これって「がん」かもしれない? 首筋や股関節、わきの下のしこりの正体【医師が解説】

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2021年12月05日 20:51  All About

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写真首の横や股関節、足の付け根、わきの下、耳たぶ、耳の後ろのリンパ部分などの「しこり」。危険なしこりの見分け方や、リンパ節炎などの特徴について、わかりやすく解説します。
首の横や股関節、足の付け根、わきの下、耳たぶ、耳の後ろのリンパ部分などの「しこり」。危険なしこりの見分け方や、リンパ節炎などの特徴について、わかりやすく解説します。

癌の初期症状? 首の横や足の付け根のしこり

医師として仕事をしていると、診察室以外でもちょっとした健康上の相談をされることがよくあります。

その代表が、「先生、ここにしこりがあるように思うのですが、何でしょうか?」というもの。「ひょっとして、悪いできものでしょうか?」と不安げに聞いてこられます。

ここでは、「もしかして癌の初期症状では」「悪性腫瘍かも」と心配される人も多い、首筋やわきの下、足の付け根のしこりについて解説しましょう。

しこりの多くはリンパ節の腫れ・癌の可能性は高くない

日常生活の中で、ふとした時に触れるちょっとしたしこり。入浴中に体を洗っていて気づく人が多いようです。

場所として多いのは、首筋や足の付け根。大きさは1〜2cmのものが圧倒的に多いようです。乳がんのセルフチェック法としても「しこり」の有無の確認が勧められていますが、首筋や足の付け根にできるしこりの多くは、リンパ節が腫れているだけのものがほとんど。

「リンパ節」とは血液とともに全身を巡っているリンパ液の関所のようなところ。リンパ節そのものは全身にあるのですが、体表に近い部分にあるのが首筋や足の付け根なのです。

リンパ節が腫れても、通常は大きさも小さくほとんど触れませんが、これらの体表に近い部位のリンパ節が腫れると、首を傾けたり仰向けになったりしたときなどに触れやすくなります。

また、わきの下や顎の下側など、少し奥まったところのリンパ節の腫れに気づくケースもあるようで、「しこり=癌?」と心配される方も少なくありません。 リンパ節は、もちろん癌との関連で腫れることもあります。しかし確率的には高いものではありません。

リンパ節が腫れる原因の多くは炎症……風邪・怪我・虫歯も

リンパ節の腫れの場合にまず考えられるのは、体内で起こっている炎症に対する私たちの体の正常な反応ということです。

リンパ液は、体内に菌が入ってきたときに免疫反応でこれらをやっつけるような働きをします。その結果炎症がおこります。

リンパ節はそのための司令塔的な役割も担いますが、活動しているときに腫れるので体表から触れるようになります。

風邪などでノドの粘膜が腫れている時には首筋のリンパ節が腫れますし、虫歯や歯周病で口の中に炎症があるときには顎の下のリンパ節が腫れることがあります。また、足に怪我や炎症があるときには足の付け根のリンパ節が腫れることがあります。

危険なしこりの見分け方……変化・硬さ・動くかどうか

リンパ節が腫れている場合には、筆者たちは「大きさの変化」と「硬さ」と「可動性」に着目して、悪性か心配ないものかを見分けます。

ただの炎症反応で腫れている場合は、炎症のピークを過ぎれば必ず小さくなっていきます。硬さは、比較的弾力性のある硬さで、外から触るとぐりぐり動くことが多いです。

逆に、大きさがだんだん大きくなっていく、弾力があまりない硬さである、そして外から触ってもあまり動かないという場合には、炎症以外の原因で腫れている場合もあり、その原因の一つとして癌も挙げられます。

また、同じ炎症でも、炎症の原因が癌にともなっておこる細菌感染などの場合もあることは、可能性としては考えておかなくてはなりません。

このように、リンパ節の腫れに気づいた場合でも基本的には心配することはありません。しかし、大きさが変わらない場合や硬さが気になる時には自己判断をせずに、一度医師の診察を受けることをお勧めします。

狭間 研至プロフィール

大阪大学医学部卒。日本外科学会 認定登録医。大阪大学医学部付属病院、大阪府立病院などで外科・呼吸器外科診療に従事した後、現在は地域医療の現場で医師として診療を行う。ファルメディコ株式会社 代表取締役社長。医療法人嘉健会思温病院理事長。外科医、地域医療、薬局運営の豊富な経験から、医療と患者さんの橋渡しとなる分かりやすい医学情報発信を行っている。
(文:狭間 研至(医師))

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