日本人はもてなし上手じゃない? サコ学長の新著『まだ、空気読めません』

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2021年11月28日 11:30  AERA dot.

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写真ウスビ・サコ
ウスビ・サコ
 ライター・永江朗氏の「ベスト・レコメンド」。今回は、『ウスビ・サコの「まだ、空気読めません」』(ウスビ・サコ、世界思想社 1650円・税込み)を取り上げる。


*  *  *


 オリンピックを東京に招致するとき、宣伝文句のひとつが「おもてなし」だった(事故を起こした原発はアンダーコントロール、というのもあった)。自分たちはもてなし上手だと多くの日本人が信じている。でも、それは自分勝手な思い込みかもしれない。


『ウスビ・サコの「まだ、空気読めません」』は、京都精華大学学長による愉快なエッセイ。サコ学長はアフリカのマリ共和国出身で、日本在住30年。2002年に日本国籍を取得したマリ系日本人である。京都大学大学院に留学してから今日まで、日常のさまざまな場面で文化の違いに遭遇してきた。そのつど著者は「なんでやねん」とツッコミを入れる。


 読んでいて象徴的だと思ったのが「おもてなし」について。著者は30年前、とある老夫婦の家に2泊3日でホームステイした。1日目の昼は寿司屋に、夜は大量の鍋料理、2日目の朝は和洋2種の朝食と、たいへんなおもてなし。では、それでサコ青年は嬉しかったかというと微妙。寿司屋で出てくるタコ・イカ・イクラは苦手なもので(でも頑張ってのみ込んだ)、朝食もダブルで出されるなんて。


 老夫婦は高級旅館並みに接待するのが「おもてなし」だと思っていたが、サコ青年が期待したのは普通の日本の生活を体験することであり、老夫婦との会話だった。だってホームステイだもの。老夫婦のもてなしは、相手を思ってではなく、自己満足のため(とまで著者はいわないけれど。でも、そうだ)。


 郷に入れば郷に従え、という人もいる。でも、そのためには郷のルールを外から来た人にわかりやすく論理的に説明すべきだと思う。

※週刊朝日  2021年12月3日号



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このニュースに関するつぶやき

  • 久しぶりに来た孫に対するように、稀人には過剰接待になるもんだと思う��������おもてなしが上手いんじゃなくておもてなしの心で対応しますよって事だと理解してたんだけど…
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  • 東京五輪誘致で「おもてなし」と言っただけで、「日本人はもてなし上手」なんて言った人なんていないと思うけど。
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