5人の仲の良さに甘えてはいけない。3年目は5人の深みをもっと出していきたい──学芸大青春・内田将綺インタビュー

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2021年12月05日 17:41  ダ・ヴィンチニュース

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写真学芸大青春
学芸大青春

今年8月から9月にかけて、全国4都市をめぐるツアー「Hit your City!!」を成功させたダンス&ボーカルグループ「学芸大青春」(ガクゲイダイジュネス)。念願の有観客ライブとなった同ツアーでは、「2次元と3次元を行き来する」というコンセプトどおり、CGキャラクターと生身の姿を行き来し、時には両者を融合させる演出で観客を魅了した。12月1日には2nd Album『PUMP YOU UP!!』のリリースが、2022年3月から5月にかけては4thツアーも控え、彼らの勢いはますます加速しそうだ。

ダ・ヴィンチニュースでは、そんな学芸大青春の魅力を深掘りするインタビュー特集を企画。ラストに登場するのは、内田将綺さん。「個別インタビューだから話せた」という彼の本音、学芸大青春として、ボーカリストとして目指す未来とは。

内田将綺

「うまいなぁ」じゃなくて、「この人すごい!」と心に刺さるような歌を歌える人を目指したい

──2ndアルバムでは、将綺君のボーカリストとしての新たな一面が見えました。今までにない柔らかな歌声も聴かせていますね。

将綺:そうですね、ちょっと繊細な。

──陽介君はもともとバラード系が得意だったと話していましたが、将綺君はいかがですか?

将綺:歌を始めた頃は、バラードをよく歌っていました。勉強しやすいし、感情を込めやすいんですよね。2ndアルバムでいうと“あさりジェノベーゼパスタ”“ずっと”のようなテイストの曲を、学芸大青春になる前からよく歌っていました。

 ただ、自分のイメージの中では、アップテンポで盛り上がっている曲を歌って「この人うまいなー」って思う人が本当にうまい人だと思っていたんですよね。バラードって雰囲気があるし、歌詞のストーリー性が強いので、聴いている側も感情を込めやすいし、共感しやすいんですよ。でも、アップテンポの曲って違うじゃないですか。うまく聴かせるのが難しいし、リズム感も大切ですし。僕としては、アップテンポを歌えるようになろう、という気構えで学芸大青春になりました。活動開始後は、明るい歌や歌い上げる曲調が多くて、得意な曲を歌わせてもらっていました。

 とはいえ、学芸大青春の内田将綺として表現する楽曲と、メンバーになる前にひとりで表現していた楽曲の違いには、すごく悩まされましたね。

──どういう違いがあるんですか?

将綺:やっぱりメンバーで歌う曲は、ひとりで歌うものではないじゃないですか。メンバー一人ひとりのパーソナリティがあるので、5人で歌う曲でも自分が歌う意味を曲の中で提示しなきゃならない、とはすごく考えますね。例えば、今回のアルバムでは“あさりジェノベーゼパスタ”を優輝と歌ってますけど、僕と優輝は声質というか声の高さが似ているんですよ。優輝はラップをやっているという違いはありますけど、優輝と僕が歌う意味は、ものすごく追求してます。

──とはいえ、座談会でお話されていたように、歌う前に優輝君と打ち合わせはしていないんですよね。

将綺:そうなんです。しゃべるよりも、作品を通して表現できればなって。自分たちはまだ一流のアーティストではないので、あまり偉そうなことは言えないですけど。あとそもそも僕は、口下手なんです。

 でも、優輝は言葉を汲み取るのが上手で、自分の中にしっかりロジックがあって段取りを組むタイプなんですよ。「将綺はこういう声でこう歌うから、じゃあ僕はこうしよう」って優輝の中で固まりすぎちゃうのが僕は嫌だったので。歌って感じ取ってもらうのが早いなと思ったから、あまり話さなかったですね。

