大きなセンサーは正義だ 富士フイルム「GFX50S II」が描くリアルな解像感

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2021年11月29日 09:02  ITmedia NEWS

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写真GFX 50S。レンズは30mm F3.5
GFX 50S。レンズは30mm F3.5

 2017年、初めてラージフォーマットセンサー(中判センサーと呼ばれることが多いが、富士フイルムはラージフォーマットと呼んでいる。35mmフルサイズより大きいのだ)のミラーレス一眼「GFX 50S」が登場してから4年半。



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 その後継機「GFX 50S II」が出たのである、といっても、よく見るとGFX 50Sとは全然違う。よく見ると、後継機というよりは「GFX 100Sの半分画素バージョン」って感じだ。



 GFX 100Sが1億画素だったのに対し、50Sは5000万画素だから。



 実はここが大事な点。GFX 100Sのあのスゴいカメラ性能を、半分の画素数(といっても5000万画素だ)で半分近い価格(50万円前後)で楽しめるのである。



●GFX 50SはGFX 100Sの弟分だ



 GFXシリーズは35mmフルサイズセンサーより大きなラージフォーマットセンサーを用いた、超高画質なカメラ。



 35mmフルサイズセンサーが「36×24mm」なのに対し、GFXシリーズのセンサーは「43.8×32.9mm」と大きいのである(縦横比が異なるのでそのままでは比較しづらいけど、面積比で約1.7倍)。



 センサーサイズは大きければ大きいほど高価になるけれども、その分画質はぐんと良くなる。ただレンズもその分大きく重くなり、機動力は落ちるのでどうしてもスタジオでの撮影や三脚を立てての風景撮影のようなガチの現場がメインってイメージだ。



 それがくつがえったのが2021年初頭に出たばかりのGFX 100S。なんと、これがすごかった。2019年の「GFX 100」で1億画素+ボディ内手ブレ補正を実現した富士フイルムは、2021年のGFX 100Sでボディの小型軽量化(なんと1kgを切った)と低価格化を実現。手持ちで自在に撮影できる超高画質カメラを実現したのである。



 それから約8カ月で登場したのが今回のGFX 50S IIなわけで、2019年から2021年への展開が早くてすごい。



 そのGFX 50SがまたGFX 100Sとそっくり。



 上が前回のレビューで使った正面からの写真。左にあるのが35mmフルサイズセンサー機だ(ソニーのα7C)。下が同じ並びで撮影したα7CとGFX 50S II。



 あきらかに1億画素のGFX 100Sとボディが同じ。大きさも同じってのが分かる。ぱっと見ただけじゃどっちか分からない。



 そして搭載している5000万画素のイメージセンサーはGFX 50Sと同じもの。GFX 50SのイメージセンサーをGFX 100Sのボディーに入れてそれ用のチューニングを施した弟分なのである、以上。



 で終わってしまっては手を抜きすぎなので実際に撮って確かめてみたい。



 この巨大なセンサーを動かすボディ内手ブレ補正は約6.5段。画素数が半分になったこともあってか、なんと、GFX100Sの6.0段よりちょっと良くなってる。しかもメカシャッター時のショックも少ないので実に静かで撮りやすい。



 これは1/5秒で撮影した回る水車。さすがに手ブレしないよう工夫はしてはいるけど手持ち撮影だ。



 連写速度はGFX 100Sよりちょっと落ちてるけど、そもそも連写向きのカメラではないので気にしなくてもいい。GFX 100SのボディにGFX 50Sのセンサーが入っているといいつつ、画素数以外はまったく同じかというとそういうわけじゃないのだなってことだ。



 操作感はGFX 100Sと同じ。



 左肩に撮影モードダイヤルがあり(動画と静止画の切替スイッチもここ)、右肩には大きなサブモニター。そして深めのグリップにシャッターと電源。サブモニター脇の2つのボタンはカスタマイズして使うものだ。



 サブモニターは暗い場所ではバックライトで明るくできる他、表示を3種類に切り替えることができる。撮影設定の他、全面にヒストグラムも選択できる。



 電子ダイヤルは前後にあり、さらにGFレンズは絞りリングを持っているので慣れればたいていの操作はさくっとできる。これはよい。



 ファインダーはデカくて高精細。約369万ピクセルで、メガネを掛けてる人など一目で全体を見渡せない場合や、ファインダー画像上に各種設定情報がかぶるのはイヤって人はボタンを押すと表示パターンを変えられる。



 このファインダーは良い。やっぱこのクラスのカメラになるとファインダーは重要なのだ。



 背面の操作系もGFX 100Sと同じだ。



 十字キーは無く、親指で操作するセレクターがついている。これは操作しやすくてよい。十字キーを無くしたのは富士フイルムの英断だと思う。おかげで親指を根本までしっかり置いてグリップできる。あれはなくても大して困らないのだ。



