを前提に新居を購入した人が、実際は結婚に至らなかったというケースもままあります」



 この「必要が生じたときに、必要に応じて」という観点は、不動産の視点に置き換えても応用が効く。例えば「子ども部屋」について。「子どもに個室が必要な期間というのは、意外と短い」とは前出の後藤さんだ。小学校低学年のうちは、個室があっても、家族のいるリビングで宿題をするケースも多いことや、大学入学を機に一人暮らしをする例も少なくない。


 仮に小学3年生から高校卒業までが個室が必要な期間とすると、合計10年だ。都心では50〜60平米の空間で、家族3〜4人が暮らす例も珍しくはない。この10年のために、限られた空間の中で子ども部屋を設けるかどうか悩む人も多いという。これまで6千件を超える不動産取引を行ってきた不動産コンサルタントの後藤一仁さんは次のように言う。



「今はその辺りを合理的に考えて、子どもの勉強部屋用に、自宅近くのアパートの一室を賃貸で借りるケースも見られます。勉強用に借りる部屋ですから、狭くて風呂なしでも十分。また子ども部屋が必要な期間だけ、自宅を定期借家として人に貸して、家賃を元手に家族全員で広めの賃貸住宅に移るというケースも少なくありません」


 多くの人にとって、人生で一番高い買い物とも言える住宅購入。想定通りに事が進むことばかりではないのが人生だが、家の選び方や買い方には思わぬ落とし穴もある。後の人生を左右すると言っても過言ではない住宅選びだからこそ、後悔しないためのコツを身につけておきたい。(松岡かすみ)


>>【前編:家を買うのが早すぎた?「子ども部屋を見ると悲しくなる」 戸建て購入37歳共働き夫婦の後悔 】を読む


このニュースに関するつぶやき

  • 「子供部屋」「夫婦の寝室」 =>「夫の寝室」「妻の寝室」 子供が出て行っても、夫婦円満で暮らせるんじゃないの?
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  • アタクシ、生涯でローン組んだの32GT-Rを20歳で買った時だけだ(笑)。6年ローン組んだけど結局繰越金払いまくって2年弱で返した。
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