オミクロン株はワクチン接種から生まれたのか「危険性と感染リスク」に迫る

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2021年12月08日 11:00  週刊女性PRIME

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※写真はイメージです

 新しい変異ウイルス「オミクロン株」が誕生。WHOは「危険性が非常に高い」と発表した。アルファから数え、今回で13番目の変異ウイルス。南アフリカで生まれたのはある理由が? なぜこれほどまでに次々と変異は増えていくのか。ワクチン接種を重ねることで変異が増加? さらなるパンデミックを医師が解説する。

実は“変異”は100万以上起こっている…!

 ここ数年、人類を苦しめ続けている脅威が、姿を変えてわれわれを襲おうとしている。新型コロナの“変異”ウイルス『オミクロン株』だ。そもそもなぜ変異は起こるのか。

「今回の新型コロナのようなRNA型のウイルスというのは非常に単純な構造です。生物学的にウイルスの生態として、環境に合わせて自ら構造を変えるというような“判断”をする能力は一切ありません。確率の話で、生物学的に変化は起こるもの。また、それらはすべて“偶然”起こります。新型コロナの変異ウイルスが生まれるのは、生物学的なこの原則によるものなので、変異はいくらでも起こりえます」

 そう話すのは、新潟大学名誉教授で医療統計の第一人者と呼ばれる医学博士の岡田正彦先生。

「実は新型コロナウイルスは、数え切れないほどの遺伝子の違いが発見されています。国際的な機関の調査で遺伝子の違いは、すでに100万種類以上報告されています。これは人間でいえば“個人差”のようなもので、変異株というほど大げさなものではないのですが、それくらい絶えず起こっていることなのです。

 そのなかで感染力や病原性、ワクチンに対する抵抗性などに関わる部分に重大な変化があったときに、“変異株が現れた”と定義されます。今回のオミクロン株がそうなのですが、例えばウイルスが人間の細胞に取りつく手足の部分に大きな変化があってガッチリくっついてなかなかはずれないという変異があったときに、人間にとって重大な脅威になる」(岡田先生、以下同)

 ではなぜ“変異ウイルス”は生まれるのか。

「さまざまな変異が起こっているなかで、たまたまある人に取りついたウイルスがあり、その人が強力な中和抗体を持っていた、もしくはワクチンを打った後で新鮮な中和抗体を持っていた場合、そのウイルスは生き延びられません。

 しかし、人間に取りついたウイルスの中には従来のワクチンが効かないようなウイルスがいたり、まれにワクチンに負けない変異を起こしたウイルスも確率的にいるのです。たまたまウイルスにとって都合のいい変異を持ったウイルスが生き延び、細胞の中に入り込む。それが呼吸器などを通して他人を感染させ、そして世界中に広まる」

オミクロン株が危険変異株といわれる背景

 オミクロン株が発見された南アフリカは、アストラゼネカ社のワクチンの治験を行ったことで知られる。

「南アフリカは接種システムがバラバラで、あるところで接種したが、2回目は全然別の場所で打つといったケースが多いと報じられています。今年の5月に南アフリカの科学技術省の研究者が“アストラゼネカ社のワクチンは効かない”という発表をし、輸入を止めました。効果がないという理由は、ベータ株というアストラゼネカ社のワクチンによって生じた中和抗体に負けない変異株がたまたま生まれたからです。

 総合すると、南アフリカは2種類のワクチンを接種した人、感染してから接種した人、接種してから感染した人がすごくごちゃ混ぜになっているという状況が、ほかの国より多いのではないかと思います。そうなるとこれまでお話ししたウイルスのメカニズム、変異する確率が増えることになります」

 オミクロン株が発表されたのは11月25日。

「南アフリカの研究者はかなり時間をかけて丹念に遺伝子解析をし、感染者の追跡をしていたはずです。そのうえでのマスコミ発表になりますので、かなり前からあったと考えられます。今日時点でオミクロン株の感染者は日本では2例ですが、もっとたくさん入っている可能性も(編集部注・6日、日本人の感染が初めて確認され、国内では3例目となった)。すでに手遅れではないかと私は思います。先日まで海外から外国人は入国できていましたから。

 11月30日から入国が厳しくなったわけですが、それでも厳しいとはいえず、オミクロン株に感染していた人と同じ航空機に乗っていた人たちは隔離されず自宅待機となっています。家庭内感染が起こっていてもおかしくない」

 では、オミクロン株は“危険”なのか。

「オミクロン株が要注意、危険変異株といわれる背景ですが、オミクロン株は遺伝子変異の“箇所”が多い。例えばほかの変異株より危険だといわれた『デルタ株』の場合は、10か所の変異が見られた。南アフリカで発見され、同じく要注意変異株とされた『ベータ株』は6か所。対してオミクロン株は26か所の重要な変異が見られた。30以上などともいわれていますが、病原性・感染性に影響しないものも含めると30以上あるだろうということです」

 変異の“数”は重要なのか。

「遺伝子の変異だけ見た専門家たちは、要注意だと思われるが、まだ証明ができていないとしています。変異がいっぱいあるから危険だということにはならない。今、『シュードウイルス』というものを使った研究が進められています。シュードとは“擬似”という意味。人工的に作ったウイルスを使った研究です。複数の大学やメーカーで行われていて、あと数日のうちに結果が出るといわれています。

 きちんとした調査によって“本当に危険なのか”今日現在はまだわからないんですね。感染力は強そうですが、重症化しやすいのかどうかわからない。ワクチンが効くかもわからない。ちなみにメッセンジャーRNA型のワクチンは簡単な構造のため本当に数日あれば作り変えられます」

 人間が身体を守る行為をすることによって、ウイルスは姿を変える。このようなことを人類は繰り返してきた。

「例を出すとインフルエンザ。インフルエンザには特効薬としてタミフルがありますが、それが効かなくなってきている。1つの理由として日本人がタミフルを使いすぎていることが世界的に指摘されています。確率的に変異が起こるウイルスのうち、たまたまタミフルに負けない変異を持ったウイルスも生まれる、結果的にそれが世の中に広まってしまっている。それと同じ状況の話かと思います」

 この脅威はいつ終わるのか。終息は見えない。

このニュースに関するつぶやき

  • アホか?ワクチンとは関係なく変異は一定の確率で頻繁に起こるんだよ。その殆どが変異=自死なんだ。ウイルスの奇形なんだよ。必死にワクチンのネガキャンしたいだけだろ?
    • イイネ!9
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