予選で光る走りを見せた角田は「いい流れを作りつつある」レースパフォーマンス向上に期待/ホンダ山本MDインタビュー

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2021年12月09日 06:20  AUTOSPORT web

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ホンダF1 山本雅史マネージングディレクター
2021年F1第21戦サウジアラビアGPでの角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)は、予選でチームメイトのピエール・ガスリーに迫る走りを見せて8番グリッドを獲得した。決勝ではスタート直後に軽い接触などがありつつも入賞圏内を走行するが、その後レース中盤の接触によるペナルティを科され14位でレースを終えた。

 ホンダF1の山本雅史マネージングディレクターは、角田の走りについて「非常にいい流れを作りつつある」と評価。最終戦アブダビGPに向けて、「ポイントを狙える位置で完走してほしい」と期待を語った。

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──土曜日の予選で最終コーナーの立ち上がりでクラッシュしたマックス・フェルスタッペンのアタックについてはどう考えていますか?

山本雅史マネージングディレクター(以下、山本MD):クラッシュしたことよりも、それまでの走りがすごかった。壁にぶつかるまでの速さは神がかっていたと思います。今シーズン初めてかもしれないくらい、久々に感動しました。金曜日のFP1とFP2のロングランを見ていると、ルイス(・ハミルトン/メルセデス)のほうがちょっと良さげで、今週末も総合的にちょっと厳しいかなと感じていたところで、マックスが神がかった走りを披露してくれて、私たちも元気と勇気をもらいました。クラッシュしないで、あのまま走っていたら、どれだけ2番手以下を離してポールポジションを獲得していたのかと。やっぱりマックスはすごいと改めて感じた予選でした。

──金曜日の出遅れが、最終的に日曜日のレース後半のペースにも響いた感じですね。やっぱり3日間通して完璧でないとメルセデスには勝てない。

山本MD:そうですね。向こうもギリギリでやっていると思うんですけど、そういった意味ではやっぱり3日間の総合力が51対49ぐらいで負けた感じですね。あとは最終戦のアブダビGPを残すのみ。最後1レースなので、しっかりやり切りたい。気持ちよく日本に帰りたいです。

──チームメイトのセルジオ・ペレスがリタイアに終わり、コンストラクターズ選手権の方が少し厳しい状況になりました。ペレスの事故についてはどのような感想ですか?

山本MD:あれは単純に、「ルクレール、もうちょっと早く引いてくれよ」という感じです。あのまま行ったら、次は左コーナーでどんどん狭くなるんだから、そのまま行ってはいけないと思って見ていました。微妙に死角だったからチェコも見えてなかったのかもしれない。ミディアムタイヤを選択してチェコを追い上げさせようと思っていただけに、リタイアは残念ですね。コントラクターズ選手権が厳しくなったという意味では、ひとつチャンピオンシップが遠のいた感は否めない。もちろん、レースだから、同じことが次の最終戦では向こう側に起きる可能性もあるから、最後まで、アブダビの決勝のチェッカーを受けるまでしっかりやりきりたいなと思います。

──角田選手は昨日までいい形で来ていましたが、今日はうまくいきませんでした。

山本MD:アルファタウリの2台はスタートで少し出遅れた。ガスリーも角田くんもちょっと後退した。でも中盤はガスリーも追い上げたし、角田くんもポイント圏内を走っていたので、いい感じだったのですが、(セバスチャン・)ベッテルを抜くのにもう少し慎重に行けばよかった。ベッテルもなかなかとっちらかっていたわけだし。後半戦は、予選の走りを見ても、特に昨日の予選では光る走りを披露していただけに、接触は残念。ですが、これも経験です。

──予選では、もう少しで僚友ピエール・ガスリーを上回ることができるところまで来ていました。

山本MD:そういうのも含めて非常にいい流れを作りつつある。あとはレースだけ。やっぱりF1はスピードが違うから、オーバーテイクの判断もFIA-F2と違うんでしょう。ブラジルGPでの(ランス・)ストロールとの接触といい、クルマとの距離感の取り方が角田くんらしくないなと思って見ていました。彼はレースを俯瞰的に見ることができる能力があるドライバー。ただ、これも経験だと思うので、流れはよくなってきているとは思います。

──最終戦の予選でガスリーに勝って、気分よく締めくくってほしいですね。

山本MD:それを目指してほしいところでもありますが、角田くんに関しては予選よりもレースでのパフォーマンスですね。行けそうで行けないみたいなところの紙一重の判断をうまく行って、アブダビではやっぱり完走してほしいし、そのうえでポイントを狙える位置で完走してほしいなと思います。

──いよいよ、ホンダF1としては残り1戦となりました。今回のサウジアラビアGPのパドックでは、多くのVIP、そしてレース関係者からも激励されていました。パワーユニットとしては、おそらく次に交換は絶対あり得ないと思います。もちろんホンダ側も現場でのセッティング作業などやらなければならないことはあると思いますが、基本的にはあとはそのパワーユニットをいかに乗りこなすのかドライバーとチームの力にかかっています。どういう心境で最終戦に臨みますか?

山本MD:昨年、いい形で最終戦をポール・トゥ・ウインでマックスが勝っているので、そういう流れを、みんなで作りたいなと思います。そのためにはやっぱりチャレンジングに行く姿勢が大切です。昨年もチャレンジングに戦った結果、優勝した。そういう気持ちをみんなが持って、同じ方向に向かってやるしかない。同点なので、あとは勝つか負けるか。前に行った方がチャンピオンだと思えば、ここよりはちょっと攻め甲斐があるんじゃないですかね。ここはやっぱり、残りもう1戦あるというのが我々にもどこかあった。もう1戦、PUを使わないといけない。3つの選択があるじゃないですか。でもこの次はふたつしかない。勝つか負けるか。そういった意味ではもう攻めて攻め切って、しっかりやり切って終わりたいです。

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