4Kカメラ「Webex Desk Camera」で新世界を体験 PC内蔵Webカメラに不満を抱える人の救世主となるか

0

2021年12月03日 12:22  ITmedia PC USER

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

ITmedia PC USER

写真シスコシステムズの4K対応カメラ「Cisco Webex Desk Camera」。ノートPC内蔵のカメラとは天と地も違う映像を実現する
シスコシステムズの4K対応カメラ「Cisco Webex Desk Camera」。ノートPC内蔵のカメラとは天と地も違う映像を実現する

 猛威を振るった新型コロナウイルスもようやく沈静化の兆しを見せたり新たな変異株が登場したりと気が静まらない事態が継続している。そのような中でテレワークが導入された会社、されなかった会社、一時はテレワークになったものの沈静化で元に戻った会社、さまざまだろう。



【その他の画像】



 だが、自身がテレワークであるか否かに関わらず、多くの企業で取引先とのビデオ会議は当たり前になったのではないだろうか。そんなときに重宝するのがWebカメラ内蔵のノートPCだ。



 以前からカメラを内蔵したノートPCは多かったものの、リモート会議が一般化するまで内蔵カメラはあまり活用されてこなかった。そのため、内蔵カメラの画質はカメラ単体ではなく、リモート会議を通して認識することが多い。そして、ネットワークが遅いから画質が悪いのは仕方ない、というように画質の悪さを許容してしまっているように感じる。



 最初の緊急事態宣言が発令された直後から、秋葉原や家電量販店の店頭でWebカメラの売り切れが続いていたのも記憶に新しい。けれども、もしかしたら画質を下げているのはネットワークではなく、カメラそのものなのかもしれない。



●ビデオ会議での新たな常識



 そういえば、オフィスで個人用のデスクトップPCを見る機会もずいぶん少なくなった。



 電子情報技術産業協会の2021年度のデータによると、2021年度上半期のPC国内出荷実績は第2四半期までの累計でノートPCが84%を占めているが、それも当然のことだろう。PCを携えて取引先訪問から始まり、フリーアドレス、サテライトオフィス、そして在宅ワークと、「新しい働き方」はほとんどがノートPCを前提としたものとなっている。



 そして、それら多くのノートPCに内蔵されているカメラとマイクによって、ビデオ会議はリモートワーク以上に、我々のビジネスに非常にスムーズに導入された。インターネットさえ使える環境であれば、周辺機器を別途購入することなく相手の顔を見ながら(自分の顔を見せながら)会議が行える。



 Microsoft TeamsやGoogle Meet、Webex、Zoomなど、オフィススイートに付属していたり、一定の制限のもと無料で利用できたりするビデオ会議サービスも多い。



 その一方で、これだけ使用されておきながら、PC内蔵カメラの性能はなかなか上がってきていないのが現状だ。簡単に始められるというメリットはあるものの、PC内蔵カメラの性能が上がらない限りはこのまま低画質でのリモート会議が続くことになる。



 また、オフィスで直接顔を合わせていたときには容姿に気を遣っていた人が、リモート会議になるとカメラをオフにすることで誤魔化すようになったという話もよく耳にする。確かに、カメラオンを強制することがハラスメントになるのではないか、という声もあるが、だからこそ、自分からカメラをオンにする人の印象は強くなる。



 しかし、ビデオ会議では直接対面するときと同じように、身だしなみを整えるだけでは十分とはいえないかもしれない。例えば履歴書に貼られた写真が暗く、陰気そうに写っていれば「なんだか暗そうな人だな」という第一印象を持たれてしまう。だからこそ以下のような「明るく、良い印象を与える履歴書写真のコツ」といったものが知られている。



・ピントのあった、粒状感のない鮮明な写真



・小顔で顎のラインをシャープに見せる



・おでこを前に出して顎を引く、シンデレラ角度で撮影する



・明るく、キレイな肌に見せる



・光を胸の前に置いた白い紙で反射させ、顔の下から光を当てる



 ところが、リモート会議に関してはあまりそういったノウハウや注意点を聞かない。採用面接や営業活動では、少しでも印象を良くするために写真同様の気を遣うべきであるにもかかわらず、だ。



 その理由の1つは、これらのノウハウがPC内蔵カメラでは実現できない場合が多いからかもしれない。PC内蔵カメラは本体のみでリモート会議を始められることが唯一かつ最大のメリットだ。それ以上のことを求めるのであれば外付けWebカメラは必須と言える。



 ここまで述べてきたことを既に気がついて、デジタルカメラやビデオカメラ、ミラーレス一眼カメラをPCに接続している人もいるにはいるが、手間と知識が必要になるため普及はまだまだだ。



 その一方で、もっと手軽に高画質を得たいというニーズはコンシューマー用途だけではなくビジネス用途でも増えており、今回取り上げるシスコシステムズの「Webex Desk Camera」(以下、Webex Camera)は4K(3860×2160/4096×2160ピクセル/30fps)での撮影に対応したWebカメラだ。このWebex Cameraを例に取り、一般的なPC内蔵カメラと外付けWebカメラの違いを見ていくことにしよう。



