久保建英、完全復活なるか。低迷するマジョルカで求められること

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2021年12月03日 06:41  webスポルティーバ

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 12月1日のスペイン国王杯1回戦。マジョルカは4部に相当するリーグに在籍するジムナスティカ・セゴビアーナの健闘に苦しんでいる。延長戦にまで持ち込まれたが、どうにか0−2と勝利を収めた。

 久保建英はベンチに入ったが、出場していない。先発メンバーがサブ組だったことを考えれば、「先発組に準じた扱いだった」ということだろうか。下部リーグのクラブとのアウェーゲームで、荒れ模様になっていただけに、大事を取ったのだろう。
 
 ケガから戦列に復帰したばかりの久保の現状とは――。
 



 11月27日、久保は古巣であるヘタフェ戦でピッチに立っている。9月22日、レアル・マドリード戦で膝を痛めて以来、約2カ月ぶりの戦列復帰だった。68分、右サイドのジョルディ・ムブラと交代で出場した。

 左足のキックは「伝家の宝刀」感が健在だった。1対1から相手を外し、惜しいクロスも送っている。明晰なビジョンで迅速にボールを展開し、決定機の起点にもなっていた。

 ただし、久しぶりのプレーだっただけにボールが集まりきっていない。

「タケ(久保)は手持ちの弾のひとつ。先発でプレーするまでには"もう少し"といったところ。まずは20分ほどの時間で使い、コンディションを戻すことが大事だ」

 マジョルカを率いるルイス・ガルシア監督は、期待を込めつつも、現状を冷静に分析したコメントをしている。

 久保がトップフォームに戻るのは、少なくとも2、3試合は必要だろう。無理に出場時間を増やすと、ケガが再発する恐れもある。練習のなかで違いを見せるプレーを増やしていくことによって、再びボールも集まるだろう。

 マジョルカとしては一刻も早く久保を適応させたいところだ。

 今季の序盤戦、久保を擁したマジョルカは昇格チームながら、3勝3敗2分けと五分の星で健闘していた。しかし、第9節のレアル・ソシエダ戦で完敗後、最近のリーグ戦7試合は5分け2敗と勝ち星なしの体たらく。順位も14位まで落ちてしまい、降格圏内(18〜20位の3チームが降格)に迫っている。プレー内容は決して悪くなく、むしろチャンスは作り出しているのだが、攻撃のパワーが足りない状況だ。

 久保の離脱後、代わってエースの座についたのは韓国代表MFイ・ガンインだった。4−2−3−1のトップ下として、今や攻撃の中心を担っている。久保が復帰したヘタフェ戦でも鋭いシュートを放っただけでなく、中盤に落ちてプレーメイクし、決定的なパスを供給。終了間際にはCKから絶好のボールを送り、ヘディングシュートを打たせていた。

 おそらく久保にとっては、右サイドのアタッカーとしてポジションを確保することが先決になるだろう。ムブラはスピードこそ抜群だが、プレーの幅や奥行きを作ることができず、久保のほうが監督の求めるプレーができる。ヘタフェ戦でも久保はイと、回数は少ないながら、悪くない連係プレーを見せ、攻撃に厚みを加えていた。仕掛け、崩しのドリブルはまだ"封印"していたが、試合を重ねるなかで取り戻すはずだ。

 チームを窮地から救うためにも、久保に求められるのはフィニッシュの精度になるだろう。ストライカーではないのだが、世界に冠たるレアル・マドリードからレンタルされた助っ人アタッカーとしては、2けたゴール&アシストがひとつの成功の目安となる。数字がすべてではないが、レアル・マドリードでのプレーを視野に入れるなら、クリアする必要があるのだ。

<マジョルカが生き残るには、久保のゴール&アシストが不可欠で、求められるのはチームの主役の座であり、それは来季のレアル・マドリードでのプレーにつながる>

 わかりやすい方程式だ。

 久保はスペイン挑戦3年目。マジョルカ、ビジャレアル、ヘタフェ、そしてマジョルカと戻ってきた。1年目のマジョルカではルーキーながら主力となり、2年目のビジャレアルではヨーロッパリーグ決勝トーナメント進出をけん引。ヘタフェでは残留を決めるゴールを決め、正念場で存在感を示してきたと言える。あらためて望まれるのは、チームを救うリーダーとしてシーズンを過ごせるか、だ。

 12月4日、マジョルカは敵地ワンダ・メトロポリターノで、現リーガ・エスパニョーラ王者であるアトレティコ・マドリードと対戦する。戦う前から、旗色は悪い。しかし残留を考えた場合、勝ち点1でももぎ取りたいところだ。

 久保は切り札としての出場になるか。調子が戻ってきたことを確認する相手として、不足はない。リーガ随一の守備陣を突き破ることができたら――。それは久保の完全復活の狼煙となる。

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