懐かしいけど新しい LED使用のピクセルアート作品がまさに光の彫刻

0

2021年12月07日 09:01  おたくま経済新聞

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

おたくま経済新聞

懐かしいけど新しい LED使用のピクセルアート作品がまさに光の彫刻

 見る人を魅了する、LEDを使用した美しいピクセルアート作品が注目を集めています。ツイッターに投稿された動画を見てみると、初めに作品に取り付けられたLEDが発光しますが、この段階ではまだ何が描かれているのかが分かりません。


 この状態で格子状の仕切りと障子紙、スモークアクリルで出来たパーツをのせると……あら不思議、光が成形されまるでドットグラフィックのように。まばたきをする「狐のお面」が出来上がりました。


【その他の画像・さらに詳しい元の記事はこちら】


 作品を制作したのは現代アーティスト・彫刻家のzerotaro(@zerotaro)さん。デジタルとアナログの領域を横断する立体作品を制作しており、SNSのほか個展や展示会などで作品を公開しています。


 今回の「狐のお面」は、個展を開催する場所が100年近く経つ古い日本家屋をリノベーションした空間であることと、そこにあった古いお面からインスピレーションを受けて制作されました。古いお面と現代アート作家によるLEDの狐面。異なる時代のアートが並ぶ様子は情趣に富み、なおかつ面白みのある空間となっています。


 zerotaroさんがピクセルアート作品を手掛けるようになったのは美術大学生だった頃。デジタル技術やテクノロジーを用いた立体の作品作りをしたいと思い、幼少の頃からの趣味であったビデオゲームで用いられていた「ドット絵」の技法に着目し作品を作るようになったそうです。特に「ファイナルファンタジー」や「ドラゴンクエスト」に登場する敵キャラクターのグラフィックに感銘を受けたのだとか。


 「デジタルのビジュアル表現の最小単位であるピクセルアートは、制限の中で見る人の想像力を膨らませて実在感を生み出し、デジタルとアナログな私たちを繋げてくれるものだと思っています」


 ピクセルアートの魅力についてこのように語るzerotaroさん。昔ながらのピクセルアートをLEDを用いて立体化したどこか懐かしくて新しい作品は、LEDコントローラーと付属のアプリを使用していることから、さまざまな表現に応用が出来そう。今後の作品の広がりにも注目です。


 なお、zerotaroさんの個展「Become Future Classics」が、大丸松坂屋百貨店「未来定番研究所」(東京都台東区)にて12月18日まで開催中。今回の「狐のお面」の他にも多数のピクセルアート作品が展示されています。



<記事化協力>
zerotaro@Pixelart_Sculptureさん(@zerotaro)


(山口弘剛)


    ニュース設定