トヨタの「C+pod」「C+walkT」に試乗! 電気で動く小さな乗り物、何に使う?

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2021年11月30日 11:31  マイナビニュース

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とにかくラインアップが幅広いトヨタ自動車だが、「こんな乗り物まで作っているのか!」と驚かされるのが小さな電動モビリティだ。電気で動く小さなトヨタ車は、実際に使える移動手段なのか。「C+pod」(シーポッド)と「C+walk T」(シーウォークティー)の2台を試してみた。


○公道を走れる電動カート? C+podに試乗



C+podは全長2,490mm、全幅1,290mm、全高1,550mm、ホイールベース1,780mm、車重670〜690kgの小さなボディに、2座のシートとラゲッジスペースを設けた超小型BEV(バッテリーEV=電気自動車)。定格出力2.6kW、最高出力9.6kW(約13PS)、最大トルク56Nmのモーターをリアに配して後輪を駆動する。


シート足元の床下に搭載する総電力量9.06kWhのリチウムイオン電池は、満充電までに200V/16Aなら5時間、100V/6Aなら16時間かかる。フル充電での航続距離は150km(WLTCモード)となかなかのものだ。充電ポートはフロントのトヨタロゴの中にある。



日本では「軽自動車」枠の「超小型モビリティ」に分類される型式認定車(日本初)であるため、最高速度は60km/hに制限されている。そのため、自動車専用道路や高速道路を走ることはできない。


乗り込んでみると意外や意外、前後と上下のスペースには余裕がある。床面が低いので、足入れも楽々だ。一方、左右の幅は1,100mmとミニマムなので、少し大きな体格の2名が乗車すると肩が触れ合うほど。ラゲッジの奥行きは50〜60cmくらいありそうで、居合わせたカメラマンの大型機材バッグを載せてもまだ余裕があった。


ホワイトのセンタートレイ上に楕円形のメーターがあり、その下に「R」「N」「D」のシフトボタンと空調ダイヤル(車内を温めることができないのでクーラーと呼んだほうがいいかも)、シートヒーターボタンを配置。スタートボタンはその下側の、結構低い位置にある。


Dボタンを押してもクリープ走行はしない。アクセルを踏み込むと初めて、モーター音とともに「するする、ゴトゴト」と動き出す。ブレーキ操作にはサーボがつかないタイプだが、すぐに慣れた。



走りは、普通の街中なら十分に流れに乗ることができるけれど、ホイールベースの短さや座席の位置がリアアクスルの真上にあることなどが影響し、乗り心地は快適とは言いがたい。逆に、最小回転半径がたったの3.9mなので、狭い場所でのUターンや車庫入れは楽々。近距離用の足だと思えば割り切って考えられるし、感覚的にはゴルフ場の電動カート(乗ったことがある方ならわかるはず)にボディがついて、少しスピードを出すことができる乗り物といった印象だ。

サイドウインドーを下げようとしてスイッチを探したけれども、それはない。ガラス上端にあるフックを外してスライドさせる手動式だ。プリミティブで、なかなかいい。


安全面では、衝突エネルギーを効率よく分散吸収したり、歩行者への衝撃を緩和したりする障害軽減ボディを採用。昼夜の自動車と歩行者、昼間の自転車を検知できる「プリクラッシュセーフティ」(衝突被害軽減ブレーキ)を標準装備し、障害物との衝突回避と被害軽減を行う「インテリジェントクリアランスソナー」を設定するなど、クラスレスの装備を備えている。



現状では法人や自治体ユーザー向けの限定販売だが、2022年には個人向け販売も始まるとのこと。価格は165万円〜171.6万円だが、補助金を使うと150万円程度になるという。made in Chinaの廉価モデルを意識すると、「もう一声!」といいたくなる感じだ。

○歩くように動ける? 3輪BEVのC+walk Tに試乗



立ち乗り式のC+walk Tは、人の歩く速さで移動できる3輪BEVだ。現状では広い施設や公園でのアクティビティツアー、警備の現場で働くシニアの歩行負担軽減などを想定した乗り物だが、法規が改正されれば免許を返納した高齢者や日常生活の長距離歩行が困難なひとなどが公道で使えるようになる。行動範囲拡大のツールとなることを目指したモデルなのだ。


乗るのは至って簡単。ハンドルには、親指を押したり離したりしてスピードをコントロールするアクセルレバーをはじめ、ブレーキレバー、パーキングレバー、バックボタンが左右対称で配置され、右手でも左手でも同じように操作できる。ステアリングセンターにはバッテリーとスピードのメーター、設定速度切り替えスイッチ、ライト、ホーンのボタンが配してある。


乗ってみるとセグウェイほど立つ位置が高くないので、隣を歩く人と同じ目線で会話しながら進んでいけるのが楽しい。3輪なので、走行中も安心感がある。ハンドルが90度まで切れるので、その場でクルリと旋回できるのも面白い(最小回転半径は0.59m)。これなら、バックボタンを使う機会がなさそうだ。



試しに10km/hで走ってみると、さすがにこちらは熟練者用のスピードということで、コーナリング中にはタイミングを合わせた体重移動が必要になってくる。とはいえ、操舵角と速度を検知してスピードを抑制する旋回速度抑制機能が付いているし、2.5m〜3mの範囲で前方の障害物を検知し、警告音とパネル表示で警告してくれるうえ、さらに最大で2km/hまで減速してくれる機能もあり、急坂を降りる際には自動減速する「急斜面検知機能」など、安全・安心に関する機能はしっかりと装備している。


タイヤはパンクの心配がないノーパンクタイプ。マスターキーの他にサブキーがあり、乗る人ごとに最高速度を2、3、4、5、6、10km/hに設定ができるので、高齢者など共有者が使うときでも、暴走することがないという安心感がある。



価格は34.1万円〜35.42万円。フロント部分をベースとした座り乗りタイプや、車椅子を連結できるタイプも開発中とのことだった。いわゆる「自動車」に乗れなくなったとしても、トヨタにはこうした乗り物がしっかりと控えていて、まだまだ「乗ること」を楽しむことができるのだ。



原アキラ はらあきら 1983年、某通信社写真部に入社。カメラマン、デスクを経験後、デジタル部門で自動車を担当。週1本、年間50本の試乗記を約5年間執筆。現在フリーで各メディアに記事を発表中。試乗会、発表会に関わらず、自ら写真を撮影することを信条とする。 この著者の記事一覧はこちら(原アキラ)
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