ホンダF1田辺TDレース後会見:運営には疑問符も「王者相手にここまで踏みとどまってきた」と前向きな姿勢で最終戦へ

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2021年12月06日 20:11  AUTOSPORT web

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田辺豊治 ホンダF1テクニカルディレクター 決勝インタビュー
大波乱のレースとなった初開催の2021年F1第21戦サウジアラビアGP。マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)は2位に終わり、獲得ポイント数でついにルイス・ハミルトン(メルセデス)に並ばれた形で最終戦アブダビGPに臨むことになった。

 今回を含む直近3戦はすべてハミルトンの勝利という厳しい展開だが、ホンダF1田辺豊治テクニカルディレクターは「王者相手にここまで踏みとどまってきたことは、挑戦し続けてきたからこそ」とあくまで前向きだった。

 一方でレース運営に関して少なからぬ混乱が見られたことについては、「迅速、適切な判断がなされたのかは少し疑問に思う」と率直な思いを語っていた。

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──大波乱のレースでした。

田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):いろいろなことが起きたレースでした。そんな波乱のなかでマックス選手が2位、ポイント数ではハミルトン選手に追いつかれましたが、優勝回数で首位をキープしています。タイトルを獲得できるかどうかは最終戦まで持ち越され、そこですべてが決まることになりました。我々としても万全の準備をして臨みたいと思っています。

──セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)はリタイアに終わりました。

田辺TD:再スタート後の混乱のなか、他車と接触してしまいました。メルセデスが今回1位と3位を獲ったことで、コンストラクターズ選手権についてはかなり厳しい状況になってしまいました。とはいえ、可能性はゼロではないので、こちらもチーム一丸となって戦うつもりです。

──アルファタウリ・ホンダはいかがでしたか?

田辺TD:(ピエール・)ガスリー選手はきちんとレースを走り切って6位を獲得し、前戦の不調を跳ね返して結果を出してくれました。角田(裕毅)選手も初日から速さを発揮していたのですが、レースでは残念ながら接触事故を起こして14位完走でした。予選までは非常にいいパフォーマンスでしたし、レースもその速さを維持していたので、それゆえの接触という面もありました。この速さを最終戦でも発揮してくれることを期待しています。

──同点で最終戦を迎えるという状況は非常に珍しいと思いますが、田辺TDはどう受け止めていますか?

田辺TD:今シーズンをここまで戦ってきて、21戦を終えて同点。言い換えれば、王者相手にここまで踏みとどまってきました。そこは昨年までの戦いを振り返っても、非常にいい形で進められたと思っています。挑戦し続けたことがこういった成果を出せました。そこは前向きに受け止めています。相手も同じ気持ちかと思いますが、精神的な部分でも負けないように最後のレースを迎えたいと思います。

──サウジアラビアGPはいろいろなことのあったレースでしたが、フェルスタッペンは全体的にアグレッシブに戦い続けた印象です。最終戦もその姿勢で行ってほしいですか? あるいはもう少し落ち着いてもいいと思っていますか?

田辺TD:これまでもベストの走りをしてきてくれています。最終戦も望むのはそれだけです。それ以上、特に言うことはないですね。

──技術的な質問ではないですが、レース管理という部分でFIA、あるいはスチュワード側にまずい部分が多々あったように見えました。その部分はどう思いましたか?

田辺TD:クリーンなレースで、きちんとした戦いをしてほしいと予選後にも言いましたが、コースレイアウトの特殊性もあり、いろいろなアクシデントが起きました。そのなかで迅速、適切な判断がなされたのかというのは、少し疑問に思いました。どんな議論があり、どんなロジックでああいった決定がなされたのかは知る由もないですが、戦っている立場で言うと、気持ちよく納得できる形の決定かというと、ちょっとどうかなと。初開催でもあるジェッダ・ストリート・サーキットで起きたことは、次に向けての学びになったのかなとは思います。

──最終戦のアブダビGPでは、何がポイントになりそうですか?

田辺TD:今まで走り慣れたコースが今年は大きく(レイアウトが)変更されました。ラップタイムも速くなると聞いていますが、それを踏まえてシミュレーションをしてきました。とはいえ、実際に走ってみないと分からない部分も多いので、楽しみにしていただければと思います。

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