「戦力外」今季はギリギリ回避も…もう後がない“崖っぷち”の選手たち

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2021年12月02日 18:00  AERA dot.

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写真ヤクルトの内川聖一(写真提供・東京ヤクルトスワローズ)
ヤクルトの内川聖一(写真提供・東京ヤクルトスワローズ)
 プロ野球の日本シリーズも終わり、ストーブリーグ、契約更改も本格化する時期となってきた。戦力外通告期間は11月29日に終了となり、イレギュラーなケースを除いてここから自由契約になることは考えづらいが、何とかチーム残留が決まりながらも、もう後がない状態の選手も少なくない。今回はそんな“崖っぷち”からの再起を目指す選手をピックアップしてみたいと思う。


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 まずこのオフにあらゆる意味で非常に厳しい状況に立たされているのが平田良介(中日)だ。長く外野の一角として活躍し、FA権を取得した2016年オフには権利を行使せずに5年の大型契約でチームに残留。しかしここ数年は故障で成績を大きく落とし、今年は異型狭心症を発症するなどレギュラー獲得後としては最低の数字に終わり、1億5000万円の大幅ダウンで契約更改となっている。現在も診察を継続しているというが、プレーに関しては影響ないところまで回復しているのは好材料だ。


 チームは立浪和義新監督を迎え、また打撃スタイルにも似たところがある中村紀洋打撃コーチが就任したことも平田にとってはプラスではないだろうか。右方向へも大きい当たりが打てる長打力は貧打に悩むチームにとってまだまだ貴重な存在である。まずは体調を万全にしてキャンプに臨むことが第一だが、豊富な経験とフルスイングを武器に鮮やかな復活を遂げることを期待したい。


 日本一に輝いたヤクルトでは内川聖一、坂口智隆の両ベテラン野手が崖っぷちに立たされている。昨年オフにソフトバンクを自由契約となり今年からヤクルトに移籍した内川だが、開幕当初はスタメンでも起用されていたものの、オスナが合流して以降は代打での起用が続き、11安打で0本塁打、2打点、打率.208と寂しい成績に終わっている。ソフトバンク時代と合わせて個人では日本シリーズ5連覇という偉業達成となったが、この数字には本人も到底満足はしていないだろう。コーチ的な役割としての面も評価されていると考えられるが、やはりその芸術的なバッティングを多く見たいというファンも多いはずだ。



 一方の坂口も昨年は98本のヒットを放ち復活を印象付けたが、今年は二軍暮らしが長く続き、わずか8安打で打率.160という結果でシーズンを終えている。日本シリーズではスタメンでも出場するなどまだ貴重な戦力として見られてはいるものの、この成績が2シーズン続けば当然引退という文字も見えてくる。これまでも一度オリックスを自由契約になってから、ヤクルトで復活を果たしているだけに、再びV字回復を見せることができるのかに注目が集まる。


 投手で苦しい状況に立たされている代表格が金子弌大(日本ハム)だ。日本ハムに移籍した2019年には8勝(7敗)、防御率3.04をマークしてまだまだ力があるところを見せたが、翌年以降は低迷。今年はルーキーイヤーの2005年以来となる一軍勝利なしに終わっている。昨年オフに大幅年俸減となっていなければ、西川遥輝、大田泰示、秋吉亮と並んでノンテンダーで自由契約になっていた可能性も十分に考えられただろう。二軍では12試合に登板して防御率2点台とまずまずの成績を残しており、高い制球力と投球術はまだまだ健在だけに、ストレートの勢いを少しでも取り戻して何とか復活を目指したいところだ。


 投手でもう1人何とか生き残ったという印象が強いのが内海哲也(西武)だ。2018年オフにFAで移籍した炭谷銀仁朗の人的補償として15シーズンを過ごした巨人から移籍。貴重な左の先発ピッチャー候補として移籍当初は期待は高かったが、これまでの3年間で一軍では2勝(2敗)と寂しい結果に終わっている。来年で40歳という年齢を考えると自由契約となってもおかしくなかったが、野球に対する取り組みが評価されて、来季は投手コーチ兼任として残留が発表された。コーチとしての役割も重要になってくるが、チームの投手陣は手薄なだけにまだまだチャンスはあるはずだ。キャンプから首脳陣にアピールして、何とかローテーションの谷間に入り込むことを狙いたい。



 今年は阪神からオリックスに移籍した能見篤史が42歳という年齢ながら貴重なリリーフとして活躍しており、また同じ学年の石川雅規(ヤクルト)も先発の一角としてチームの日本一に貢献している。これまでも山崎武司(元中日、楽天など)など、大ベテランとなってから鮮やかな復活を遂げた選手もいるだけに、ここで紹介した選手たちもファンの期待に応えるような活躍を見せてくれることを期待したい。(文・西尾典文)


●プロフィール
西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員


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