＜ブラック企業勤めの25歳＞【前編】泣きながら「仕事を辞めたい」と電話してきたわが子を突き放した

わが子は成人して大人になっても可愛いもの。「つらいときには支えてあげたい」と願う親もきっと多いはず。けれども、「突き放して強くなってほしい」と思う場面もあるでしょう。今回の相談者さんは、「頼ってきた子どもを突き放した」と話すママです。

『25歳の娘から泣きながら電話がかかってきました。「ブラックな企業で仕事がつらく、彼氏とも別れ、会社の人間関係も良くなく、1年頑張ったけど、毎日がつらい」と。「仕事を辞めて実家に帰りたい」と泣きながら言われました。

でも私も仕事をしていますし、夫とも別居。自分の生活ペースを乱したくありません。そのため娘のお願いを拒否をしたら言い合いになり、「じゃあ、お母さんが将来困っても助けない！　もう電話をしてくるな！」「お姉ちゃんのことは受け入れたくせに！　きょうだいで差別だ！」と言われて電話を切られました。（※補足ですが長女が子連れで出戻ってきたときに、1年ほど実家に帰らせました）

もっと次女に寄り添った言葉をかけてあげれば良かったかな……と後悔もしていますが、子どもとはいえ仕事を辞めて病んでいる人に転がり込まれるのは嫌です。私は冷たいですか？』

泣いて電話をかけてきたお子さんを、「家に来られても迷惑だから」という事情で突き放した相談者さん。「私は冷たいですか？」という問いに、ママスタコミュニティにいるママたちからは「冷たいどころではない」と非難が殺到してしまいました……。

「さすがにひどいのではないか」同じ母親として娘さんを心配する声多数

泣いて助けを求めてきた娘さんの状況を考えると、肉体的にも精神的にも良くない状態であることが想像できます。けれども心配するでもなく、話を聞くわけでもなく突き放した相談者さんの行動は、ママたちからの非難の的になってしまったようです。

『病んでいるってわかっている自分の子どもをよくも突き放せるな。しかも自分だけの都合で』

『ちょっとひどいかなぁ。自殺でもしたらどうするんだろう。子どもが大きくなると、わずらわしく感じるのはなんとなくわかる。でも助けてほしくて連絡してきているから、「しばらく帰って考えなさい」って私なら言うかなぁ』

『相談者さんみたいな親に電話してくるってよっぽどだよね。「どうせうちの親は助けてくれない」って長年見てればわかるのに電話してきたんだから、相当追い詰められていると思うけれど』

一人での生活が長いことからお子さんを煩わしく思う相談者さんの気持ちも理解されないわけではありません。しかしお母さんに助けてほしくてすがったお子さんの気持ちも、親なら痛いほどわかりますよね。ママスタコミュニティには、相談者さんよりもお子さんに寄り添ったコメントが数多くありました。

子どもの立場だったら、どう返されたら救われる？

きっとお子さんは、お母さんに助けてもらうことを期待して連絡をしてきたのでしょう。助けてくれないまでも、話を聞いてほしいという気持ちがあったはずです。

『私もつらいなーと思っていた時期があって、でも何も言ってないのに言われた、親や祖母の「帰りたくなったらいつでも帰っておいで」って言葉は支えになったし、お守りみたいだったわ。親ならもう少し優しい言葉かけてあげてほしい』

筆者も社会人となり最初に就職した会社が、過酷な職場でした。わずかな残業代にもかかわらず仕事が多く、終電で帰れないことも、休みを返上して仕事をしなければならないのも当たり前。つらくてつらくて、3年目にして母親に連絡を入れたことを憶えています。仕事を辞めたいと言ったら怒られるかな、頑張れと言われてしまうのかな……。

怒られることを不安に思いながらも、泣きながら母に「仕事を辞めたい」と言うと、母は怒るどころか「辞めて帰ってきなよ」と優しく言ってくれました。その瞬間、仕事や人生へのストレスがどれほど軽くなったことか。

自分の子どもだからこそ、社会に負けないよう厳しく接したいという気持ちはあるでしょう。けれども相手は「傷ついてボロボロになった人間だ」ということを、忘れないで対応してもらいたいと経験者としては思ってしまいます。

後編へ続く。

文・物江窓香　編集・古川純奈　イラスト・Ponko

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