──陽介君とのデュオは、また違う感じだったのでしょうか。

将綺:陽介とは歌の波長とかテンションが合うんですよね。正直言うと、僕、陽介が考えてることがあまりわかんないんですけど(笑)。ただ、ステージに立ったり、カメラ前で撮影したりする時に、お互いの波長に通じ合うものがあるんです。以前、僕らが『漂流兄弟』っていうショートドラマをやっていた時の撮影でも、なんとなくアドリブが噛み合っていたんですよ。レッスン中に、陽介が不意に何かやってきても僕は応えられるし、僕が何かやっても陽介は返してくるし。ある時、演技レッスンで「将綺って何か合うわー」って陽介に言われて、「あ、やっぱそうなんだ」って(笑)。

 という感じで、優輝は彼なりのロジックがあるから言葉では伝えなかったし、陽介はなんとなく合うことがわかっていたから、今回のレコーディングでも何も言わなかったんですよね。逆に、勇仁だと事前に話すかもしれない。メンバーによるかもしれないですね。これから違うメンバーとユニットをやることがあれば、作り方も変わると思います。

──実は、ライブプロデューサーの渡辺大聖さんから「将綺君はたくさん本を読んでる」って聞いたんです。日頃から読書をしていることも、表現活動に影響を及ぼしているのでしょうか。

将綺:確かにいろいろ読みますね。中学生の頃はサッカーをやっていたので、アスリートの自己啓発本とかメンタル面の勉強もしていたんですけど。学芸大青春になってからは戯曲とかも読むようになって。

──シェイクスピアを読んでいる、という情報を聞きました。

将綺:そうなんですよ、映画から入りました。レオナルド・ディカプリオ主演の『ロミオとジュリエット』を観たんですよね。僕らが3Dドラマ『漂流兄弟』をやる前に、演技レッスンで『ロミオとジュリエット』のシーンの一部を読み込んでレッスンする機会があって。そのあたりから、言い回しが気になるようになりました。「現代では絶対そんな言い方しないのに。もっとストレートなほうが伝わりやすいのに」っていう文章、あるじゃないですか。例えば、ただの「愛してる」という言葉も、あえて遠回しにすることで哲学的になったり、「愛してる」って言葉以上に沁み込むような表現になったりする。そういうのを見て、自分の思考回路も影響を受けて。

 もともと僕は「愛してる」ってストレートに言うようなタイプだと思うんですよ、シンプルな人間なんで。でも、あえてそれを選ばない思考になったような気はしますね。以前はできるだけ無駄を省こうとしていたんですけど、今はメンバーと1対1で話す時には、わざとまわりくどい説明をしたりして。それがゆえに、インタビューが苦手になりました(笑)。

──ボーカリストとしての表現力も、読書を通じて培っているのでしょうか。

将綺:本だけではなくて、そこはむしろ洋画の影響が大きいです。「悲しみや別れがテーマなのに、ストーリーが違うだけでこんなに描写が変わるのか」と驚くし、勉強させてもらっていますね。

 今回のアルバム収録曲で言うと、優輝と歌った“あさりジェノベーゼパスタ”も陽介と歌った“ずっと”も、曲のバリエーション的には似てると思うんですよ。どちらも共同生活に落とし込めるし、別れについて歌っているので。それを優輝と歌うから“あさりジェノベーゼパスタ”になるし、陽介と歌うから“ずっと”になるんだなと思うんですね。メンバーの感受性から影響を受けることもあります。

──将綺君自身は、今後どんなボーカリストを目指していきたいですか?

将綺:歌を始めた時から「うまいな、この人」じゃなくて、「すごいな!」って言われたいんです。歌がうまい人は、たくさんいるんですよ。僕は学芸大青春としてCDをリリースさせていただきましたけど、歌がうまい人は世の中にあふれている。デビューせずにジャズバーで歌っている人とか、インディーズでやってる人もたくさんいる。そういう中で「この人、すごい!」ってなるのは、初めて聴いた人を泣かせるレベルのアーティスト。僕が初めてブルーノ・マーズのライブを観た時、すごく感動したんです。きっとブルーノ・マーズを知らない人がその場にいても、泣けると思ったんですよね。僕ら学芸大青春も、一人ひとりが「この人、すごいな!」ってなるのがベスト。「うまいなぁ」じゃなくて、心に刺さるような歌を歌える人を目指したいです。

 とはいえ、これは訓練でどうにかなるものじゃない気もしていて。僕らが学芸大青春としてこれから歩んで行った先に、手が届くか届かないか、みたいな世界だと思っていて。と言いつつ、学芸大青春として活動しているので、その可能性のひとかけらはあるのかなって信じてやってます。

──目標とするミュージシャンはいますか?