●PC内蔵カメラとは桁違い――Webex Desk Cameraのスペック



 Webex Cameraは4Kでの撮影を実現したマイク付きWebカメラだ。UVC(USB Video Class)対応なのでPCにUSB接続するだけで利用可能だが、後述する専用のユーティリティーを入れると細かい調整が行えるようになる。



 カメラ部のサイズは約90.64(幅)×41(奥行き)×19.5(厚さ)mm、重量はクリップ(台座)を含めて実測で約155gというコンパクトさだ。2カ所のヒンジを持つクリップによって外付けディスプレイ、ノートPCなど形状を問わずに安定した取り付けができる。三脚穴もついているので、三脚を使って固定することも可能だ。



 なお、4Kでの撮影にはUSB 3.0以上でのUSB接続が必要で、推奨のPC環境はCPUがCore i5/2.4GHz以上またはCore i7/1.9GHz以上、メモリは8GB以上となっている。保証期間は1年だ。



 PC内蔵カメラとWebex Cameraのスペックの違いは大きいが、肝心なのはそのスペックの違いが実際の利用シーンにどれほどの影響があるかということだ。いくらスペックが高くても、使っていて違いが分からなければ意味がない。ここではビデオ会議での品質と満足度に影響するポイントごとに違いを見ていこう。



解像度



 ノートPC内蔵カメラ現在の主流は1280×720ピクセル程度だ。わずか92万画素しかない(中にはそれ以下のものも多い)。これはスマートフォン内蔵カメラよりも圧倒的にスペックが低く、なんと9年前のiPhone 5と同等(前面カメラ)というレベルだ。もっとも、実際にリモート会議を行う際にはこの解像度そのもので送られるとは限らないため、解像度が高くても意味がないと思うかもしれない。



 だが、解像度が低いカメラの映像はオリジナルソースの時点で既に情報量が少なく、表示しても元の解像度以上に美しくなることはない。カメラからPCへの転送時、PCから通信相手への送信時、通信相手側での画面表示時などで情報を間引くことになったとしても、元の情報量が豊富であれば高解像映像を縮小したように映像のシャープさ、美しさが維持される。



 PCのディスプレイがフルHD(1920×1080ピクセル)〜4K(3840×2160ピクセルう)が当たり前という現状では、92万画素のカメラでは力不足だ。Webex Cameraは約1300万画素のイメージセンサを採用しており、DCI 4K、4096×2160までをサポートする。解像度の違いは一目瞭然である。



フォーカス



 PC内蔵のカメラはユーザーの顔あたりでの固定焦点となっていて、そもそもピントがきちんと合うことはほぼない。顔を写す分にはなんとなく雰囲気は伝わるものの、細部はぼやけてしまっていてそれ以上のディテールが伝わらない。



 また、ミーティングの最中に手元にある資料をカメラの前に掲げても、それを読み取ることは難しい。近づければピントが合わないし、離せば細部はつぶれてしまう。



 Webex Cameraは顔検出拡張オートフォーカス、マルチポイントオートフォーカスを備えており、近くでも離れていても鮮明な映像を写すことができる。フォーカスはマニュアルで設定することも可能だ。



 次に設置場所やカメラの画角などを見ていく。



カメラの設置場所/向き



 PC内蔵カメラの位置は画面上部もしくは画面下部に固定されており、撮影時に不自然なアングルになりがちだ。カメラの位置を適切にしようとすると画面が見えづらくなったり、外付けディスプレイを使用しているときは視界が干渉したりすることもある。画角にも関係するが、PCに向かって正対している方向しか写せないため、PCごと被写体に向ける必要がある。被写体を動かせない場合はPC自体を動かさねばならず、その間PCを使っての作業はできなくなってしまう。



 Webex CameraであればノートPCのディスプレイ角度とは独立して仰角を設定することが可能だ。さらに外付けディスプレイや三脚を使って、より高い位置から写せば自然と顎を引いた状態になるため、小顔の印象になる。手元を写したり、別アングルから会議室を写したりすることも容易だ。



画角



 PC内蔵のカメラは60度程度の水平視野角のものが多い。これはPCの正面にいる人の顔を写すためには十分だが、それ以上広い範囲を写すことは難しい。例えば、複数の人で1台のPCを使ってリモート会議を行う際は、1人以外はほとんど声だけの参加となってしまう。



 それに対して、Webex Cameraは81度の水平視野角を実現しており、同じポジションでもより広い範囲を撮影することができる。専用のユーティリティーを使えば、画角は65/70/75/81度から、解像度は256×144ピクセル〜4096×2160ピクセルまで10段階で選べる他、カメラのファームウェア更新も行える。



映像の明るさ



 PC内蔵カメラの映像は全体的に暗くなってしまいがちだ。そうなると影が強調されてしまうので、ほうれい線や顔のシワが実物以上に目立ってしまう。そのため、印象の良い映像を手に入れるにはライティングが重要な鍵となる。光源の方向を意識して日中でもカーテンを閉めた上でLEDリングライトを使っている人もいて、確かに効果は大きいのだが、セッティングに手間がかかったり、場所を取ってしまうというデメリットもある。



