彼氏と遊園地デート。観覧車に乗ったら、彼が前のゴンドラの異常に気づいて…/意味が分かると怖い話

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2021年12月05日 20:41  ダ・ヴィンチニュース

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ダ・ヴィンチニュース

写真『意味が分かると怖い話』(藤白圭/河出書房新社)
『意味が分かると怖い話』(藤白圭/河出書房新社)

 藤白圭著の書籍『意味が分かると怖い話』から全5回連載でお届けします。今回は第2回です。一見何の変哲もない普通のストーリーのようだけれど、「あれ? 何かがおかしい…」と気づいた瞬間、思わずゾクゾクッとする。そんな“本当の意味”が分かると身の毛がよだつお話をまとめた1分で読めるショートショート69編収録。累計30万部突破の大人気5分シリーズから派生した、病みつき確実の新感覚ホラー短編集!『意味が分かると怖い話』から「観覧車」「家族の異変」を紹介いたします。怖い話が苦手な方は、ご注意ください。

観覧車

 遊園地デート。

 ジェットコースターやお化け屋敷などで絶叫しまくり。最後に乗ったのは、定番の観覧車。

 どんどん高くなる中で、彼氏の視線が固まった。

「前の人たち、なんで外を見ていないんだ?」

「高所恐怖症じゃない?」

「なんで片方のシートに集まってるんだよ」

「高いところが怖いんでしょ」

 せっかく二人っきりなのに、一つ前のゴンドラに乗る家族ばかり気にする彼氏に、溜息が漏れる。

「じゃあさ。一切、ゴンドラが傾いていないのはなんでだ?」

 その一言で、観覧車も絶叫マシーンの仲間入りを果たした。

意味が分かると怖い話

ゴンドラの片側に家族が集まっているということは、片側のみに百キロを超える重さが加わっているはず。
にもかかわらず、ゴンドラが傾かないということは、彼らには「重さ」がないということ。
すなわち――人ならざるものであるということである。

家族の異変

 私は小さな頃から体が弱いが、明るい父、優しい母、可愛い弟のお陰で幸せだった。

 けれど、ある日を境に父はやつれ、母はよく泣き、弟は無口になった。

 私は明るく振る舞うが皆無視する。

 なぜか線香臭いご飯しかくれなくなった家族に違和感を覚える。

 我が家はどうしちゃったの?

意味が分かると怖い話

小さな頃から体が弱かった語り手は、きっと病気で亡くなってしまったのだろう。
自分自身が死んだことに気がついていない主人公にとっては、悲しみに明け暮れ、自分の存在を無視する家族に違和感を覚えるのも仕方がないことではあるのだが、なんとも切ない話である。

<第3回に続く>


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