将綺:理想は玉置浩二さん。おこがましいですけど、ああいうシンガーになりたいんです。

──唯一無二ですよね。

将綺:何を歌っても自分の曲になる。ホント理想です。

──ダンスについてはいかがですか? 将綺君はサッカーをずっとやってきたので、「勝負の体になっている」と以前お話されていましたが。

将綺:サッカーって、興奮状態になればなるほど力を注げるスポーツなんです。要はゲージを振り切っても、それが泥臭い美しさになるんですね。でも、ダンスって常に作品として完成させなきゃいけないから、ものすごく難しくて。はっきり言語化はできないんですけど、歌ともまた違う感覚なんですよね。でも、最近は体が多少動くようになってきた実感があるし、ダンスレッスンの先生への質問の質も変わったと思います。今までは「この動き、どうやればいいんですか?」みたいな抽象的な質問だったんですけど、今はグルーヴが気になって。パッと見で同じ動きに見えても、グルーヴが入っているかいないかでだいぶ違うんですよ。例えば、優輝はよく「将綺の胸はタンタンタンで動いてる。でも、やってほしいのはターンターンターンなんだよね」って言うんです。本当に些細な部分ですけど、そういうところの違いだったり、そこに興味が湧くようになりました。

 今までは、自分は学芸大青春のダンスパフォーマンスを崩さなければいい、テストで赤点取らなければいい、みたいなダンスをしてたんですけど、それでは逆に全体を崩してしまうんじゃないかと、3rdツアーの準備期間に感じて。だから、どれだけヘタクソでも、求められる以上のものをやらないといけない、と覚悟を持つようになりました。

──それがツアーの成果だったんですね。

将綺:そうです。でも、K-POPのアーティストとか日本のダンス&ボーカルグループとか、ブルーノ・マーズを観ながら、自分はまだまだ全然ダメだなって思いましたね。有観客になって、お客さんから3次元で間近で観られるようになって、今までは甘えていたんだなって。自分は「ダンスを頑張ってるつもり」でしたけど、それじゃ全然ダメで。そこからは練習の仕方も変わりました。これまでは優輝とはよく歌の話をしてたんですけど、ダンスの話もよくするようになりましたね。

内田将綺

これまでは目の前のことに必死でしたが、3年目は学芸大青春としての目的をクリアしていきたい

──学芸大青春として活動を開始して2年以上経ちますが、メンバーへの思いに変化はありますか?

将綺:ふわっとした、矛盾するような話をしてしまいますが、ものすごく大切で運命的な出会いをしたメンバーでありつつ、僕自身あまり深入りしていないんですよね。かと言って、冷めてるわけでもない。多分、今すごく絶妙なバランスなんだろうなって思うんです。お互いにパーソナリティを知りすぎて、友達みたいな感覚になってもダメだし、仕事をする仲間としてのボーダーは必要で。共同生活をしている分、家族であり友達でありメンバーでもありって関係性ですけど、自分としてはそこの境目をなくしてはいけないなって常に思っていて。

 別に距離を置くとかじゃなくて、寮にいる時は家族だし、レッスンやスタジオではライバルだし、同じ作品を作る仲間でもあるし、その時々で接し方が違うと思うんですよ。もちろん仲の良さは仕事にも出ますし、作品の魅力にもつながっていると思うんですけど、そこに甘えてはいけないというか。3年目になってもっと5人の深みを出していかなきゃいけない、という思いは強いですね。

