オリックス・能見兼任コーチ「若手投手には大きな可能性も、連覇は厳しい戦いになる」

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2021年12月08日 19:50  ベースボールキング

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「充実した1年だった」と語るオリックス・能見篤史兼任コーチ
◆ 1000万円増の4500万円で更改

 オリックスの能見篤史兼任コーチが8日、大阪市内の球団施設で契約更改交渉を行い、1000万円増の4500万円で更改した。

 17年目の今季、0勝0敗2セーブ、防御率4.03で2008年以来の未勝利に終わったが、選手として中継ぎや救援でチームに貢献したほか、コーチとして山本由伸や宮城大弥ら若手投手への的確なアドバイスなども評価されたとみられる。

 「パ・リーグも兼任コーチも初めての経験。監督やコーチの方々に配慮してもらいながらの1年。能力のある選手が多く、マウンドで表現してくれる選手も多かったので、僕もいい意味で引っ張られた。個人としてはそこまで貢献出来たのかというと、そうでもないとも思う」と、控えめに阪神から移籍した1年目のシーズンを振り返った。

 自身の印象に残るゲームに挙げたのは、初セーブを挙げた5月2日のソフトバンク戦(京セラドーム大阪)。「1点差で、ましてやソフトバンク戦だったので、僕自身、感じたプレッシャーは相当なものだった」と振り返る。

 日本シリーズ第6戦の延長11回に登板し、ヤクルト・村上宗隆を伝家の宝刀・フォークボールで左飛に打ち取った場面については「セ・リーグで対戦していて、やりにくさはあったけど、4番打者なのでいろんなことを想定しながら投げていた」とベテランらしいマウンドさばきの一端を明かした。

 ほっともっと神戸での日本シリーズでは、ブルペンで炭火の様子をみたり、マウンドに登り降板後は再びブルペンに戻りベンチと連絡を取り合ったりするなど、コーチと選手の二刀流でチームを支えた。球団は来季から、能見のブルペンでの負担軽減のため、コーチを増員する。「大変さより、充実している方が大きかった。球団にいろいろ配慮してもらっているので、今度はグラウンドで返したい」と、選手としてのさらなる貢献も誓っていた。

 兼任コーチとして、若手投手の育成も大きな仕事。推しの選手を聞かれると「めっちゃ、いますね。ちょうどスタートラインに来た選手が多く、強いて名前をと言われても困るほど。大きな可能性しかない」。

 その一方で、連覇には「相当厳しい戦いになると想定している。試合に備えた準備をしっかりとすることが大事になってくる」と表情を引き締めた。

 「今季は五輪休みもあり、計算がしやすかった。来季はそうはいかない。143試合を(休みなしで)フルに戦った場合、体力がもっていたか。もっとケガ人が出ていたかもしれない。今年はうまくいって優勝させてもらったが、現実を考えるとどうかな、と僕自身は感じた」と述べ、通常の日程で1年間を戦うことの難しさを指摘した。

 来年5月で43歳。「プロ入り時の体重が68キロ。いま74キロで、体重が大きく変動しないので、体への負担が少ないのかな。それだけだと思う」と、若さを保つ秘訣を明かし、「この歳になると余分な動きはなくなっている。伸びしろより、元気に動けることが大事になってくる。メリハリをつけながら考えていく」と、年齢に応じた調整の仕方も披露した。

 「もう休みは十分なので、近いうちに動きます」。 シリーズ終了から約10日。18年目のシーズンを見据え、目が輝いた。

 このほか、3年目の太田椋が550万円増の1600万円、途中出場で内野守備などに貢献した山足達也は300万円増の1800万円で、いずれも更改(金額は推定)している。

文・写真=北野正樹(きたの・まさき)

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