 ラージセンサーだけあってボディも大きめなのでしっかりグリップできるのは大事なのである。



 そして右端にある「Q」ボタンを押すとQuickメニューが出てくるのだが、そのデフォルトの構成が富士フイルムらしいのだ。



 16個までセットできて自在にカスタマイズできるのだが、デフォルトでは、ハイライトはシャドウのトーンカーブ、カラー、シャープネスなど画作り関連の項目が多いのだ。フィルムシミュレーションモードやこれらの細かい設定、さらにカラークロームエフェクトなど富士フイルム独自の色の強調設定もある。



 長年、フィルムを開発してきた会社ならではの項目だ。



 そしてGFX 100Sから追加されたのが「SSK」、スムーススキンエフェクト。肌を滑らかにする機能だ。



 オフ・弱・強あとあるが、オフと強でどのくらい違うのか比べてみたのがこちら。使ったレンズは64mm F2.8。35mm判換算で50mm相当になる標準レンズだ。



 非常に現代的で実用的な機能だ。



 ただ、1億画素のGFX 100Sに比べればオフで撮ってもいいかな、とは思う。



 続いて、SSKを弱に設定して撮った屋外のポートレート。レンズは45-100mm F4で96mm。35mm判だと77mm相当だ。



 このレンズ、大きくて重いけれども、ズームレンジが実用的で、背景のボケ方も滑らかでポートレートによさげだ。



 背面のモニターは3方向チルト式。縦位置でのチルトにも対応しているのが素晴らしい。みんなもっとこの方式を採用すればいいのにと思う(最初にこれを採用した富士フイルムのX-Tシリーズがバリアングルになってしまったので、今はGFXとパナソニックのS1シリーズくらいだ)。



●5000万画素ラージセンサーの高画質を



 ではいろんなシーンで撮影してみたい。



 まずはいつものガスタンク。通常このカットはレンズキットに含まれる標準ズームレンズの広角端を使っているのだが、今回、残念ながら新開発の標準ズームレンズ(GFX 50S IIに合わせて開発された小型軽量のレンズ)が間に合わなかったので、代わりに30mm F3.5の広角単焦点レンズを使った。35mm判換算で24mm相当になるレンズでスリムで写りもいい。



 GFX 50S IIが素晴らしいのは、リアルな解像感。たいていのカメラはディテールを見ると「ちょっと輪郭強調かけてるな」感が見え隠れするのだが、GFXにはそれを感じない。ディテールに不自然さがなくいい感じに解像してるのだ。さすがである。しかも自然でなおかつきれいな発色を見せてくれ、階調も豊か。これはよい。



 さらに広角レンズを付けてモニターをチルトさせてローアングルで。この花びらが透ける感じや青空の階調がよい。



 フィルムシミュレーションを使いこなすのは富士フイルムのカメラの楽しさの1つ。こちらは昭和の香り漂う、というか昭和の香りしか漂わないショッピングモールというか、ミニアーケードというか、なんて呼ぶのが相応しいんだか分からないが入口には「丸美ストアー」とある。いくつかは開いている店もあり、新しく入っている店もありで現役の空間だ。それをGFX 100Sから採用されている「ノスタルジックネガ」で。



 夜の写真もお見せしたい。これは祖師谷大蔵のウルトラマン商店街。街灯がすべてウルトラマンの意匠になっているのが特徴で、それがギリギリまでそぎ落としつつちゃんとウルトラマンだと分かるデザインになっていて素晴らしいのだ。



 この狭くて古い道にバスが現れたのでさっと45-100mmの望遠端で狙ってみた。街灯をきれいにだし夜空を黒く締めたかったので-1 2/3の補正をかけてある。



 ISO感度はISO100から12800までとさほど高くはないが、拡張ISO感度(電子シャッター時以外で設定できる)はISO102400まで用意されている。



 こちらはISO12800で撮影した夜の猫。センサーサイズが大きいのでこのくらいまでは普通に使える。



 かくして、GFX 50S IIと名づけられていながら、実質GFX 100Sの5000万画素バージョンといえるのがこのカメラ。



 だからボディはバッテリーとSDカード込みで約900gといささか重くはあるが、操作感は撮影性能はフラッグシップ機と同じだし、1億画素必要かといわれると、いやそこまではいらないって人の方が多いだろうし、価格もボディ単体ではあるが50万円を切るという非常に魅力的なカメラに仕上がってるのである。今回は試せなかったが、新しいレンズキットのズームレンズは非常に軽量でコンパクトなので全体の機動力も上がるはずだ。



 クオリティー重視でスナップや風景やポートレートを撮る人なら思い切ってイっちゃうのもいいかも。


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