田原総一朗「“危機”近づく台湾問題で問われる日本の対中姿勢」

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2021年12月01日 07:00  AERA dot.

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写真田原総一朗・ジャーナリスト
田原総一朗・ジャーナリスト
 ジャーナリストの田原総一朗氏は、台湾問題に対して日本は何ができるのか、問いかける。


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 11月16日、バイデン大統領・習近平国家主席による米中首脳会談がオンラインで行われた。3時間半に及ぶ会談で、米中対立最大の核心であった台湾問題は平行線で終わったようだ。


 私が米側から得ている情報では、中国が2024、25年くらいに台湾に武力攻撃をする可能性が高い、と判断しているようだ。


 実は、4月16日にワシントンで行われたバイデンと菅義偉首相(当時)の首脳会談でも、このことが論議されたようである。


 日本では大きな話題になっていないのだが、このバイデン・菅会談は前代未聞なのである。


 これまでは、米国で新しい大統領が登場すると、最初は米英首脳会談で、日米首脳会談はそれ以降になることが多かった。それが今回は、いきなり日米首脳会談となったのである。


 これは、バイデン大統領が日本にいかに大きな期待を抱いているか、という証拠である。


 どのような期待を抱いているのか。もちろんバイデン大統領にとっての最大の難問は米中対立だ。


 かつては米ソ対立が深刻な問題であった。


 だが、ゴルバチョフが登場して、ソ連の機構が事実上解体され、米ソ冷戦は終わった。


 ところがその後、中国が新たな脅威となった。しかも、ソ連とは違って、イデオロギーでは対立しているのだが、経済的、技術的には中国と深い関わりが生じているのである。


 米国はニクソン大統領の時代に、ソ連を孤立させるために、あえて共産主義の中国と協調関係を結んだ。毛沢東、周恩来を口説いて具体的に協調関係に持ち込んだのはキッシンジャーである。


 米国が中国と協調関係を結んだことで、日本はそれまでは台湾を国家として認めていたのだが、慌てて中国との協調関係に切り替えた。それを強行したのは田中角栄である。


 トウ小平が経済における競争の自由化を認めたことで、2000年代に入って、中国は大躍進を遂げ、経済力で日本を抜いて世界第2位となり、5G技術では米国をしのぐ状態となった。




 私が得ている米側の情報では、習近平は27年に4選して終身代表、つまり第2の毛沢東となる。そしてその2年前の25年には新たな習近平体制のためのメインスタッフが決まる。


 そして、この段階で中国は台湾に武力攻撃を行うのではないかと捉えられているのだ。


 先に記したように、4月に行われたバイデン・菅会談では、このことが論議されたのである。


 中国が台湾を武力攻撃すれば、当然ながら米国は台湾を守るために中国と戦うことになる。その場合、日本はどうするのか。


 バイデン大統領は菅首相に問うたようだ。


 日本としては日米同盟で台湾有事は日本有事であり、当然戦わなければならないことになる。


 だが、そういう事態が生じないためにはどうすればよいのか、どのようなことをすべきなのか。


 どうやらバイデン大統領は、そのことで日本に大きな期待を寄せたようなのである。


 日本に何ができ、どうすべきなのか。政府の担当者たちの間で検討されているはずである。


田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年生まれ。ジャーナリスト。東京12チャンネルを経て77年にフリーに。司会を務める「朝まで生テレビ!」は放送30年を超えた。『トランプ大統領で「戦後」は終わる』(角川新書)など著書多数

※週刊朝日  2021年12月10日号


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