 一方、Webex Cameraは暗い部屋でも鮮明かつ明るく撮影できる。ノートPC内蔵カメラの場合は輝度を単純に上げてもノイズが乗ってしまったり、元々明るい部分が白抜けしてしまったりしてしまいがちだが、iHDRに対応した照度性能を備えたWebex Cameraだと明るく、かつ、シャープな画像になる。ライティングにそこまでこだわらなくても1ランク上の映像が得られるので、面倒なセッティングも必要ない。



プライバシー対策



 1つのアプリケーションで画面を占有することの多いスマートフォンだと、インカメラをオンにしていると画面にもその画像が表示される。そのため「うっかりカメラを切り忘れる」ということは起こりにくい。だが、PCの場合は他のアプリケーションウィンドウに隠れていて気づかないということも起きやすい。カメラの横にインジケーターがあるモデルも多いが、他のインジケーターと混同してしまうこともある。



 他にも、日常的にレンズを隠さないと落ち着かない人もいるだろうし、カメラに直接マスキングテープを貼っている人もいる。ただ、日常的にカメラを使うユーザーの場合はそれも使い勝手が悪いだろう。Webex Cameraはレンズ自体を覆う物理的なスライドシャッターがスイッチとなっており、確実に撮影をオフにしておける。スライドシャッターは、カメラを持ち運ぶ際のレンズ保護にも有用だ。



 最後に、ノイズキャンセリングやWindows Helloなどの対応機能を見ていく。



マイクとノイズキャンセリング



 PC内蔵マイクの場合は、本体の冷却ファンノイズやタイプ音を拾ってしまうことも多い。スピーカーの位置によってはハウリングを起こすことすらある。ヘッドセットを使用することでこれらの問題は解決するが、ヘッドセットがうっとうしく、長時間の作業には向かないという人もいるだろう。



 また、会議室に集まっている人とリモート参加者をつないでいるような場合など、複数人で1台のPCを使ってリモート会議を行う場合にはヘッドセットは使えない。



 Webex Cameraは外付けのためPC本体のノイズを拾わない。さらにノイズリダクション機能も搭載しているので、自宅から接続する際の生活雑音や同席者のタイプ音など、周囲の雑音も低減してくれる。



Windows Hello対応



 Windows HelloはPIN、顔認識、指紋などを使ったWindowsの認証方法だ。特にノートPCでは指紋認証リーダーを内蔵した機種も多く、日常的に使っているユーザーも多いだろう。だが、顔認証に対応しているカメラはノートPC内蔵、外付け含めまだまだ多くない。



 その理由はWindows Helloの顔認証にはIRカメラが必要だからだ。IRカメラによるスキャンイメージは環境に左右されにくく、また、写真やスマホ、PCなどのモニター映像を誤認することもない。Webex CameraはIRセンサー/IR LEDを内蔵し、Windows Helloに対応した数少ないモデルだ。



 顔認証は一度体験するとその圧倒的な手軽さに驚く。指紋認証だとリーダーに指を置いて読み取る、という一手間がかかるが、顔認証ではただカメラの前に座るだけで自動的に認証してくれる。ロックを解除するという意識すら不要だ。



●2万円超の価格にどう折り合いをつけるか



 PC内蔵カメラと比較した外付けカメラの優位性は大きいが、外付けカメラも3000円程度から購入できる。もちろん、安い外付けカメラではPC内蔵カメラとあまり差が出ないため、ある程度のスペックを持ったモデルでなければ意味がない。その中でもWebex Cameraは高いスペックを備えており、実売価格も2万を上回るなどかなり高額だ。



 Microsoft TeamsやSkype for Business、Zoom、Google Meet、Google ハングアウト、BlueJeans、Slack、FaceTimeといったビデオ会議アプリはもちろん、同社のアプリケーション(Webex/Webex Teams/Webex Meetings/Jabber/Webex Teams VDI/Webex Meetings VDIなど)での動作もサポートしている。



 Webexライセンスがあれば、システム管理者がWebex Cameraの利用状況を専用サイトで手間なく一括で把握できるのも見逃せない。



 1300万画素、4Kの圧倒的な解像度というアドバンテージはあるものの、「今それが必要か」と言われるとニーズによっては判断に迷う。また、水平視野角81度は一般的なPC内蔵カメラ(60度〜)に比べると広いものの、会議室用カメラになると水平視野角180度の製品もある。あくまで「1〜2人用」と考えるべきだろう。



 筆者は日常的に実売8000円程度の1080p対応の外付けWebカメラを利用していて、その品質にも満足していた。だが、Webex Cameraをしばらく使用していると、その画質に不満を感じるようになってしまった。画像のシャープさはネットワーク越しでも段違いだし、顔認証のインパクトも大きい。Webex Cameraのことを知らなければ悩むこともなかったのだが、知ってしまった今となっては非常に悩ましい。



 もし、あなたが採用面接や動画配信などの予定があって、「少しでも印象を良くしたい」という明確な目的を持っているのであれば、Webex Cameraを選んでおけば後悔することはないだろう。


    ランキングIT・インターネット

    前日のランキングへ

    ニュース設定