WEC:オレカ代表、LMDh規定統合が“流れる”ことを危惧し「8〜10日以内の発表」を望む

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2021年11月30日 14:21  AUTOSPORT web

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LMHとLMDhの統合に向け、早期の道筋が必要との見解を示したオレカ代表のヒュー・ド・ショーナック
フランスの名門コンストラクター、オレカ代表のヒュー・ド・ショーナックは、新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的大流行により、プロトタイプ・カテゴリーの規定収束が「失われる」のを防ぐ意味でも、IMSA国際モータースポーツ協会とACOフランス西部自動車クラブの双方が「今後8〜10日以内に」将来のLMDh規定の詳細を発表するよう求めている。

 3月18〜21日に開催予定だったWEC世界耐久選手権とIMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップの併催イベント“スーパーセブリング”がキャンセルされたことを受け、この週末になんらかのアナウンスを予定していた両シリーズの統合規定“LMDh”の詳細確定に向け、双方の技術部門はマニュファクチャラーやシャシーコンストラクターからヒアリングを行い、規定ドラフト版の策定を急いでいる。

 WEC最高峰カテゴリーとデイトナプロト・インターナショナル(DPi)を統合し、プロトタイプの新たなグローバル規定に位置づけられるLMDhと、WECが推進してきたル・マン・ハイパーカー(LMH)プラットフォームとのバランスをいかに整理するかの努力は現在、世界的に猛威を振るう新型ウイルスの影響を受け停滞する局面に。各国が入国制限や、受け入れ後の14日間の隔離要請などあらゆる移動規制を導入するなか、運営委員会はその対応として仮想会議を開催することを決めた。

 しかし、IMSAのジョン・ドゥーナン代表は、現時点の人や物の交流が抑制されている状況を受け、このLMDhの最終発表が遅れる可能性があることを認めている。

 モータースポーツ専門サイトの『Sportscar365.com』によれば、このバーチャル・ミーティングは、本来スーパーセブリングの会期だった3月18日の水曜に実施され、承認された4社のLMDh/LMP2コンストラクターと、IMSA、ACOの主要関係者が出席。引き続き、LMDhのパワートレイン・パッケージを最終決定する次の会議が開催される予定だという。

■先延ばしにすれば「LMDhの具現化も危ぶまれる」

 しかしこの段取りに関して、その承認コンストラクターの1社であるオレカ代表のショーナックは、状況の重大な後退やフォールアウトを防ぐために、今後10日以内に発表を行う必要があることを強調した。

「この規定を有効なものとするためには、全関係者が合意に至ることが急務だ」と、フランスの専門サイト『Endurance-Info.com』に語ったショーナック。

「規制を発表することにより、参戦企業やマニュファクチャラーは早急に作業が開始できるようになるため、これはできるだけ急ぐ必要がある。もしこの先、3カ月も4カ月も発表を先延ばしにすれば、LMDh自体の具現化も危ぶまれる事態となるだろう」

「我々(コンストラクター)の側でさえ、待つことはできない。規定の発表になんら逡巡する部分はなく、迅速にリリースすることは可能なはずだ。LMDhとLMHは良き収束の方向性を見つけるべきだ」

「以前は10%ほど疑念や妥協の部分が残っていたが、今や問題はクリアだ。IMSAとACOは、今後8〜10日以内にアナウンスをする必要がある。良いニュースを待っている」

 この新型コロナウイルスの蔓延以前には、すでにマニュファクチャラー3社に対してLMDh規定のシャシー供給を持ちかけられていたというショーナックだが「(ウイルスの)影響により、この先いくつかの自動車メーカーが航空会社のように倒産の危機に瀕するだろう」と予測するのに対し、IMSAでキャデラックのブランディングを担うウェイン・テイラーは「IMSAに関して言えば、マニュファクチャラー倒産の影響を受けにくいはずだ」と楽観的な見通しを立てている。

「ここ数日、米国の3つの(DPi参戦)メーカーのうち2社と話をしたが、誰もがまだ熱心に取り組む意思を持っているようだ」とSportscar365に応えたウェイン・テイラー。

「我々は欧州の自動車メーカーほど影響を受けないと思う。それが私の見方だ。誰もがこれを乗り越えると確信しているし、現在の中国のように(ウイルスが)消え始めると、巨大な自動車メーカーやホテルグループなどは、すぐにビジネスに戻るだろう」

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