 たぶん、ファンの方々は、メンバー同士がワチャワチャしてる学芸大青春が好きなところがあると思うんです。でも、その先にもう一段階ある気がするんですよね。評価されているところばかり見て、なんとなく手応えを感じて次に向かうより、もっとよくできたはずのところ、自分たちが追求したいところを伸ばせるようになったら、5人としての深みがさらに出ると思います。

 例えば新曲“Sugar”は、色気やセクシーさを引き出してもらった楽曲ですが、大人っぽさとか色気の本質をとらえるには、自分たちがまだ気づいてないところ、短所に見えるけど長所に変換できる場所を見つけなきゃいけない。そういうところに向き合っていきたいです。

──すごくいいお話じゃないですか。

将綺:ありがとうございます(笑)。それも、共同生活しているがゆえだと思います。一人暮らしだったらメンバーとも仕事の場で集まって、その場で反省して、あとは自分のことをやって……ってなると思います。

 たまに「メンバーはどんな存在ですか」って聞かれるんですけど、本来の僕らは家族でもあるし、メンバーでもあるし、友達でもある。それでいいじゃんって思います。そのうえでメンバーそれぞれが、各人の立ち位置をしっかり把握できれば、学芸大青春ももっと箔がつくと思うし、大人っぽさが出るんじゃないかなって。インタビューではそれなりのことを言うけど、それが形になったり、人としての味になったりしているかというと、自分も含めてまだまだ甘い気がしています。お互いのそういうところに目を配れたら、たぶん次のアルバムはもっと大人っぽくなるのかなって。今はまだ衣装と曲に助けられて、大人っぽさを引き出されている状態ですね――こういう話も個別インタビューだから言えることですが(笑)。

──普段はそういう話はしないんですか?

将綺:5人で真剣なミーティングをしたとしても、こういう会話にはならないですね。よく一緒にいる蓮とは、こういうことも話しますけど。どこまで先のことを見据えてやれるのか。「この作品を作るため」が目的じゃなくて、「その先の学芸大青春のために、この作品はどうすべきか」みたいな考え方ですね。これまでは目の前のことに必死でしたが、3年目は学芸大青春としての目的をクリアしていきたいです。

──長いスパンで学芸大青春のことを考えているんですね。

将綺:メンバーそれぞれだと思いますが、イメージできるものにはたどりつけると思っていて。だから、5人でアリーナに立ってるイメージができる以上は、やっぱりそこを目指したいです。

──来年には次のツアーも始まります。何を見せていきたいですか?

将綺:3rdツアーの4公演よりもレベルアップするのは、もちろんなんですけど。ツアー会場が増えるので、より多くの人に届けたい。それがまずひとつ。あと、3rdツアーは実質初めての有観客ライブだったので、自己紹介に近いツアーだったじゃないですか。僕たちを知ってもらうというか、「こういうグループです」とあらためて提示するツアーだったと思うんですね。だから次は、学芸大青春の魅力をより深掘りしていきたい。2ndアルバムを引っ提げてのツアーなので、ユニット曲もやると思いますし、今までは5人でやる曲が多かったですけど、違う表情も見えると思うので。より深い僕らのエンターテインメントを多くの人に届けられたらと思います。

──最後に、次のインタビューに登場するメンバーに向けてひと言いただいているんですけど、将綺君は最初に登場した陽介君にメッセージをお願いできますか?

将綺:彼は肌荒れを気にするタイプの男なんですけど。「知識をつけて、自分の肌質を勉強したらきっと治るよ」と言いたいです(笑)。

 陽介って、人の意見にすごく左右されるタイプなんですよ。例えば優輝は生命理工学を研究していたじゃないですか。だから優輝がそれっぽいことを言うと信じる、というか、それに染まってしまう。僕が筋トレについて何か言うと、ものすごく反応してくるんですね。影響を受けやすいんですよ、「誰かがこう言ってたからやる」みたいな。肌に限らず、周りに翻弄されすぎると、年を重ねた時に自分がなくなっちゃうと思うので、自分を持ってほしいですね。自分が信じるものを選んでほしいと思います。

取材・文=野本由起  写真=中野敬久
ヘアメイク=yuto


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